本を読もう!!VIVA読書!【LIST編FC2】

【絵本から専門書まで】塾講師が、生徒やご父母にお薦めの本をご紹介!本体【goo】の書評リスト編です。コメント大歓迎!  

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『大江戸生活体験事情』 石川英輔、田中優子


大江戸生活体験事情.jpg



東京都の知事選が近付いてきましたね。一週間後です。こじ付けで恐縮ですが(笑)、東京といえば江戸。江戸時代の生活を実験したおもしろい本を取り上げます。春休みに実験できそうなものもあります。


明治維新以来、欧米に追いつけということで、日本が近代化を急いだという歴史の大きな流れがあるためか、不当に江戸時代が遅れた文明しか持たなかったかのように言われることに、著者のお二人は異議を唱えます。


実際、当時の国民全体の教育水準は、寺子屋のおかげで世界最高レベルの識字率を誇りましたし、同じ考えを持つ童門冬二氏の 『和魂和才』 を読みましても、産業の近代化こそされていませんが、学問レベルはかなりの水準だったと感じます。


本書は江戸時代について多くの本を著している二人の先生が、これまでの集大成ということでしょうか、二年間に渡って実際に江戸時代にあったものを体験してみようということで、その体験エッセイになっています。


ほんの150年ほど前は、電気もなく、マッチもなく、今の時計もなく、ペンや鉛筆もないわけです。そういう生活とはいったいどういうものかを実験してみようという企画です。どんなことをやったのか、目次を紹介しましょう。


知識はエネルギー
時刻がうみだすエネルギー
天体の動きで生きる快適さ
昔のこよみによる生活
旧暦を楽しく使う法
火打ち石で火をつける
火打ち石の体験
行灯の暮らし
行灯でものを見ると
書くこととその道具〔ほか〕



計算によれば、江戸時代は現在のなんと100分の1のエネルギーで生活をしていたそうです。そう聞くと何となく原始時代を想像してしまうのですが、そんなことは全くなく、非常に知恵を働かせた節約社会が江戸にはあったということが分かります。 


火打ち石って使ったことありますか。行灯(あんどん)、当時の時計、こよみ、着物、履物、筆などを作ったり、使ったりして、その良さを強調するわけです。


なぜ勉強するのか』の中で、鈴木光司氏も述べているように、現代人の生活がきものやちょんまげでなくなったのは、洋服や靴の方が快適に過ごせるからに他ならないと思うのですが、そんなことを言ったらお二人に怒られそうです(笑)。


まぁ、確かに何もかも、あまりにも効率優先の世の中になってしまったので、下駄の良さや他の日本文化の伝統と歴史の知識を伝えていくことは、大変意義深いことだと思います。しかも今になって環境問題などを考えるヒントも与えてくれるかもしれません。


現代社会を、“便利さのために、空気や水を汚染し、国民が花粉症だらけで自殺者が多い世界” だととらえてしまうと、はるか江戸時代に郷愁を感じることも無理からぬことですね。しかも思いのほか便利そうなもの、快適そうなものがありました。


江戸好きのお二人は他の本で江戸のすばらしさ(現代文明の愚かしさも)を力説している時とは違って、単に楽しそうで、私も一つくらい実験してみたくなりました。もし生徒で興味を持つ人がいたら、チャレンジしてみて下さい。


人々の知恵こそが大きなエネルギーであるということがよく分かりました。



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『大江戸生活体験事情』石川英輔、田中優子
講談社:304P:560円


 

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  1. 2007/03/31(土) 11:15:01|
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春の草花





 昨日は春期講習会の谷間。塾に通っていた、元高校3年生や元浪人生たちが集まってくれて、お好み焼きやさんでの合格パーティーでした!


先々週の中3生とのボーリング大会といい、昨日のパーティーといい、まぁ、まぁ、まぁ、受験が終わった連中は、よくしゃべるし、とにかくものすごく食べる!毎年のことながら実に頼もしいです。


本当は、たくさん撮ったにこにこした写真をアップしたいのですが、肖像権やらプライバシーやらありますから、とりあえずやめて…、


またまた、春の植物です。みんな名前が言えるかな?


(家族が帰省して写してきたものです。ご笑覧ください)




 


さくらつぼみ.jpg


 


 


つくし.jpg


 


花ブルー.jpg


 


花赤.jpg


 


 


たんぽぽ.jpg



 


 



さぁ、今日から春期講習後半!


 


来年も暖かい春が迎えられるように、みんな、がんばるぞ!
 


 


 
 




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  1. 2007/03/31(土) 02:17:03|
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『蛇の石(スネークストーン) 秘密の谷』バーリー・ドハティ著 中川千尋 訳


ヨの石(スネークストーン)秘密の谷.jpg


 
これも小学校高学年以上の生徒たちに、春休みにぜひ読んでもらいたい一冊です。以前ご紹介した 『ミラクル(辻仁成)』も忘れられない名作だと思いますが、本書もそれに劣らないすばらしい作品です。どちらも、母親をさがすお話しです。


たった一人での母親さがしの冒険ですが、『アルケミスト』のように魔法も奇跡も出てきませんし、太陽や風もしゃべりませんので、全然、売れてはいませんが(笑)、じっくり読んで、深く感動できるのではないかと思います。



ストーリーを紹介します。■~■




主人公のジェームスは15歳の少年で、飛び込みの選手。将来オリンピックも狙えるかというほどの有望な人材です。父親はその鬼コーチですが、普段は父母ともに優しい家庭です。


ただ、ジェームスは養子であり、両親はそのことをオープンに話してきました。それで幸せに暮らしていましたが、ある日の飛び込みの練習中に、父親が想像を絶する厳しい指示を出し、そのせいでジェームスの仲間に事故が起こります。


その時は激しく父を憎み、それをきっかけに親子にわずかな溝ができてしまい、どうしてもジェームズは自分の本当の親、自分の出生に関して知りたくなってしまうのです。

ついに両親をごまかして、飛び込みの合宿に行く途中、自分で本当の親を捜す旅に出かけてしまいます。生みの母が書いた、“サミー(ジェームスの元の名)をお願い” の紙辺と、自分がもらわれた時に身に付けていたアンモナイトを手がかりに。


そこからは、ちょっとした探偵なみの推理力と、思い切りのよい行動力で先の見えない冒険にいどみます。途中で知り合った人が力になってくれるなどして、とうとう産みの母に再会します。

最後、アンモナイトを見たお母さんは、それと悟り、
『幸せなの?サミー』 と聞き、それに頷くと『よかった』 と答えて、家族の方へ歩いていきます。

その後、ジェームスは家にもどり、元の生活の中で飛び込み選手として活躍します。




少年や少女が、成長する過程でどうしても、これまでの自分や家族の枠を超えて何かを知りたいと思う時期が訪れます。親子であるがゆえに、教えにくいことや、聞きにくいこともあるでしょう。

親のかわりに、塾の講師に聞いて、ことが足りれば良いのですが、どうせ親と裏でつながってるし(笑)、で、結局は 『勉強しろ!』 と言われることは目に見えていますから、本でも読もうと。


そして本では得られないものを得るために、本を書いてあることを自分の目で見てみたい、あるいは好きな本を書いた人の境地に近付こうと思って、きっと少年たちは旅に出るのでしょう。


冒険や旅を終えて自分が知ったことを、どういうわけか成長した子どもは心にそっとしまっておく。きっと、こういう時から、自分と自分の親を客観的に見られるようになるのだと思います。

非常にすがすがしい一冊です。自分の子が反抗期だと感じている親御さん、お子さんに薦めてみたらいかがでしょうか。



 


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『蛇の石(スネークストーン) 秘密の谷』バーリー・ドハティ著 中川千尋 訳
新潮社:219P:499円


 


 

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  1. 2007/03/30(金) 14:50:06|
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『だから、あなたも生きぬいて (So Can You) 』大平光代著 英語版:ブレナンジョン訳


だからあなたも生き抜いて.jpg      So Can You.jpg




今日は医師国家試験の合格発表だったのですね。突然、かつての教え子が “合格しました” と教室に報告に来てくれました。そのお兄さんも、弟も通塾していましたし、もう中学生時代から見ていた生徒ですから、『あいつがドクターかよ~』 と、しばし感慨にふけりました。

昔から、心優しい少年だったので、わたしの方から、『医学部はどうでしょう。医者にしましょう』 とお母さん、そして本人に勧めた経緯があるので、今日のにこにこした顔を見て、本当にうれしかった。よかった~。

その彼が出た、その国公立大学の医学部の中で、同時に合格した仲間で最年長は50歳!だそうです。私のその教え子は現役合格ですから24歳。年が倍以上の同級生がいるなんてすごいですね。いろんな人生があるもんです。



さて、こうして塾や学校から巣立っていく人たちがいれば、当然、新しく入ってくる人もいるわけです。新学年の新学期がいよいよ近付いてきましたが、子どもたちは、誰と一緒のクラスになって、どんな先生が担任になるのか、わくわく、ドキドキでしょう。

でも生徒諸君!もし、思い通りにならなくても気にしない、気にしない。先生たちもお父さんやお母さんたちも、み~んな経験していることだけど、必ず新しい知り合いの中からよい友達ができる。(年が倍の人はいないだろうけどね(笑)…)


それに楽しいことも、つまらないこともあるのが学校で、楽しいだけなら遊園地。人を見かけだけで判断しちゃダメ。生意気そうな態度をしていても気が小さいやつ、怖そうな顔をしていても優しい先生、そういう人はいっぱいいるんだからね。

新学期、気持ちよくスタートするためには、前向きに前向きに!


さぁ、子どもたちに感動と勇気を与えてくれる一冊です。

いじめに関する本はこのブログでも、


遺書』  『ナイフ(重松清)』  『信さん(辻内智貴)』 

『オレ様化する子どもたち(諏訪哲二)
』 『みんなのなやみ(重松清)』 

『教室の悪魔(山脇由紀子)』




などを取り上げました。それぞれに書き方はいろいろですが、みな良書で考えさせられるものばかりです。


今日ご紹介する、『だから、あなたも生きぬいて』 も、非常に心に残る一冊で、帯にあるように大ベストセラーですから、ご存知の方も多いでしょう。中学生以上にはぜひ読んでもらいたい一冊です。

そして、その英語版 『So Can You 』 (直訳すれば、“あなただってできる” という励ましになるでしょうか)、があることを高校生諸君にも知ってもらいたくて、一緒に取り上げました。読みやすい英語だと思いますから、ぜひチャレンジして下さい。英語で感動できたら大きな自信になる!


