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『なぜ教育論争は不毛なのか―学力論争を超えて』 苅谷剛彦


なぜ教育論争は不毛なのか.jpg



全国230万人以上の小6・中3の生徒たちが参加した、昨日の全国一斉学力テスト、数で言えばセンター試験の4倍近くですね。このテストに関しては、以前のコラム 『学力テストに関して:新しい教科書問題』 で書きました。


端的に言えば、生徒の基礎学力を上げてやりたい、進路指導をしたいと思う先生方と、まじめに勉強していても、塾に通っていない生徒たちに正確な情報を与えるためには、(問題も見ておりませんので)今回のやり方がベストかどうかはともかく、テストは絶対に必要だということです。

そもそも実態がわからないままでは、議論すらかみあいません。

ついこの前発表された、国立教育政策研究所の実施した学力テストの結果では、危惧したとおり、英語・数学などの科目ではっきりと二極化している様子がわかります。点数分布で山が二つできてしまいました。

  ⇒ 調査集計結果 (国立教育政策研究所)



そしてこの学力格差の広がりを、ゆとり教育の論争以前からいち早く指摘していたのが本書の著者、苅谷剛彦氏です。これまで、氏の著作や共著のもので、『教育改革の幻想』、大村はま先生との 『教えることの復権』、橘木俊詔斉藤貴男氏らとの 『封印される不平等』 を取り上げました。


今回のテスト、やはりあいかわらず、新聞、特に地方紙には “ランク付け” だの “序列化” “過当競争” といった否定的意見が載っていました。確かにテスト結果の使い方には慎重を要すると思いますが、テストをしなければますます格差は見えにくくなってしまいますし、社会の階層化にすらつながりかねないと思うのです。

NEWS23の報道では、広島県の学力向上を公約にした街と、唯一今回のテストに参加しなかった愛知県犬山市の、ある勉強が苦手な一人の生徒だけを取り上げて、全国テストを論じていました。とにかく基礎学力を測るのに、“印象論”や政治を持ち込んで欲しくないなぁというのが本音です。


日本を滅ぼす教育論議』で岡本薫氏がいうように、また『授業の復権』で森口朗氏が指摘するように、学校の役割を整理して議論して欲しいと思っています。

義務教育というかたちで、学習の“機会の平等”を与えれば、“結果の不平等”は当然出てきます。序列化とはまったく別の問題です。スポーツでも音楽でもあるでしょう。


それを検証もしないまま、ゆとり教育だの、総合的学習だのと次々と現場を混乱させ、結局格差は開く一方で、気が付いてみると、苅谷氏が指摘するように、東大に入る生徒は所得の高い家庭ばかりという状況になっています。すでに機会の平等すらあやしくなっているというように認識しています。


以前、苅谷氏がNHKの教育テレビで、ゆとり問題を論じているのを見ていたのですが、単に客観的な数字や状況を紹介しているだけのような冷たい印象(笑)を持っていましたが、本書を読んでその意図が分かりました。

不毛な論争に巻き込まれたくなかったのですね。本書ではご自分の言葉で、明確な主張をしています。学力論争は決着済みであるから、きちんと政策評価や資産の再分配ができるしくみにしようということです。


以下が目次です。


序 教育の論じ方を変える

第1部 学力低下論争の次に来るもの(もう、学力論争は終わった;一九九九年風は「ゆとり教育」のほうに吹いていた ほか)

第2部 なぜ教育論争は不毛なのか―メディア篇(独立行政法人化報道に欠ける「そもそも論」;消費される「動機理解」の事件報道 ほか)

第3部 なぜ教育論争は不毛なのか―行政・政治篇(「学習指導要領」の方針大転換;教育改革国民会議を読み解く ほか)

終章 隠された「新しい対立軸」をあぶり出す(なぜ「階層化」が問題だったのか;なぜ「子ども中心主義」教育が問題なのか ほか)


「ゆとり」か「詰め込み」かなど、左右対立の図式の観念論をやめて、正確なデータに基づく教育政策をぜひ実行して欲しいと願います。 “熱い教育論” を闘わせるよりも、まずは、さまざまな資料を分析し、現状の共通認識を作り上げるのに、今回のテストが大いに役立つと良いのですが。



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なぜ教育論争は不毛なのか―学力論争を超えて

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