いじめが原因で自殺未遂、通りすがりの人に助けられ一命は取りとめるも、中卒のまま、やがて極道の妻となり刺青まで彫ってしまいますが、一念発起して猛勉強、最難関の司法試験に一発合格という経歴を持つ大平氏。

異色の弁護士、というだけでは表現が足りないほどの超異色。まさに “奇跡の弁護士” とでも呼びたいようなキャリアです。私はもう何年も前に、テレビのドキュメンタリー番組で大平氏を知ったのですが、番組の最後に、ぱっと服を脱いで背中の刺青を見せたのですが、今でもその姿を鮮明に覚えています。強烈でした。


本当に些細なことから強烈なイジメに遭い転落していった思春期。中学生が割腹自殺を図るなどとは、他では聞いたことがありません。非行に走り、完全な人間不信に陥り、どこまでも落ちていきながらも、それでも、“誰かに真剣に叱ってもらいたかった” と告白します。


そんな時、再会したある人物の懸命の説得で立ち直っていくわけですが、その姿が実に感動的です。一人の人間が併せ持つ弱さと強さを凄い迫力で伝えます。いじめに見られる人間の残酷さと同時に、他人のために尽くす愛情も。


そして、読んでいくと、大平氏に起こったことは、“奇跡” ではなく、あなたもできる(So Can You) というメッセージになっているわけです。

少々のつらいこと、きっと誰にでもあるでしょう。そんな時はこの本を思い出して、ふんばってくれたらいいな。そう思います。


 



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P.S. 本書とは関係ありませんが、大平氏、最近まで、大阪市の助役をされていましたが、よく事情は知りませんが、また議員らに“いじめ”られていた印象で辞任。何かに利用され、都合が悪くなって放り出された感じがして、非常に苦々しく思いました。

まだ40台前半の大平氏、弁護士の方と再婚されたそうですが、人生後半に向けてさらなる活躍を祈らざるを得ません。


 



『だから、あなたも生きぬいて (So Can You) 』大平光代著 英語版:ブレナンジョン訳
講談社: 291P(英語版229P):579円(英語版756円)


 


 

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  1. 2007/03/29(木) 18:04:54|
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『ガリレオ工房の科学遊び(PART1.2)』滝川洋二




ガリレオ工房の科学あそび1.jpg     ガリレオ工房2.jpg




春休みですから、生徒たちには、普段なかなかできないような実験や読書をしたり、自然に触れてくれると良いのですが、残念ながら夏休み、冬休みと決定的に違うのは、会社はお休みにならないということ。

学校は休みでも、お父さん、お母さんはいつものように仕事があって、ゆっくり一緒に勉強を見たり、遊んだり、旅行に出かけるようなことは期待できませんよね。我が家もそうです。はい。

まぁ、中学生くらいになれば良いのでしょうが、小学生だとちょっとさびしい。だからといって、その時間がテレビやゲームに行ってしまうのはもったいないです。そこで、ちょっとした工夫で楽しめる科学の遊びの本をご紹介しておきましょう。


本書の実験の特徴は、簡単にできるという点です。PART1には、70ほどの実験がありますが、そこで用意するものは、例えば、コップと水だけ、紙とせっけんだけ、といった具合です。

つまり、小学校の低学年でもお母さんに手伝ってもらわずにできそうな実験ばかりがならんでいます。子どもにはマンガで実験のやり方をわかりやすく説明し、大人用には、実験の意味や解説など詳しく説明が載っています。実験はたくさんありますから、できそうなものから選んでやれば楽しめると思います。


一つ例を挙げますと…

 
 ■ 
実験 ■


コップに水を入れます。

はがき一枚でふたをして手で押えたまま水が出ないようにひっくり返します。

そして、はがきを押えている手をそっとどけると、水は…?



やってみてください。びっくりすると思うのですが…。大事なはがきを使わないでくださいよ。いらないはがき、あるでしょう、塾からのDMとか(笑)。それぞれの目次を紹介しておきます。


PART 1

 パパはミラクル
 ママはミラクル
 サラリーマンもミラクル
 学校でもミラクル
 リサイクルなミラクル
 アウトドアでミラクル
 自然とお話しミラクル
 ちょっとハリキリミラクル


PART 2


1章 科学のモノづくりで頭を活性化
2章 科学であそぶと賢くなる!?
3章 科学のバトルで熱くなれ!
4章 科学実験のリターンマッチ
5章 あやしい?科学なコレクター
6章 科学で中身を見たくなる
7章 小さなビッグプロジェクト・サイエンスあそび
8章 もっと工夫の科学あそび



子どもたちに、科学を身近に感じてもらおうと、楽しい実験を紹介した本はたくさんありますが、共通した難点は、実験の準備が面倒だということではありませんか。何か薬品を使うとなるともちろんですが、ちょうど良い大きさのダンボールがないとか、はりがねやセロテープが足りない、などなどと。


当教室でも、学校の勉強以外に、理科の実験をやることで生徒に興味を持ってもらいたいと思っていますが、準備は普段の授業以上に時間も神経も使わなければいけません。失敗できませんからね。


でも本書なら、最小限で大丈夫でしょう。


ガリレオ工房は他にも多くの実験の本を出版しており、今回は簡単にできる小学校低学年用のものを取り上げましたが、より高度なものもあります。興味のある方はご覧になって下さい。

 ⇒ ガリレオ工房HP


 


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おかげさまで、上がってきました。ありがとうございます。

今日は講習会前期最終日、あとから頑張ってもう一つUPするつもりです。

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『ガリレオ工房の科学遊び(PART1.2)』滝川洋二著
実教出版:各997円


 





 

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  1. 2007/03/29(木) 09:06:01|
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『虚飾のメディア- 小説巨大テレビ局』北岳登

 

虚飾のメディア.jpg




「発掘!あるある大事典II」 の捏造問題で、民放連が関西テレビを除名処分にするそうですね。行政介入を阻止したいためとはいえ、かなり厳しい処分ということで、経営的には大打撃を受けるようです。まぁ、当然ですね。


また日本テレビが 「NEWSリアルタイム」 という番組で “パトカー囲み集団挑発・憤激!群馬県警VS暴走族” のド派手なタイトルで特集した報道をめぐり、スタッフがその少年らに事前に撮影予定を伝えて暴走を誘発した疑いがある、とも報道されました。こういう事件も何度かありました。うんざりです。


年度末をむかえて、今、テレビ番組の再編の時期ですが、これを機に反省し番組の質が上がるなどとは、とても期待できません。以前は、授業で生徒たちに 『○○という番組が参考になる』 というようなことを言っていましたが、今ではほとんどありません。


私は本当にテレビを見なくなりました。おそらく、ニュースステーションなどが10時ちょうどではなく、9時54?分に始めたり、必ず他の番組が始まる11時くらいに巨人戦の結果を流し始めた頃からでしょうか(笑)。なんかそういうのに付き合うのがバカバカしくなっちゃったんですね。そんなことないですか?


スポーツ中継にアイドルが出てきて試合の前に歌を歌ったり、何度も何度も同じシーンを繰り返し見せ、絶叫する大げさな盛り上げ方、“このあとすぐ” って言っておきながら、ずっと待たせる視聴者をバカにした態度、ウケを狙って目立とうとする政治家…、挙げればきりがないくらいですね。


それらはみな、番組を良くする工夫ではなくて、視聴率をあげるための工作ばかり。誠実さのカケラも感じさせません。

テレビCM崩壊』 というマーケティングの本が売れましたが、確かにここ数年の巨人戦のナイターの視聴率の落ち方などが象徴的で、視聴者全体が昔と大きく変わってきて、テレビに飽きてきているのかもしれません。


さてこの小説の舞台はテレビ局。テレビ業界にとって視聴率がどのようなものか、よくわかります。

筆者は全国紙の記者から民放テレビ局のプロデューサーをしたあと出家をし、現在は僧侶だそうです。やっぱ、懺悔(仏教では、さんげ)しなきゃならないのでしょうか(笑)。いや、ホント、まともな人間ならイヤになるはずだと思います。


主人公は “関東テレビ” の看板プロデューサーです。社内抗争や外部プロダクションとの癒着などの問題があり落ち目になっていた、あるニュース番組のてこ入れのためにその担当になります。

この会社のトップは “アベツネ” といいます。日本テレビじゃないですか(笑)。“広告代理店の電王 (電通でしょ) が官公庁、大手民間企業に張り巡らしたネットワークの威力は絶大で、テレビ番組のスポンサーを入れ替えるのは意のまま、番組生殺与奪権を握っている”、 のだそうです。


また “裏番組の『ステーション・ニュース』の鵜目広志が年収2億円、隣で下手なニュース読みしている渡野辺真里が年収八千万円” 。これもどこか他で聞いたことがあります。もっと高かったような気が…。

他にもいろいろと暴露的要素がちりばめられ、これらはどうも業界の真実のようで、へ~、と思いながら、おもしろく読みました。

主人公の打つ手が当たり、番組の評判が上がり始めた時に、視聴率操作の疑惑が発覚します。後はお楽しみ。


ダイヤモンド経済小説大賞の佳作を受賞した作品で、確かにおもしろくて一気に読めるのですが、本音をいうと、もっと劇的な展開や複雑なストーリーが欲しかったですね。あるいは逆にまじめに批判した新書のようなものを書いて欲しかった。いずれにしろ、次を期待したい著者なんですが…。

ダイヤモンド社のサイトで、最初の10ページほど読むことができます。興味のある方はご覧下さい。

 ⇒ 『虚飾のメディア- 小説巨大テレビ局 』北岳登 (立ち読み)



視聴率を上げることが至上命令だというのは、予想通りなんですが、だからといって広告代理店や親会社の新聞社とのつながりなど、あまりにも巨大な組織、莫大なお金が関係しており、とてもひとりのプロデューサーで何とかなる問題じゃないんですね。

テレビ局間の視聴率争いは熾烈ですが、結局新規参入のない世界ですから、やりたい放題なんでしょうね。ギャオやWOWOWが民放テレビ局と同じように見られるようになれば、かなりのインパクトになると思うのですが…。オウム事件報道で、“TBSは死んだ” と筑紫哲也氏は言い切っていましたが、どこか変わったのでしょうか。


昔は特定の娯楽番組の子どもに対する悪影響を心配したものですが、ニュースや情報番組まで、ここまで質が落ちたり、ウソの情報をたれ流されたのでは、子どもだけでなく、視聴者全体の知的レベルに影響が出るはずです。




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『虚飾のメディア- 小説巨大テレビ局』北岳登
ダイヤモンド社:252P:1680円


 


 

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  1. 2007/03/28(水) 10:02:27|
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『日本の歴史をよみなおす』 網野善彦


日本の歴史をよみなおす.jpg


 


歴史に興味のある人もない人も、春休みにぜひ読んでもらいたい一冊です。

中学生だとちょっと難しいかな。テストのためだけの脈絡のない年号暗記ほどつまらないものはないと思いますが、その逆で、歴史をこれほど生き生きとしたものとして解説してくれる先生は少ないでしょう。

教科書の歴史を否定する、といっては言いすぎですが、いわゆる根拠のない通説とか、誤った思い込みなどを徹底的にはがしてくれるという感じでしょうか。専門的な分厚い本もありますが、本書は若者向けに語り口調で書かれています。


日本人はどこから来たのか、なぜ我が国の名前は “日本” なのか、天皇はどうやって生まれてきたのかなどなど、そもそも論とでもいうようなところから歴史を語っているのが良いですね。


本書では14世紀が日本の歴史のターニングポイントだという認識を元に、その頃の出来事が現代に与えた影響などを中心に考察します。中世は封建制の時代で、徐々に武士の力が皇族や貴族を凌駕するようになるころです。

その中で、“聖なるもの” と “俗なもの” の従来のバランスが崩れていき、文字や貨幣の普及が急速に進んでいきます。同時にそれまで聖俗の「聖」の部分に属していたはずの職能民たちが蔑視の対象となっていく、つまり「えた・ひにん」が発生するプロセスを分かりやすく様々な角度から論証しています。非常に興味深い指摘です。


以前ご紹介した『日本史の一級史料(山本博文)』を読みますと、自分で古文書を読んだりして、史料を研究できたら、どんなに楽しいだろうと思いましたが、本書でも 「一遍聖絵」 という絵を史料として、これまでの研究内容とは異なった新鮮な視点を提供しています。

氏は日本史の中でも中世が専門だそうですが、そのあたりの分析や、解説は独壇場、歴史は“科学”だと感じることができると思います。まだまだ日本の歴史には研究が不足している部分、従ってまだ解明されていないところがたくさんあるとしています。


残念ながら、2004年に亡くなっていますが、歴史研究に大きな足跡を残したのではないでしょうか。一方で、政治的な発言も目に付き、私も主張が “偏っているのではないか” と、一時期は敬遠していましたが、本書はおもしろい一冊です。


目次は以下の通りです。

第1章 文字について
第2章 貨幣と商業・金融
第3章 畏怖と賎視
第4章 女性をめぐって
第5章 天皇と「日本」の国号


P.S. 実は本書の続編があって、それもいつかご紹介しようと思っていましたが、本書とその続編を一緒にして文庫化したものが発売されていました。今気付きました。下の表紙のものです。2冊分ですから、こちらの方が良いかもしれませんね。 (409P:1260円です) 

ですから、ついでに続編の目次も紹介しておきましょう。本書は両方、入っているということでしょう。


第1章 日本の社会は農業社会か
第2章 海からみた日本列島
第3章 荘園・公領の世界
第4章 悪党・海賊と商人・金融業者
第5章 日本の社会を考えなおす


歴史をよみなおす(全).jpg




 


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『日本の歴史をよみなおす』 網野善彦
筑摩書房:237P:1260円


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  1. 2007/03/27(火) 09:05:59|
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『宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった』佐藤勝彦

 

宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった.jpg



能登半島沖の地震、死亡者まで出てしまいましたね。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

東京都知事選のある候補は、私なら一週間前に予知できると語ったそうですが…。事実なら、ふざけてます。

大規模な地震が起きるたびに思い出すのが、以前ご紹介した『歴史の方程式』です。副題が“科学は大事件を予知できるか”です。最新の物理学の知見を利用して、地震や戦争なども含めた予知などを扱うのですが、阪神大震災の話から始まっている興味深い一冊ですので、よろしければレビューをご覧下さい。


 ⇒  『歴史の方程式』 マークブキャナン(著) 水谷淳(訳)




さて、同じ物理でも、宇宙に関する本です。

ここのところ、宗教・宇宙・神 などを扱った小説などを取り上げました。小説に出てくる宇宙、神が創造した宇宙はどこまでも文字通り “神秘的” ですが、逆に科学的に宇宙を扱った一冊です。帯にもストレートに “神秘のベールにつつまれた宇宙の謎を解明する!” とあります。大変読みやすい良い本です。


科学の進歩は人々の生活を便利にしただけでなく、その考えにも大きな影響を与えました。以前ご紹介した 『人はなぜ夜空を見上げるのか』 に詳しいのですが、コペルニクスガリレオの例に見られるように、科学は教会(宗教)と対立しましたね。

聖書の教えに反しているということですが、当時、科学は神の存在を否定する方向に働いたのでしょう。その時代からさらに現代の物理学では宇宙や地球をどう捉えているのか、それを解説した一冊です。


著者の佐藤勝彦氏自身が世界的な物理学者ですが、素人にも分かるように、平易な言葉で宇宙について述べています。高校生でも一般社会人でも、勉強として、あるいは教養として楽しく読めると思います。


数式はほとんど出てきません。アインシュタインの何がいったいすごいのか、ホーキングはなぜ注目を集めているのかということを教えてくれます。


以前、別の物理学者が、宇宙の創世についてはほぼ解明しつつあると書いているのを読みました。その時は本当だろうか、と疑っていましたが、本書を読むと、なるほどアインシュタインにも解けなかった、最初の “神の一撃” つまり宇宙誕生問題もいよいよ説明されつつあるのだなという気がしてきました。


ダーウィンが進化論を広めた結果、人間は神様が作ったわけではなくなってしまい、宇宙の誕生も科学的に説明されてしまうと、神様の居場所がますますせまくなっちゃっう気がします(笑)。


これから高校に入る人、中学生にはちょっと難しいかもしれませんが、地球がどうやってできたのかを解明しようという人がいる。そんなことを聞いたら読んでみたくなりませんかね。

目次です。

第1章 宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった
第2章 アインシュタインは宇宙をいちばん知りたかった
第3章 マザー・ユニバースからチャイルド・ユニバースへ
第4章 ホーキングとビレンケン―「無」からの宇宙創生
第5章 宇宙論は観測の時代に突入した



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PHP研究所:246P:539円


 


 



 

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  1. 2007/03/26(月) 10:10:59|
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『脱グローバリズム宣言』 パクスアメリカーナを越えて』 Rボワイエ 榊原英資 佐々木かをり他


脱グローバリズム宣言.jpg




日本にいるとどうしても海外のニュースはアメリカ・アジアが中心で、ヨーロッパ諸国の特に経済に関するものは非常に少ないですね。今日は欧州統合の基盤となったローマ条約が調印されてから50周年にあたります。


EU加盟27カ国、域内人口約5億人(アメリカの人口3億人)にも膨れ上がり、域内のGDPはアメリカと同レベルで、通貨のユーロは強くなっています。昨日・今日は50周年を祝い、その首脳がベルリンに一堂に会し盛大な式典が催されるそうです。


 ⇒ 駐日欧州委員会代表部


ただ、やはりここでも宗教の問題などが出てきます。政教分離とはいうものの、いろいろの国をキリスト教の価値観で統一を強めるのか、トルコなどの加盟を認め、さらに市場規模を拡大させるのかなどで意見が割れているようですね。

暗礁に乗り上げた欧州憲法批准作業が象徴するように、またイラク戦争の対応が国によって分かれたように、ここからの舵取りは本当に難しいだろうと思います。


それでも、環境・エネルギー問題などでEU市場の種種の基準を統一したり、強力な独占禁止法を背景に、米大手企業の合併を阻んだ例もあるそうで、「EU基準」が世界を動かす局面が増えていきそうです。


本書は、そんなヨーロッパ社会と日本がこれから先、どういう方向を目指すべきかというシンポジウムが元になって出来上がっているものです。2002年に出されました。

著者はRボワイエ(フランス経済学者)、オブユールヨーゲンゼン(デンマーク元農相)、ケネスカーチス(カナダ政治学者)、クリスチャンソテール(フランス元大蔵大臣)、モレノブルトルディ(イタリア経済学者)、榊原英資佐々木かをり青木昌彦藤本隆宏 他数名の経済学者です。

本書の原題(フランス語)を直訳すると 『世界化と諸調整ーアメリカ的特殊性に直面したヨーロッパと日本』 となるそうです。


全体的な主張をまとめると…

ITなどの進化もあり、情報を瞬時に共有することによって、国家間の依存関係は確かに深まったものの、それがある一つの形に収斂していくのではなく、その事態に対処する方法はむしろ個性化、多様化している” というような感じでしょうか。


すでに経済だけでなくさまざまフィールドで用いられる「グローバリズム」という言葉ですが、怪しげな解説、アメリカイズムとの混同、普遍的なものととらえてしまう過ちが見られると一様に指摘します。

著者たちはそのことに対してそれぞれの立場から警告を発しています。歴史のない国(アメリカ)でできたモデルが様々な長い歴史を持つヨーロッパ、日本でそれほど簡単に根を下ろすはずはないし、これまでのモデルも同様であったと。


世界にはアメリカ型の金融資本主義だけではなく、様々な資本主義があり、実際にアメリカ以外では金融資本主義ではない資本主義が成功しているとして、いくつかのモデルを紹介します。大前健一氏などが主張している「グローバリゼイションによって国民国家の行動能力は解体される」という見込みは、的外れであるという訳です。


既にアメリカ型金融資本主義は貧富の差の拡大など、馬脚を現しているのであり、それに気付かずにグローバリズムをとらえてしまうと、とんでもない過ちを犯すと主張しています。


専門用語もいくつか出てきて少々難解ですが、知らず知らず私自身アメリカの学者の意見ばかりを受け入れてきたことに気付かされ、驚き、反省しました。


指摘されれば当然のことなのですが、既に日本と同じような問題に直面し、それを克服しつつあるヨーロッパ人の持つ冷静な意見に耳を傾けない手はないかなと感じた次第です。

もう一つ、現在のEUを見ていて、アジアではとてもこのような市場統合は難しそうだということです。トルコ加盟の件を見ても分かりますが、やはりある程度共通の政治経済などの社会制度、価値観、あるいは宗教がなければ無理かなと思います。






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『脱グローバリズム宣言』 パクスアメリカーナを越えて』 Rボワイエ 榊原英資 佐々木かをり他
藤原書店:262P:2520円


 


 

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  1. 2007/03/25(日) 12:06:33|
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『星のアカバール』オグ・マンディーノ バディ・ケイ著 牧野・M・美枝訳


星のアカバール.jpg



アルケミスト』 では、錬金術師に導かれる主人公が、身近にあるものをすべて捨ててでも、夢だけは捨てず、ピラミッドにある宝物を追い続けることで、奇跡を起こすという物語でした。賢者の石 をあきらめずに求め続ける人も描かれます。

同じく、奇跡を起こす、“あきらめないで信じることで、望みがかなう” ということを示す小説であっても、逆に “賢者の石など無いのだ!” と、主人公を叱りつける一冊をご紹介しましょう。おもしろいですね。


オグ・マンディーノは10年ほど前に亡くなりましたが、『十二番目の天使』『この世で一番の奇跡』や『史上最強の商人』などの作品が、世界中で何百万部も売れた作家です。

ご紹介する本は『アルケミスト』以上に宗教が色濃く出ていて、やはり日本では苦手な人もいるでしょう。ただそれを割り引いても夢のある一冊だと思います。


本書の舞台はフィンランドのラップランド。いきなりですが、そうです、サンタクロースが住んでいると言われているところですね。この極寒の地に生まれた一人の才気煥発な少年トゥロが主人公です。


ストーリーを紹介します。■~■




両親と妹の4人で幸せな生活を送っていた少年トゥロの家族に、ある日突然、信じられない不幸が降りかかります。トナカイの扱いに失敗したトゥロを助けようとして、父親が命を落としてしまうのです。

一家を支えるために働き続けた母親も、過労のためか突然死亡してしまい、運命が一気に暗転します。残された兄妹二人だけで人の世話にならずに生きていこうと決めたのですが、その冬は猛烈な嵐が村を襲います。トゥロたちだけでなく、村中が食糧不足、燃料不足に見舞われ、パニックに陥ります。

絶望的な状況下、トゥロは自分が上げた凧で星をつかめるという、夢で見たことを信じて、なけなしの金をはたき、あるだけの糸を買い込み、嵐の中、凧を高く高く上げます。なんとその夢は実現し、アカバールという名の星がトゥロのところの木に降りてきて二人は友人になります。奇跡が起こったのです。

何万年も生きてきた星のアカバールは、トゥロに人間の物質主義などのおろかさを説きます。賢者の石に象徴されるような、一攫千金を求める人間のおろかさを指摘します。そしてどうすれば地球が救われるのかをトゥロに教える、君は選ばれた人間なんだとほのめかします。

村は昼間でも日の昇ることのない冬の北極圏付近、アカバールの放つ光と熱があれば、村は救われるというので村中が大騒ぎ。案の定、そのアカバールを自分のところへ置いて欲しい人たちの奪い合いが始まります。

やっと話しが付いて、アカバールを移動させる際に、作業がうまくいかず、アカバールを木から転落させてしまい、メッセージを言えないままその場で絶命させてしまいます。

たった一つの希望を失った村の重鎮たちは、トゥロに凧を使ってもう一つ星をつかまえてくれと懇願します。人々のために再び、トゥロは命がけで、奇跡にいどみ、アカバールの友人の星ヤーナを同じ木に降ろすことに成功。

ヤーナはアカバールから聞かされてきたメッセージをトゥロ伝えたあと、村のどこにでも自分は行くというのですが、冷静さを取り戻した村では、奪い合いはおきず、トゥロと一緒に時間を過ごします。

やがてヤーナが空に戻る日になって、もう一度凧を上げるのですが、なんとトゥロはヤーナと一緒に空へ消えてしまい、自らも星になろうとします。一人残された妹ですが、その後は幸せに暮らします。






つまり、この本では、賢者の石を夢見ることは富や名声だけを追い求める行為として批判されるわけですね。自然の法則に反したら人間は必ず滅亡するという強いメッセージが込められています。


オグマンディーノ自身、まもなく大学入学という時、これまで作家になることを薦めていた母親がなんと昼食をつくっている最中、急死してしまい、大学進学、そして作家への夢を同時に失うという経験をしています。トゥロとイメージがダブります。

軍隊時代にためたお金で、アパートを借り、作家に挑むも挫折。故郷に戻って、セールスの仕事に就き、結婚、娘が誕生しますが、借金でどうにもならず、アルコール中毒に。妻子は去り、仕事、家をも失っています。

そして『アルケミスト』の著者パウロ コエーリョと同じく、彼も放浪します。安酒を買う金のために、どんな仕事でもやりました。ついにはあまりのみじめさに自殺が脳裏をよぎるのですが、ある朝気づいた時には図書館の前にたっていたそうです。

そこで、成功哲学の本(自己啓発の類でしょうか) を読み始め、これを境に、マンディーノの人生は変わり始めるんですね。本書でも父親が息子のトゥロにふんだんに本を与えるシーンがあります。

マンディーノはある本に感化されて、その著者の会社に入ってからは再び猛烈に働き、次々と成功をおさめます。ついには世界的な作家になるわけですから、自分の人生が並の小説以上に劇的なわけで、まさに奇跡を体現しています。


アカバールは、キリスト教の教えを明確にトゥロ(人類)に伝えるために地球に来たことが分かります。地球上の一人ひとりにみな、一つずつ星が見守っているというメッセージ、人のために尽くした人間は、死んでも星になれるのだという勇気をたたえています。

きっと、どん底だと感じている人々を勇気付けてくれると思います。興味のある方はぜひ。





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『星のアカバール』オグ・マンディーノ バディ・ケイ著 牧野・M・美枝訳
ダイヤモンド社:197P:1365円

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  1. 2007/03/24(土) 10:10:42|
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『アルケミストー夢を旅した少年』パウロ コエーリョ著 山川紘矢,山川亜希子訳


アルケミスト.jpg




“アルケミスト” とは “錬金術師”のこと。大人気の “鋼の錬金術師” は知っていても、本書を知らない、またハリーポッターの “賢者の石” は読んでいても、こちらは読んでいないという人はぜひ。

本書はブラジル人作家が1988年に書いたベストセラーの翻訳で、すでに世界20カ国以上で読まれている名作、古典とさえ呼べますね。ご存知の方も多いでしょう。

今日、都内の小学校の卒業式です。卒業生に贈る一冊で、春休みに読んでもらいたいですね。

一応…

錬金術” というのは、簡単に言えば、安物の金属を高価な金や銀などに変えてしまう方法のことで、“賢者の石” というのは、それを可能にするために絶対に必要な材料、難しい言葉だと触媒(しょくばい)のようなものです。


昔の錬金術の話しなど欲張り者たちの夢物語、などとあなどることなかれ。現代化学の基礎のほとんどがこの錬金術の研究から生まれているのです。ヨーロッパを中心に世界中の多くの人がその夢を見てくれたおかげで、現代の進歩した科学ができたというわけです。

あのニュートンまでも錬金術を相当に研究したそうですよ。(Wikipedia)


錬金術師.jpg



さて、物語では一人の羊飼いの少年が、こつこつと貯めたお金を手に、エジプトのピラミッドにある宝物を求めて旅に出ます。

その旅の途中で出会ういろいろな苦難。素直な世間知らずの少年はだまされます。おどされます。なぐられます。盗まれます。殺されそうになって我を失います。挫折しそうになって、羊たちの元に帰りたくなるのですが、それでも夢をあきらめない少年を支えたものは何なのか・・・。

題名からも想像できるように、奥義を極めている錬金術師が大きな役割を果たします。“賢者の石” と “不老不死の薬” をどこまでも求める人々と、逆に疲れてすっかり安定を求める人々、厳しい砂漠や太陽や風の自然条件との交わりのなかで、もがき、成長する姿が印象的です。


命がけで賢者の石を競って探す中で、化学が発達したように、きっと不老不死の薬を追い求めた傲慢な人たちのおかげで現代の医療もあるはずです。人間は単純といえば単純、不思議といえば不思議な存在ですね(笑)。


こういった話は、日本の小説よりも頻繁に “神” や “魂” “運命” といった宗教的なことばが出てきますし、それがストーリーに大きく影響しますので、読みにくい、理解しにくいと感じる生徒もいるだろうと、最初は紹介するのをためらっていたのですが、アマゾンで見たらびっくり。

100以上のレビューがあって、多くが賞賛しているではないですか。杞憂だったとわかりました。ただし、ただしです、“大人が読め”という内容も多かった(笑)。


なるほど、その通りで、夢をあきらめているのは子どもより大人。

いつも書籍の売り上げランキングなどで、ビジネス書や自己啓発書がすごく売れていて驚くのですが、その意味するところは、やはり日本の大人たちが、あきらめそうになりながら、この少年のように懸命に夢に向かって努力しているということだと思います。大人を励ます一冊でもあるわけです。

という訳で、私ももう一度はじめから読んでみますと、一度目は大して気に留めなかったセリフの中に、自己啓発書などでも見られるような “至言” が多く散りばめられていてうなりました。


すでに人生を悟っている、錬金術師に導かれながら、人との出会いと別れを繰り返しつつ、危機を乗り越え目的地に近付いていく夢と勇気の物語です。

小学校卒業のみんな (大人の我々も) 夢に向かってスタート!





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『アルケミストー夢を旅した少年』パウロ コエーリョ著 山川紘矢,山川亜希子訳
角川書店:199P:580円



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  1. 2007/03/23(金) 07:25:14|
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『多聴多読マガジン 2007年春号』


多聴多読.jpg



とてもおもしろい本を紹介しましょう。季刊の英語リスニングの雑誌ですが、待望の春号が出ました。こういうコンセプトの雑誌はあまりないでしょう。小学生レベルから、歴史やイラク戦争を論じるものまで、いろいろな英語の情報が詰まっています。


例えば受験英語の弊害としてよく言われるのが、読解はできても会話ができないというものです(今は全体としてはウソなんですけどね)。そこでこの春号では、まず大学受験などで蓄えた知識と実用のギャップを埋めようというところから始まります。


どうやるかといえば、小学生が読むようなストーリーから日常語を身に付けてしまおうという発想です。で、この物語自体がなかなかおもしろい。徐々にレベルアップをして、ノンフィクションや大学入試でも扱われそうなレベルのストーリー、ニュース英語まで含まれています。


つまり絵本レベルから字新聞レベルまでありますから、この雑誌だけで何かをマスターさせようというのではなく、自習においても、こういうやり方でやって下さい、他に同様の物語なり、他の書はこんなものがありますよと紹介してくれています。

リスニング学習の目的がはっきりしている方は、紹介されているものへ進むのももちろん良いのですが、本書だけでも充分楽しめます。


多聴多読というだけあって、かなりの量があるのですが、その中にはシャドーイングの練習や、スピーキングの練習用の題材も含まれています。大学受験にはスピーキングはありませんので、私は英検の二次対策の指導しかしたことがありませんが、ここに書かれているアドバイスはなかなか有効だと思います。


また、TOEIC対策として、本書では新形式のテストを利用し、チャンクで聞き取るという練習コーナーもあります。全体の中で一番力を入れてページを割いているのはシャドーイングの解説でしょうか。勉強になります。


このようにレベルが易から難まであるだけでなく、アメリカ英語、イギリス英語もあります。スピードも速いものから遅いもの、内容もインタビューから物語やTOEIC問題タイプやノンフィクションなどなど、とにかく内容が盛りだくさんで、大学受験の英語とか、TOEICなどというように的を絞ったものではありません。

ですから試験対策のテキストを探している方には他のものが良いのでしょうが、英語全体を見渡せるようで、私は大変気に入っています。


先日コメントいただいた、フランさんのような方は一度、手にとって自分の英語の弱点とか、リスニングの問題点などをさぐってみたらどうでしょう。そのきっかけを与えてくれそうです。そしてそこから他へ進んで行ければ最高ですね。



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『多聴多読マガジン 2007年春号』 
コスモピア:195P:1380円


 

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  1. 2007/03/22(木) 10:43:49|
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『NEWS DIGEST The Japan Times(ニュースダイジェスト ジャパンタイムズ)』



News Digest The Japan Times.jpg



時事英語学習用の雑誌で、現在創刊から第4号まで出ています。

時事英語の教材として英字新聞、ジャパンタイムズを取ったことのある人なら分かると思いますが、隅々まで読みたいのですが、やはり英語力以前の問題としてボリュームが多すぎて難しいですね。デイリーヨミウリの方ならまだ何とかなるのですが、それでも何ヶ月にも渡って継続するのは相当な努力が必要です。

大学入試でも英字新聞から出題されることが多いので、私もよく見るのですが、長さと話題の点で、なかなか適するものを見つけられません。


新聞を取らずとも、ネット上に時事英語の教材になりそうな素材はあふれていますが、ネットの利用方法は知っていても、ネットで英語力を高めたという話は私の身辺では、まだ少ないですね。ipod などの普及でいずれ変わるかもしれませんが…。やはりできればこうしてCD付きの書籍の形の方が慣れていて使いやすいと思います。


本書はそういう方には最適でしょう。ジャパンタイムズに掲載された記事の中から20本が選ばれています。CDにその記事と簡単な聞き取りテストが入っています。作り方というか編集は非常にわかりやすい方法を採用していますから、使い手の工夫次第でいろいろ応用できると思います。


まずCDに録音された英文記事が左ページに書かれています。右ページにはそれに対して、読んで答える Reading Comprehension と、CDを聞いて答える Listening Comprehension の小テストが3題ずつ付いています。同じページ下にVocabulary があって、全部で7~8の語句解説が載っています。

ページをめくると、左に全訳と事件の背景説明、右側に小テストの解説と Keywordが一つ取り上げられています。一つの記事に対して4ページずつで構成しているわけです。


英字新聞の記事ですから、簡単ではありませんが、早稲田・慶応・上智レベルの私立上位校で、時事の話題が扱われる大学の受験生は夏休みくらいに一つチャレンジしてみると良いでしょう。

ただし語句解説は的を射ているので、学習者には助かるのですが、中レベルの学力の受験生にとっては、その数が少ないので、聞き取ることが難しい上に、そのあとスクリプトを見て、さらに自分で辞書を引く覚悟が必要です。

ですから、そのレベルなら、リスニングはさておき、リーディングのテキストになります。が、すべての話題が時事ですから、ある程度の知識がない場合は、使用は控えた方が良さそうです。他にもたくさん良い教材はありますから。


リスニング教材として使うのか、リーディングとして使うのかを考えて購入されることをお薦めします。また、生徒よりも、塾や学校の先生がさらに内容を厳選して生徒に読ませるには非常に使いやすいと思います。長さが一定で、話題が豊富ですから。私はまずリーディングのテキストとして読ませようと思っています。


CDは繰り返しがまったくありませんが、70分というボリュームです。TOEICで700点以上を目指す方の練習用というのがピッタリでしょうか。


どんな記事が載っているのか、以下に、目次を紹介しておきます。


1. 太陽系の定義を変更

2. 麻原四女が新たな後見人を希望

3. 誘拐された少女、両親になじめず

4. 盗まれたムンクの名画、発見か

5. 差別に苦しむアメリカのイスラム教徒

6. コカ・コーラの工場、カブールで稼動

7. 最後のネアンデルタール人は予想以上に新しかった

8. 次期首相は靖国に行くなと、米議員らが警告

9. レバノンにおけるイスラエルのクラスター爆弾は言語道断

10. 政変の舞台から姿を消すクーデター

11. カリフォルニア州、地球温暖化に関与したとして有力自動車会社を提訴

12. 馬の死にニューヨーク市民が講義

13. 米国の「対テロ戦争」での戦死者、9・11の犠牲者を上回る

14. 小児性愛者、奈良女児殺害で絞首刑

15. モナ・リザは二児の母だった

16. 「マイクロクレジット」のユヌスにノーベル平和賞

17. 国連安保理、北朝鮮制裁を決議

18. アメリカの人口、静かに3億を突破

19. 死刑判決で宗派間の亀裂深まる

20. 中絶をめぐる住民投票の敗北で、宗教右派は失望




興味のある方はジャパンタイムズのHPでCDを試聴できます。

 ⇒ http://bookclub.japantimes.co.jp/act/Detail.do?id=1235




■ 本書は相互リンクの福禄太郎さんが教えて下さいました。■

太郎さんよく勉強されるんですよ。ぜひ訪れてみて下さい。(残念ながら、楽天広場からしかコメントやTBはできませんが…)

  太郎さんのブログ ⇒ 福禄太郎の書評と時事評論 


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『NEWS DIGEST The Japan Times(ニュースダイジェスト ジャパンタイムズ)』
ジャパンタイムズ:96P:1050円


 


 

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  1. 2007/03/21(水) 15:44:46|
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『英文法をこわす- 感覚による再構築』大西泰斗


英文法をこわす.jpg



大西先生の英語の授業は、私も大好きでいつもNHKのテレビ番組を録画して、繰り返し見たものです。一貫して、学校文法に頼らず、感覚で (あてずっぽうというのではなく) ネイティブのハートにせまるためのヒントを探っている印象です。


おそらくその道はとほうもなく険しいはずです。

たとえば、本書の帯に “theは「一つに決まる」 ときに使われる” と書いてありますね。ネイティブの the の感覚はそれだというのですが、今、辞書で the を引けば定冠詞(形容詞)として、あるいは副詞として合計20ほどの意味、用法に分類されています。中には30以上になる辞書もあります。


もちろんネイティブはその用法を分類暗記して使っているのではなく、自然に出てくるわけですが、その感覚を何とか学習者に伝えたいという熱意ですね。もちろん「一つに決まる」というだけでは、伝わりませんので、図を使ったり、さまざまな説明を加えます。

読んでいて英語講師である私は非常に勉強になり、授業で活かせそうなところも多々あるのですが、さらにそれを生徒に伝えるのはかなり厳しいですね。

一つ例をあげますと、固有名詞に the が付く特殊なものとして、新聞や、~一家、川、などがどの文法書にも載っています。通常、“覚えなさい” と用例を分類して教えるのですが、それを批判します。

大西氏は、分類して暗記するのではなく、ネイティブの心の大元にあるその the の感覚を何とか説明しようとするわけです。その考え自体はすばらしいと思います。


例えば新聞のタイムズ紙は 「The Times」 と the が付きますが、雑誌であるタイムは 「Time」 と言います。

ややこしいですね。大西氏の説明を抜粋してみましょう。なぜ新聞に the が付くのかという点です。


この疑問については、雑誌名には the が採用されることはあまりないという事実を考慮すればカタがつくだろう。 the は雑誌には荷が重いのだ。「1つに決まる」 には 「誰もがそれとわかる」 「際立っている」 という語感が付随する。日々創刊され、読者層も限られている雑誌にとって、そうした光り輝く王冠は大仰に過ぎるのだ。名称につく the はこうした実体と名称の間の微妙な駆け引きの上に成り立っている。


カタがつきましたか(笑)?私はこの主張に大変興味があって、実は賛成なのですが、この説明を生徒が納得してくれるとはとても思えないのです。まぁ、わかりにくいところで、しかも一部の抜粋ですから余計複雑に思えるでしょうが…。他はいくつも良い説明があるのですが、やはりイメージを伝えるというのは大変です。


目次は以下の通りですが、難しそうでしょ(笑)。

序章 回帰―機械から感覚へ、規則からイメージへ

第1章
 遍在―感覚は英語を覆う

第2章
 無機質―感覚の通わぬ世界

第3章
 虚構―日本語訳・規則・用法分類の絶望

第4章
 イメージの構築


という訳で、私にとっては、非常に勉強になる尊敬すべき大西氏で、著作もいくつも読んでいますが、生徒には薦められないでいます。大西氏もご自分がやろうとしていることが非常な難題であることを承知していますが、学校文法からの脱却を何としてもやり遂げるという強い覚悟がうかがえます。


第4章序文

あらゆる現象に血の通った感覚は介在する。それをイメージとして汲み取り、手渡す。その単純な動作はあらゆる作業に優先されなければならない。ここに至るまで私の主張してきたことは、ただそれだけのことだ。


とあります。圧巻なのは、その感覚で読み取った英文解釈の例として、最後に、バートランドラッセルの著作から、ある一節を引用し、解説しています。すばらしいです。


というわけで、生徒より英語の先生や、時間的に余裕のある方にお薦めしたい一冊です。つまり学校文法の批判を理解するためには、学校文法を熟知していなければならないわけです。そのレベルに達している生徒は少ないと思いますので、講師が読んで活かせる部分を活かしていくのが最良の本書の利用法だと考えます。









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『英文法をこわす- 感覚による再構築』大西泰斗
日本放送出版協会:231P:966円


 


 

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  1. 2007/03/20(火) 16:06:35|
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『入試頻出 構文とイディオム』 中尾孝司 (“英頻”との比較など)


文とイディオム.jpg




本書は私が長年授業で使っている、大学受験用の英語・イディオム集です。どういうわけか、あまり売れていないようですが(笑)、類書の中では際立って使いやすい一冊で、多くの高校生に薦めたいテキストです。


載っている構・イディオムの数は全部で800。当教室の高校生(2年生以上)には全員本書を渡し、暗記テストを実施しています。また私の授業では、浪人生まで含め、必ず本書を持参させ、“この構は○○番に出ているから、確認するように”、とよく指示をします。(何番に何があるか暗記してしまうほど使い込んでいます)


すべて覚えきった段階でかなり英語の成績は安定します。もちろんいくらすばらしいテキストでも、最後までやらせるにはそれなりの工夫は欠かせません。生徒というのは“ブランド”に弱いので、無名テキストの良さを伝えるのは至難の技ですからね。


残念なところは、構法のテキストとはいえ、見出し語や入試問題の改定がされていない点です。細かな部分で解説に加筆はされていますが、それだけでなく、口語表現と呼ばれるものを追加されれば、さらに良くなると思っています。


本書の最大の特徴は、前半の構文部分では、不定詞・比較などの文法分野別、次に結果・譲歩・程度など意味別に配置され、非常に詳しい説明がほどこされている点で、類書にはまず見当たりません。後半のイディオム部分では同意表現などをまとめてくれているのが大助かりです。すべて左ページに入試問題、右には解説という形です。


似たようなものに “英頻(えいひん)” と呼ばれる、大御所、伊藤和夫先生の書かれた 『英文法頻出問題演習』 という有名なものが駿台出版から出ていますが、良い例文や問題が載っていても、解説が荒く、とても英語が苦手な生徒には薦められません。文法嫌いになってしまいそうですし、何を覚えたら良いのかわかりにくいと感じます。


また同じく、英頻といえば、今やこちらを指すぐらい、学校にも浸透し広く使われているのが、桐原書店の 『即戦ゼミ3 大学入試英語頻出問題総演習』 です。しかしこれも解説が淡白で、一通り終えた人が総復習するのには最適でしょうが、これから学ぼうという人には、やはりとても薦められません。私にはどうして多くの高校でこれが推薦されるのか実に不可解です。


本書なら、生徒一人でもある程度は進められます。実は現在は旺文社から出ていますが、かつては別の出版社が出していましたが、倒産して版権が移ったのでしょう。当時、大旺文社から継続して提供されると聞いてホッとしたものです。(ガーンと値上げしてしまいましたが)


構文・イディオムのセクションのあとに、それらを使った短い英文解釈問題(和訳)が付いていますが、これも独習をする人はぜひチャレンジしてもらいたいです。最後が例によって、バートランド・ラッセルの『幸福論』 からの抜粋(笑)ですが、そこまでできるようになればかなりの実力です。


その英文解釈は全部で50題ありますが、そこのセクションだけで、以前ご紹介した 『ポレポレ英文読解プロセス50- 代々木ゼミ方式(西きょうじ)』 の練習量に相当するのではないでしょうか。かなり難しいです。


私の授業では本書に載っていない構文や同意(反意)表現を、追加でさらに本書に書き込ませ、万全を期しています。入試英語は年々、少しずつ変わっており、気が抜けませんから。



また、800ある項目の問題文の全訳が別冊の小冊子で付くようになりましたので、それを利用すれば、上位の大学受験生では、英作文でどの構文を使うかという練習にもなります。


英頻などと異なり、本書には発音などの問題はないこと、会話調の表現、いわゆる口語表現が少ないという点は考慮に入れるべきですが、長く使っていることもあって愛着もあり(笑)、個人的には“受験生のバイブル” と呼んでも差し支えないくらいの一冊だと思っています。



P.S.
 アマゾンで見ますと表紙が別のものもいまだに出まわっているようです。下のようなものですが、内容は同じです。


文とイディオム.jpg




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『入試頻出 構文とイディオム』 中尾孝司
旺文社:272P:1260円


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  1. 2007/03/20(火) 06:00:44|
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『インテリジェンス 武器なき戦争』 手嶋龍一 佐藤優


インテリジェンス 武器なき戦争.jpg



手嶋龍一氏はNHKから独立したあとに書いた、インテリジェンス(スパイ)小説 『ウルトラダラー』 が話題になりました。私は未読ですが…。

本書の対談の相手、佐藤氏の見立てによると、うそっぽく書かれているところが本当の話しで、まことしやかな部分は虚構だそうですよ。情報源など突っ込まれて、手嶋氏が困っていました(笑)。


佐藤優氏の著作はこのブログでも、すでに三冊取り上げております。『自壊する帝国』 『国家の罠』 『国家の自縛』 です。どれも大変印象深いものでした。よろしければレビューをご覧下さい。


“インテリジェンス” とは、真贋含めたさまざまな情報、つまり“インフォメーション”をあらゆる手段を使って徹底的に拾い集め、その中から、本当に役立つものだけを拾い出し、結び付け、相手国の意図や実体を推し測り、外交や他の政策に活かすための活動、とでも定義するのでしょうか。

印象的だったのは、裏の情報というより、誰もが手に入れることのできる表の情報を綿密に分析するだけで、必要なことの90%近くは入手できるのだという佐藤氏の指摘です。私は“あっ、田中宇氏がやっていることだ” と感じましたが、どうでしょうか。


アメリカのCIA=Central Intelligence Agency 【中央情報局】 ですね。

CIAは何をしていた』 にも生々しく描かれていますが、佐藤氏の“自壊する帝国” を読まれた方は、氏の活動ですぐにイメージできるでしょう。ありとあらゆる人脈や方法を駆使して、情報収集、分析する仕事ですが、時には相手国の国家機密に近い部分にまで迫るわけです。


そのためにはどういう形であれ、エージェント(情報提供者)と接触しなければなりません。変装することもありますし、怪しいと思われれば、尾行はもちろんのこと、電話の盗聴など日常茶飯事で、スパイ活動の証拠をつかまれれば逮捕、状況や活動する国によっては命さえ危険にさらすわけです。


今、なんと世界中でアメリカ以外、ほとんどの要人の電話は盗聴されているそうです。アメリカだけは盗聴を仕掛けると危ないと、二人とも指摘します。しかし、アメリカの現在のCIAを中心としたインテリジェンスは非常に弱体化してしまい、イラク戦争などを引き合いに出して説明しています。


その点、イギリスは伝統的にインテリジェンスに強く、イスラエルは常に狡猾だし、佐藤氏の専門、ロシアはプーチン自身がKGB出身ですね。今、ロシアは日本の知力と、アメリカとの連携が弱まっていることを見て取って、領土問題でも何でも日本を小ばかにしているそうですよ!

日本はスパイ天国と言われますが、何も北朝鮮の工作員だけでなく、世界の二十数カ国が諜報員を東京に置いているのだそうです。東京はそれだけ世界中の良質のインテリジェンスを集めるだけの価値がある場所だと。


東京に一人インテリジェンス要員を置くだけで、少なくとも年間5千万円の経費がかかるそうです。一流マンションに住み、豪華なパーティーも開きますからね。それを補ってあまりまるほどの諜報活動をしているというのに、日本政府はどうも気付いていないらしい。


なぜ二人はそれを指摘できるかというと、そういう人たちが二人に接触を図ってくるからだというわけです。インテリジェンスは当然、裏の活動ですが、一方で独特のネットワークやおきてのようなものもできており、そこで信頼をされれば、情報交換ができるようですね。

情報を得るため、あるいはその確証を得るために、危険を冒して、けもの道を分け入っていくと、同じ人物に出くわすことが多いようで、お二人はけもの道で知り合ったような間柄のようです。おもしろいですね。


日本のインテリジェンスの問題点は、ここでもやはり縦割りの行政システムなんです。警察と防衛庁が不仲であったり、官邸と外務省とか、外務省のロシアスクールと○○派などといった具合ですね。情報がバラバラのまま活かされず、そのことに強い懸念を二人とも繰り返し表明しています。


ただし、日本が情報大国になることが無理かと言えば、そんなことはない。日本の情報収集能力自体は非常に高いし、歴史で何度もそれが証明されているという意見です。情報を統合するようなシステムや、人材育成の不備が問題だそうです。


目次は以下の通りです。


序章
 インテリジェンス・オフィサーの誕生(インテリジェンスは獣道にあり;情報のプロは「知っていた」と言わない ほか)

第1章
 インテリジェンス大国の条件(イスラエルにおける佐藤ラスプーチン;外務省の禁じ手リーク発端となった「国策捜査」 ほか)

第2章
 ニッポン・インテリジェンスその三大事件(TOKYOは魅惑のインテリジェンス都市;七通のモスクワ発緊急電 ほか)

第3章
 日本は外交大国たりえるか(チェチェン紛争―ラスプーチン事件の発端;すたれゆく「官僚道」 ほか)

第4章
 ニッポン・インテリジェンス大国への道(情報評価スタッフ―情報機関の要;イスラエルで生まれた「悪魔の弁護人」 ほか)



スパイというと良いイメージはわきませんが、インテリジェンス活動で満足のいく仕事をやり遂げるには、並外れた知力と体力に度胸、それに国家に対する忠誠心がなければとても勤まりそうにありません。自分の家族にすら明かせないようなものを扱うわけですからね。

イラク戦争は石油が目的ではない、ロシアはイスラエルとドイツに接近している、アメリカのキリスト教右派とイスラエルが繋がっているなどなど、他にも興味深い意見が聞かれました。


現実に今も、慰安婦問題や北朝鮮に対するアメリカの出方など、情報を見誤ると、確かに大きく国益を損ねる気がします。





P.S. 日本ではあまり大きく報道されませんが、アメリカの議会の公聴会で、元CIA工作員(スパイ)の女性が証言しました(ysbeeさんのブログ に詳報されています。ご覧下さい)。インテリジェンスの世界の複雑さを垣間見る思いがします。




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『インテリジェンス 武器なき戦争』 手嶋龍一 佐藤優
幻冬舎:230P:777円




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  1. 2007/03/19(月) 12:42:07|
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春の花 世田谷フラワーガーデン





おはようございます!


今日は中3卒業生とのボーリング大会に行って来ます。


写真世田谷区の砧公園の近くにある世田谷フラワーガーデン。


入場無料でガラガラで(笑)、が美しい公園です。

もう少しすれば、“百繚乱”





DSC02092.JPG    DSC02097.JPG
 


 


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DSC02082.JPG



さぁこれ、全部の名前がわかるかな~。


言えたらすごいね。



 


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  1. 2007/03/18(日) 04:54:33|
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塾のお笑い:スットコ3月号!【ジョーク・ネタ】


 


真剣勝負の厳しい授業!


雌雄を決する入試本番!


固唾を呑んで待つ緊迫の合格発表!





で・す・が、そのあいだでも、必ず出てくるスットコ君 (*^_^*)

今月も年度の最後を飾るにふさわしい


すごいのが集まっちゃいました。


週末です。ごゆっくりお楽しみ下さい(笑)。


それっ! 



 \(^o^)/




★★ 師の心・子知らず ★★


県立入試が終わり、当日講師たちは緊張しながら、生徒からの自己採点結果を待っています。先生たちの会話です。

A先生 『もうみんな点数は分かりましたか?』

B先生 『あとは○○さんと△△さんがまだですね。

     ○○さんはつかまらなかったので、携帯のメールで聞いてみますよ』

A先生 『あっ、すぐお願いします。しばらく待つしかないですかぁ』  


 1時間経過・・・


B先生 『あっ、来ました 来ました 来ました!!

      ○○さんからメールがきましたあ!!う~んと 

A先生 『どっ どうですか? 』 

 
     そこに・・・


  “○○でーす!メアド変えました!d(@^∇゚) 登録ヨロピク! ”


(日直:仰げば尊し、メールははかなし)






★★ ある受験生の人生 ★★



手応えがなかったからか、肩を落として教室にやってきたある大学受験生。

講師 『おぃ、元気ないな。どうした?』

生徒 『やっぱり、人生甘くないですね…』

講師 『そぅ気を落とすなよ。まだまだ長い勝負じゃないか』

生徒 『え?あぁ、受験のことですか?それなら合格しましたよっ!』

講師 『えー!?だったらもっと喜べよ!駄目だと思ったじゃないかー!!』

生徒 『はぁ、でもちょっと別のことで落ち込んでて』

(入試以上にショックなことだと??)


講師 『どうした、い~、いったい何があった??』

生徒 『どうせ先生には分かりませんよ』

講師 『まぁ、そう言うなって。話せば楽になるよ』

生徒 『・・・せ・せっかく撮ったアニメをお母さんに消されたんですよ。

     しかも火曜サスペンスとか入ってるし…

(日直:聞いて損した)





★★ 首都決戦! ★★


講師 『最近、アメリカの首都も知らない中高生が多いんだよね』

生徒 『………

講師 『大人になって困るからねぇ~♪』

生徒 『…えっとぉ、

    うちのお母さんも知らなかったんだけど…、ヤバイ?

講師 『い・いやぁ、まあ、あんまり使わないっていうか、

       大人でも知らないことはあるわな(汗) 』

(日直:地雷踏みましたね(笑))





★★ 首都移転! ★★


講師 『アメリカの首都は?』 (多分、ニューヨークって答えるんだろうな)

A子 『え~と、ニュー...

     (ほら来た)

    ニュー、ニュー... 

     (はいはいニューヨークね)


     ニュータウン
? 』(!) 


(日直:新興住宅地に引っ越すらしいです)





★★パリはフランスの??? ★★


中2の英語のテキストで次のような問題がありました。

Paris is the  (     )  of France.  パリはフランスの (       ) です。

講師 『はい、じゃぁ、まず日本語の方、とりあえず (     ) に入る日本語は?』

生徒 『植民地!

講師 『あれ?』

(日直:あれ!?ですね(笑))





★★ 殺人事件発生!?★★

  Mt.Asama is covered with snow.

生徒に音読させてみました。


生徒 『 ミスター アサマ イズ カヴァード ウィズ スノウ』

講師 『なんだそりゃ、訳してごらんよ』

生徒 『はい、浅間さんは雪に埋もれています。。。えー!!

     この英文マズいっすよね?

       キョーイクに良くないですよ!!



(日直:英文はマズくない。君だ!)





★★ ミステリー ★★


面接の練習です

講師 『だからね、もし尊敬している人を聞かれたらお父さんか、

     お母さんのことを言っても良いよ』

生徒 『は~い、私も父のことを話そうと考えていました。

     ただ先日ちょっと謎なことがぁ~…』

講師 『なぞ?』

生徒 『父が早く帰ってきたのでどうしたのかと聞いたところ、

     “チョッキ” だったっていうんですね。
     
      チョッキで帰るっていうのにいつもどおりスーツなんですよ!


(日直:これは生徒には難しいですね。説明しましょう。

   【直帰(チョッキ)】=会社に寄らずに出先などからそのまま自宅に帰ること。

                服装はスーツも可(笑))




★★ ファンタジー ★★


講師 『クジラって魚類じゃないって知ってた?』

生徒 『え、じゃあ鳥類?』 

講師 『飛ぶか!

(日直:発言がぶっ飛んでおりますね、ハイ)


 



以上でした。

こんな楽しい塾(笑)、ちょっとのぞいて下さい。

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  1. 2007/03/17(土) 11:51:45|
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『できる人の勉強法 - 短時間で成果をあげる』 安河内哲也


できる人の勉強法.jpg



本当のことを申し上げると、以前ブログで取り上げましたが、同じ著者の 『安河内の英語』 が、残念ながら期待はずれでしたので、彼の本を読むのはためらわれたのですが、アマゾンの教育関連書籍のずっと1位になっており、気になって読んでみました。


もう一冊、『決める、センター英語リスニングトレーニング』はその題名の通りの内容で、まずまず使える一冊だと思います。よろしければレビューをご覧下さい。


そういうわけで、安河内先生の英語本に関しては “一勝一敗” のように考えておりますが、今回は英語に限らず “どんな試験も合格する!” という宣伝文句です(笑)。そうですね、結論を先に申し上げれば、英語魂より良い本だと思います。



目次をご紹介しておきましょう。 


第1章
 「最初の一歩」をどうやって踏み出すか

第2章
 短時間の勉強で実力UPする人が毎日考えていること、やっていること

第3章
 覚えたことを忘れない!超効率的な「暗記法」を教えます

第4章
 時間がない毎日だからこの「学習ツール&方法」で勉強する

第5章
 勉強をはじめたもののうまくいかない…。それはココに原因があります!

第6章
 どうしても「やる気」が起きないときの処方箋とは

第7章
 私が勉強しつづけてわかったこと、「学んだことはいずれ『お金』に変わる」



全体を通して、“不可能はないと信じて、あらゆる空き時間と小道具を利用し、徹底的に工夫をし、常にポジティブにあきらめずに行動しよう” そんな姿勢ですかね。


最初の方に具体的な勉強の工夫がいくつか出てきます。ノート、問題集や参考書の使いかたなどです。他にもコミックや映画、パソコンやDVDやビデオipod の学習への利用方法なども紹介してくれます。“オレはここまでやっている。読者もここまで徹底してやるんだぞ” と鼓舞しているかのようです。


同じ英語のカリスマ教師と呼ばれる、灘高キムタツ先生の『頑張ってるから悩むねん。』 はより大きく人生を語るような感じの一冊ですが、本書は同じポジティブシンキングでも、それを勉強やビジネスに直接活かすということに主眼が置かれています。


先日ご紹介した、ゆうきゆう氏の 『勉強したくない!」を活用する ゆうき式 逆転発想勉強術』 の考え方にも非常に似ています。正直、ゆうきゆう氏は心理学、精神科医という専門家ですから、心理に関する部分を比べると、やはりそちらに軍配を上げざるを得ません。

しかし、本書は安河内先生の個人的なエピソードや、大学受験を越えた資格試験とか社会という話題がありますので、読者によっては、あるいは安河内ファンにはこちらのがアピールするものが多いでしょう。


ビジネス書的な内容ですが、同時にエッセイ風の書き方ですので、非常に読みやすくなっていることは確かです。できれば勉強のコツなどをまとめたりしていただけるとより実用的になったと思います。


 


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『できる人の勉強法 - 短時間で成果をあげる』 安河内哲也
中経出版:223P:1365円


 


 

テーマ: 英語・英会話学習 - ジャンル:学校・教育

  1. 2007/03/16(金) 20:50:20|
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卒業生に贈る一冊(3) 中島らも 内田樹 鹿島茂 

 


今回の “卒業生に贈る一冊シリーズ” はこれで最後。

全部で9冊ですが、一つでもおもしろそうだ、と思えるものがあるとうれしいんだけどな…。 それイケ!




『僕に踏まれた町と僕が踏まれた町』 中島らも著


(集英社 460円)


 僕に踏まれた町と僕が踏まれた町.jpg


日本一の進学校灘高に入学したものの、人生を楽しみすぎて、ずるずるとエリートコースから外れて行ってしまった著者。

しかし彼は、その挫折を単に挫折で終わらせず、「笑い」の力で生きるエネルギーに変えていきます(むしろ「笑い」の力を借りなければ、生きていけなかったのかもしれませんが・・・)。

そんな彼の青春時代を描いたこのエッセイは、どんな人でも少なからず共感できるはずです。(RYU先生







『勝つための論文の書き方』 鹿島茂著

 (文春新書 735円)


勝つための論文の書き方.jpg


大学生になってから役に立つ本をご紹介します。

大学生になるとレポートや論文を書くことが多くなります。論文は感想文とは違います。感想文では自分の思ったことを素直に表現することが求められますが、論文では、問題設定をし、様々な資料を使いながら答えを導き出さなければなりません。

この本では対話形式でわかりやすく、問いの見つけ方、論理の展開の方法を教えてくれます。発想は面白いですが、論文にするには先行研究の分析、緻密な文献操作が必要なのではないかと読みながら突っ込むこともありましたが、読み物としては面白いです。

難しい本ではないので気軽に読んでみて下さい。卒業生だけではなく、これから小論文を書こうとする高校生にもお薦めです。(aya先生 








『疲れすぎて眠れぬ夜のために』 内田樹著


 (角川書店 1575円)


 疲れすぎて眠れない夜のために.jpg



がんばった受験生にお疲れさまの一冊。ただし、頭は働かせますよ。

内田氏はフランス現代思想が専門ですが、合気道家であり、映画評論家でもあります。書名と内容は(深いところでつながっていますが)、ほとんど関係なく、武道や、映画、能などさまざまな話題が出てきます。視野を広げましょう。

人間というもの、日本人ということの意味をじっくり考えさせられます。落ち着いた語り口で、世の中の欺瞞や矛盾といわれるものに対して自分の考え方を述べています。

仕事や友人関係、家庭の問題が中心ですが、最後まで、国や若者に対する深い愛情が感じられる一冊です。悩み、迷いというのは、誰にもあるものです。そんな時にどう考えれば良いのかのヒントを与えてくれると思います。ぜひ読んでみて下さい。(VIVA) 





■■■■■




さて塾生諸君、いよいよお別れ。今年度最後の読書特集はどうだったかな。こうして9冊並べると、エッセイあり、実用書あり、小説に、箴言集など実にバラエティーに富んでいる。いろいろな先生がいろいろな本を薦めてくれたわけで、おそらくどれも名著の類だとは思うけど、それが今の君たちに合うかどうかはわからない。


良さそうだと思って実際に読んでみたら、難しかったり、おもしろくなかったりすることもある。本とはそういうもの。人間と似ているかな。みんなはそいつのことを好きみたいだけど自分とはどうも気が合わないとか、逆におとなしくて目立たないけど、話してみるとすごくいいやつとか、昔は嫌いだったけど今は親友とかね。


本にもそんなタイミングや相性がある。好きでくっついた彼や彼女とすぐに別れて後悔するように、良さそうだと思った本なら、すぐに投げ出してはいけない。彼や彼女は待ってくれないけれど、本なら文句も言わず、何年でも何十年でも君の成長を待ってくれるから、大事にしまっておけば良い。


自分に合わない本を無理して最後まで読む必要はない。それは気の合わない人と二人っきりにされるようなもので、苦痛以外の何ものでもない。でもどうしてもその人を口説きたいのなら、その本を理解したいのなら、読書百遍、意自(おのずか)ら通ず、という読み方もある。これだ!と思った本に出会ったら、試してみてくれ。不思議なことが起こるから。



そのあたりはマンガとちょっと違うんだな。おもしろいマンガはいつ読んでも、何回読んでもおもしろいからね。


良い本はある時に読んで、何にも感じなかったものが、時を経て読んでみると人生を変えてしまうほどの衝撃を受けることすらある。そういう不思議な性質がある。


だから、今までつまんないと思っていた本が、こうして受験を終えて、卒業して新しい環境になってから読んでみると意外な発見が必ずあると思う。ひとまわり大きくなった君たちが、ワンランク上の良書に出会えることを願いつつ…、あらためて、もう一度



卒業、進学おめでとう。


これからも元気でやれよ!  いざ、さらば。






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卒業・進学おめでとう!

三日連続で大変恐縮ですが(笑)

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  1. 2007/03/16(金) 01:08:45|
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卒業生に贈る一冊(2)ジェリー・メイヤー&ジョン・P・ホームズ 鍵本聡 高楼方子

 

春休み、真っ最中の元受験生諸君!休みに入ってから、一冊でも本を読んでいれば立派なもんだと思うけど、どうだろう。三冊読んだなんて言われたらうれしくて抱きしめたくなる(笑)。


木陰読書.jpg





昨日に続いて今日も、おもしろそうな3冊ですが、やはり見事にバラバラです(笑)。おっ偶然ですが、全員数学、理科を担当している先生方が並びました。



 


アインシュタイン150の言葉』 ジェリー・メイヤー&ジョン・P・ホームズ編 

(ディスカバー21編集部 1260円)


アインシュタイン150の言葉.jpg



アルバート・アインシュタインは皆さんご存知のように相対性理論を生み出した20世紀の天才の一人です。また親日家としても有名です。

思想家や宗教家ではなく物理学者ではありますが、ユーモアにあふれ好奇心旺盛だったアインシュタインが残した言葉には自然や世界に対する観察や意見は洞察力と機知、知恵に満ちています。

150の言葉の紹介だけですからすぐに読み終わりますが、何度も何度も読み返し味わってほしいと思います。

一部紹介しますと
『わたしには、特殊な才能はありません。ただ、熱狂的な好奇心があるだけです』

『観察したり、理解したりする喜びは、自然からの最大の贈り物だ』 (Pochi先生





『理系志望のための高校生活ガイド』 鍵本聡著


 (講談社 924円)


 理系志望のための高校生活ガイド.jpg 


中学生は公立入試が終わったばかりなので、少し休ませてあげたい気持ちもあり。しかし、受験勉強の時期のペースとまではいかないものの、今の時期に少しずつでも高校生になったときのことを意識して欲しいと思っています。受験は終わったものの、勉強はここで終わりではないですから。

この本は理系志望のための~とありますが、文系志望の生徒も読んでもわかりやすい本だと思います。学校生活をうまく送るコツ、出遅れてしまった科目の取り返し方、推薦入試に関するさまざまな疑問など、高校3年間の勉強方法が詳しく書かれています。

文系理系とは高校で授業を受ける際の単なる大きな区分けで、大学に入ってしまえば文系理系などの分類はそれほど大きな意味を持ちません。しかし、高校で勉強する際には高1の終わりには文系・理系の選択をしていかなければいけません。

今すぐ大学受験に向けて勉強しろ!というのはかわいそうなので、時間のある春休みにこういう本を読んでみてはどうでしょうか。

(monta先生のブログ⇒ 個人特訓教室・中川適塾日記です )


 


『十一月の扉』 高楼方子著


 (新潮文庫 620円)


一月の扉.jpg



中学生の女の子が期限つきで親と離れて下宿し、そこの住人たちとの日常を描いています。登場する人物がみんな個性的で楽しい毎日を過ごします。

そして、同時進行で主人公の女の子は下宿先で出会う人々をモデルに、物語を大切なノートに書き綴りますが、これは仲良しの幼い女の子だけの秘密です。ほんの些細なことにも感動や、刺激を受け、確実に成長していく姿にほのぼのします。

しかし、下宿を離れる時期が近づいてきます。短くも慣れ親しんだ同居人との別れ、そして新しい環境へと自ら身を移すときが近づいてくる・・・この主人公の葛藤と心の成長とでも言うのでしょうか、読み応えがあります。

是非、これから新しく環境が変わる中学生(特に女子)にお薦めです。

(伊藤先生のブログ⇒代々木の個別学習塾講師が想う、あれこれ




昨日がホワイトデー、今日は何の日かなと思いましたが、確定申告の締め切り日!生徒にはまったく関係ないけど(笑)。で、要するに3月も半分が過ぎ、平成20年のセンター試験(1月19日・20日)までもう約10ヶ月しかないということですね。


新受験生諸君!よ~く覚えておこう!


 


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  1. 2007/03/15(木) 13:04:56|
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卒業生に贈る一冊(1) 司馬遼太郎(坂の上の雲)・茂木健一郎・エルンスト=H=ゴンブリッチ




受験が終わり、いよいよ春休み、すでに多くの学校では卒業式も終えています。生徒のみんな、すっかり解放されて、ゲーム三昧なんて~、ちょっと待った!


これから4月の入学式まで、まだかなり時間があるけど、せっかく受験でギリギリまで膨らませた脳の吸収力。一ヶ月も放っておいたら、一年前のボーっとした脳に戻っちゃう(笑)。

まぁ単語暗記や、問題演習なんて気が進まないだろうから、今こそ、を読もう!VIVA読書!学校が始まれば、最初バタバタしている間にすぐに定期テストが来るからね。今がベスト。


というわけで、今月の当教室メルマガの読書コーナーは “卒業生に贈る一冊” 特集でした。いろいろな先生が紹介してくれました。が、見事なほど統一感に欠けるラインアップになりました(笑)。3冊ずつ紹介します。




『坂の上の雲』 司馬遼太郎著 

(文藝春秋 全8巻 各620円) 

坂の上の雲.jpg



学校の授業ではたった数行で片付けられてしまう日露戦争。勝てるはずのない極東の小国日が、世界最強をうたわれたロシアバルチック艦隊を破った。人類史上初めて、白人の国家が非白人の国に戦争で敗れたことで、世界に衝撃が走る。

どういうわけか日の教科書には載っていなくても、いまだに世界にその名をとどろかす名将、東郷平八郎など、明治の日国家黎明期に熱く生きた男たちを描いた一大歴史巨編。

現在の日があるのも、意を決して近代化を図り、国際社会に船出をしてくれた当時の男たちがいてくれたからこそ。受験から解放された今、長編に挑戦してもらいたい。歴史から未来に向けたパワーをもらおう。(VIVA


 



 プロフェッショナル』 茂木健一郎 

(日放送出版協会 1050円) 


プロフェッショナル.jpg


 



NHKで放送されている番組が本になったもので、それぞれの分野で活躍している一流のプロ達を脳科学者の茂木健一郎が対話を通じて独自の視点で分析している。

卒業を迎え、また一つ上の段階に進むにあたり、自分の将来のビジョンもだんだんと見えて来たところでしょう。その道で生きていくためにこれからさらに勉強をし、力を蓄えていくわけですが、きっと今はまだ漠然としたイメージかと思います。

そこで、これらの人達がどのような経験を積んで一流と言われるレベルになったのか、苦労や挫折をどんな思いで乗り越えたのかを知ることで、より具体的なイメージも得られ、この先勉強していく上での大きなモチベーションにも繋がるでしょう。

プロフェッショナルな人達の貴重な話を知る良い機会だと思うので、ぜひ読んでみてください。 (村井先生



 



『若い読者のための世界史』 エルンスト=H=ゴンブリッチ著

(中央公論美術出版 3990円)

若い読メのための世界史.jpg



歴史は「事実」の羅列でつまらない―と思っている皆さんに贈りたい一冊。

これまで歴史関係の本というと、「事実」を「事実」として理解することに重点がおかれていましたが、この本は読者に歴史を語りながら考えさせる工夫がされているのが特徴です。

細かい知識がなくてもどんどん読める内容ですし、これから本格的に歴史を勉強したいなと思っている人には是非とも読んでもらいたいです。特に受験が終わって時間のある人はじっくり味わって欲しいですね。 (genio先生






P.S.
 ところで昨日、テレビの火曜ドラマゴールドで 『私の頭の中の消しゴム』 というのが放送されました。ご覧になった方いらっしゃいますか。実はその撮影が当教室(中川適塾)の建物の下でずっと行われていました。

深田恭子さんが主演。何日もすぐ近くで拝見したんですが、テレビドラマ作るのって大変なんですね。ボクは知らずに窓から顔をのぞかせて、注意されました(笑)。適塾の生徒の自転車や毎日のように行くお店がずっと出ていて、感動的なドラマらしいのですが、内容より絵が気になって、気になって(笑)。

monta先生のブログで少し触れています⇒ 『個人特訓教室・中川適塾日記』 

完全な余談でした。





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  1. 2007/03/14(水) 17:27:46|
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COMMENCEMENT!




受験生諸君!卒業・進学おめでとう!





さくら.jpg





長かった受験シーズンももう終わり。よくがんばった。きっと一生忘れない、本当に貴重な時間を過ごしたわけだ。目の前に立ちふさがる壁を打ち破った人、逆にど~んと壁にはね返された人、いずれにせよ受験は人をぐっと大きくさせるからね。



第一志望に合格を果たしたみんな、見事です!本当におめでとう。やればできる、これを大きな自信にして、更にもっともっと大きな目標に向かって突き進んで欲しい。


そして、思い通りにいかなかった人、この失敗は自分のために必要なものだったと考えよう。どんな大天才も、大きな飛躍をするためには、たくさんのプチ敗北で、エネルギーを蓄える、精神をタフにしておく時期が必ず必要なのだから。


何でも知っているように見えるうちの塾のすばらしい先生たち、でもその中には、たくさんの浪人経験者がいるし、中には留年経験者までいるんだぞ(お~っと、笑)!1年や2年、仮に人生灰色だって全然構わない!




 


誰でも大失敗をする。

そのあとどうするかで、自分の人生が大きく変わるんだから。

 いいね。


 




受験を成功裏に終えた人、また残念ながら希望通りにいかなかった人にも、家康の『御遺訓』の言葉を贈ろう。何度も繰り返し読んでみてくれ。







人の一生は重荷を負うて遠き道をゆくがごとし。急ぐべからず。


不自由を常と思えば不足なし。心に望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。


堪忍は無事長久の基(もとい)。怒りは敵と思え。


勝つことばかり知りて負くる事を知らざれば、害その身にいたる。


己を責めて人を責むるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり。




(慶長八年正月十五日 徳川家康)









ほら、次が見えて来た。みんな全力で走った後、少しのんびりしたら、歩き出さなきゃ!



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  1. 2007/03/14(水) 00:54:28|
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『なぜ勉強するのか』 鈴木光司


なぜ勉強するのか.jpg



本を読んでいてうれしくなるというのは、そんなにありませんが、本書はそういう一冊でした。きっと、今の仕事をしている限り、これからも読むだろうなぁと思います。

何がうれしいのかというと…、著名な筆者に対し、まことにまことに僭越ではありますが、“常々自分が言いたいと感じていたことを論理的に説明してくれた” という感覚です。


なぜ勉強するのか、どこまで勉強するのか、どうして本を読まなければならないのかというのはいつの時代も多くの子供がいだく疑問でしょうが、基本的な読み書きや計算ならともかく、どう見ても将来使いそうもない微分や積分、難解な英文法、歴史の年号や哲学をどうして学ぶのかと聞かれたら、何と答えるでしょうか。


筆者のまとめ的な答えはこうです。“知識を取り入れながら、理解力、想像力、表現力を高める” ため。

これだけでは抽象的過ぎて 「はぁ、それで…」 となるのですが、それは人間のあらゆる活動の基礎というよりすべてかもしれませんね。そのあたりを分かりやすい例をあげながら、説明します。現在の教育の問題が社会に及ぼす影響を実感できました。

一見役に立たないように見える教養のようなものが、どれほど自分や社会、あるいは国家や世界にとって重要かをわかりやすく説明してくれます。氏は氷山のたとえを使っていますが、表に出ているものだけを見て感情で判断しては誤る。戦争さえ引き起こしかねないと主張します。


“UFOはいるのか”という論争なら、科学的に現在の物理や化学を駆使すれば、確率から言っても “いない”となります。日本軍の特攻隊という戦法は、効果を論理的に考えると、作戦としては非効率であったと結論付けざるを得ないという調子です。


ベストセラー『国家の品格』を書いた、藤原正彦氏は、エリートは学問だけでなく、絵画や音楽などの芸術も含め、役に立ちそうにないことをたくさんして欲しいという意見でした。

鈴木氏は、ライブドアの堀江氏やニセメールを取り上げ、大混乱を招いた民主党の永田元議員は東大卒であっても、教養のなさ、科学的態度の欠如で失敗を招いたと指摘し、なるべく多くの人たちが幅広い教養を身に付けることによって、社会が感情だけに流されて誤った判断をすることを防いでくれるという考えです。


狩猟民族に比べて、農耕民族の子孫である我々日本人は欧米に比べて残念ながらこの点が弱い。カミュの『異邦人』の例を挙げ、太陽のせいで殺人をおかしてしまうことだってあり得る。不条理だと片付けるのではなく、子供が親や育つ環境を選べない、思考や行動がかなり環境によって制限を受けることの自覚を促します。


特に哲学のような学問は、日本では思想とか宗教っぽくとらえられてしまいますが、以前、『はじめて考えるときのように(野矢茂樹)』 や 『幸福論(バートランド・ラッセル)』を取り上げた時にも指摘しましたが、西洋では哲学は世の中を知るための科学的なものですね。


何でも理詰めで考えていく姿勢で、考えるためには高い知識や教養と呼ばれるものがどうしても必要になってくるということです。いかにゆとり教育が的外れか再認識しました。

そして、子供にはどう説明するかもう一つの問題として出てきますが、教師の役割は非常に大きいわけです。共同体のために、教師の給料を増やせという主張は、残念ながら…(笑)。すでに充分でしょう、別の方法を考えましょうというのが私の意見ですが。

また、競争に勝つ、負けるからというのではなく、社会を良くするために勉強するのだと教えようという意見です。競争よりも協力するために学問や表現力を鍛えるという感じでしょうか。

筆者が“主夫” であり、日本社会における父性の否定、男女の役割分担など、社会が進歩し続けるという点は、左翼的思想に聞こえます。


私は、“リング” も “らせん” など他の著作は読んでおりませんし、映画も見ておりませんので、政治的な立場はわかりません。薄い一冊ですから、まだまだ聞きたいところもあるのですが、勉強をなぜするのか、あるいはさせるのかという点、日本において論理が決定的に欠落しているという点において大賛成です。


非常に興味深い、読み直したいと感じる一冊でした。




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『なぜ勉強するのか』鈴木光司
ソフトバンク新書:170P:735円


 


 

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  1. 2007/03/13(火) 12:34:07|
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ブログカウンター■30万突破!■ お礼


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  おかげさまで、 30万HIT  です 




  ←にあるカウンターが30万を越えました!




昨年の12月14日(あっ、討ち入りの日だ) 20万HITした時に、お正月もあるし、受験もあるし、いったいどうなることかと思いつつ、“やれるだけやってみます” と中途半端な決意表明(笑)をしましたが、そこから3ヶ月ギリギリで、30万HITを達成できました。実にありがたいことです。


書籍のご紹介以外に、スットコや受験情報などの記事をUPしながらでしたが、それらの記事もそれなりにお読みいただけたかなと感じております。

実際、いまだに書籍紹介ではない “持ち物チェックリスト” や “面接質問集” の記事には、他の記事以上にアクセスが続いており、少しは受験生諸君の役に立てたのかなと…。


また、当教室自慢の講師陣、要するに私の仕事仲間が、繁忙期にもかかわらず、参考書紹介でいやな顔一つせず (内心はともかくですね…)、このブログのためというより、読者である生徒・ご父母の参考にして欲しいと協力してくれたのには感激しました。


特に


 伊藤先生  「代々木の個別学習塾講師が想う、あれこれ」

        
  
genio先生 「試験に出る!!時事ネタ日記」

   
  
monta先生 「個人特訓教室・中川適塾日記です



はご自分のブログがあるにもかかわらず寄稿して下さいました。他にも、


aya先生 福原先生 Pochi先生 K先生 KOU先生 

Jonny先生 RYU先生 村井先生 F先生 Mie先生 ら、




多くの仲間が助けてくれました。

内輪の話で恐縮ですが、この場でお礼申し上げます。



そして、もちろん、何よりもそれらの記事を、いつも温かい目でご覧になっていただける方、コメントくださる方、またコメントせずとも拙い文をお読みくださる方、
   


 ありがとうございます!




20万から30万まで、ちょうど12月から3月と受験シーズンがすっぽりとそこに入ってしまい、(ついでに愚息の受験まであり) なかなか逆にみなさんのブログにおじゃますることができなかったのですが、こうして見捨てずにご覧いただけましたこと、心よりお礼申し上げます。


さきほど20万HITの時の記事を見ておりましたら、その折、おめでとうのメッセージをくださったのが



 buckyさん ふるさん 風竜胆さん tani先輩 すかいらいたあさん 

きゃんきゃんさん HIRO。さん キムタツ先生 


と、いまだにお付き合いいただいている方ばかりで、うれしくて泣きそうでした(笑)。 

 Special Thanks お礼の申し上げようもございません。





さて、塾講師ですから、この時期からは、春期講習、そして新年度の授業スタートへとつながります。たくさんの生徒が入塾してくれることを祈りつつ、何とかまだ書籍紹介のブログという形で続けられそうです。


多くの生徒やご父母のみなさんに、“良い本だった、参考になった” と言っていただけるよう精進してまいります。



そこで…




目標1 5月末日までに40万HIT

目標2 4つのランキングでTOPへ


としてみました。偉そうですが…

明確な目標がないとなかなか続けられませんので…


どうぞこれからもお付き合いいただけますよう、


よろしくお願い申し上げます。



 
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と…早速で恐縮です(笑)。

わずらわしいとは存じますが、一生懸命がんばりますので



できましたら、スタートだけでも、お付き合い下さい。m(__)m



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  1. 2007/03/12(月) 00:38:59|
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『カミの震撼する日 -2005年の日中米大衝突』 ピータータスカ(著) 田村義進(訳)


カミの震撼する日.jpg



米国における 慰安婦決議案の騒動を見て、ぜひ取り上げてみたいと思った一冊です。

小泉政権が、“自民党をぶっ壊す” と絶叫し、熱狂的な支持で誕生したのが2001年4月、同年の9月11日にアメリカで同時多発テロが起こります。間髪いれず、アメリカはアフガニスタン侵攻を決行。日本もテロ対策特別措置法を作り、自衛隊がそれを後方支援しました。

大混乱の中、翌2002年の1月に田中真紀子外相を更迭し、内閣支持率が一時的に急落します。鈴木宗男氏が脚光を浴びるのもこの頃ですが、秘書給与問題などのスキャンダルが続発し、田中真紀子氏や鈴木宗男を追求していた辻元清美、さらに加藤紘一氏らまで失速。

そして、あの電撃的な北朝鮮訪問が同年の9月17日ですね。


本書はその直前、2002年7月に出版されました。2005年の世界を予言した近未来小説という形ですが、今ならそれを検証できますね。


筆者のピータータスカ氏は、ビジネス書などを数冊書いていますが、本職は作家ではなく、日本分析をする英国人アナリスト。なんと5年連続日経新聞のベストマーケットアナリストに選ばれているほどの日本経済通です。

同じイギリス人、同じ年代、同じ日本通のビルエモット氏が書いた、『日はまた昇る』 は日本経済の復活を予言しました(ただし2006年ですが)。今のところは確かに、GDPは成長を続け、株価も徐々にもどっていますね。

(そういえばタスカ氏とエモット氏の共著『日本の選択』が今月発売されています)


さて、本書です。副題が「2005年日中米大衝突」。物語自体はとてもおもしろく読むことができました。小泉改革が失敗し、大手銀行5つが合併して作った銀行も破綻、日本の経済、社会は大混乱。そこに元シンガーの右翼政治家 “ノザワ” が登場し、日本中の期待を一身に背負うのですが、影でノザワを利用しているのは…。

そして、その頃中国は日米分断を狙う、アメリカのたくらみは…というストーリーです。当時、石原慎太郎首相待望論が強かったことや、小泉首相が誕生した時の熱狂を考えれば、小泉改革で銀行をつぶしていたら、このストーリーも荒唐無稽とはいえないと感じたものです。


幸いなことに、現実には経済に関する限り筆者のストーリーははずれでした。確かに外資の手にわたった銀行もありますが、少なくともメガバンクは完全に立ち直りました。竹中平蔵氏の不良債権処理や、りそなへの公的資金投入がきっかけと評価されていますね。

政治の方はどうでしょう。本書では中国の策略にはまり、日本はアメリカとの同盟を打ち切り、ナショナリスティックになり軍事大国の道を歩み、世界から孤立するというストーリーです。

そう言えば防衛省に格上げされ、核武装が論議されています。久間防衛庁長官の発言が波紋を広げました。また外からは良好に見える日米関係ですが、手島龍一氏はずっと前から、テレビでさかんに、日米関係を修復せよ、外務省は機能していないと主張していました。

先日、『反日の構造(西村幸裕)』を取り上げましたが、今回の慰安婦の問題が日米でこじれるとやっかいですね。中国や韓国の国会や裁判所で問題にするのではなく、アメリカの議員を動かすあたりが不気味です。首相の発言も徐々に強気になっています。


筆者から見れば、日本は常に何もしないことを選択しているという分析が根底にあり、それを続けた場合、日本の近未来は本書に描かれている社会に近付いていくかもしれないというわけです。

氏によれば、明治維新と第二次大戦後で、日本はこれまで二度どんぞこから再生したけれども、その担い手はどちらも官僚たち。彼らは傲慢で無責任だが、それでも国民は彼らのおかげで強い経済と高い生活水準がある。そのためにがまんもできたのだが、今度ばかりは官僚がまったく機能していないという見立てです。

400ページ近い長編ですが、まだまだこの先の話を読みたくなるような展開でした。エモット氏との共著も出ておりますので、お薦めというより、ご紹介でした。




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『カミの震撼する日 -2005年の日中米大衝突』 ピータータスカ(著) 田村義進(訳)
講談社インターナショナル:384P:1890円




P.S. カウンターの30万ヒットが近付いています。もし今日中にHITすればもうひとつ、お礼の記事をUPします。微妙かな?


 


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  1. 2007/03/11(日) 12:12:07|
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『「家族」と「幸福」の戦後史 郊外の夢と現実』 三浦展


家族と幸福の戦後史.jpg



下流社会』 が大ヒットし、『かまやつ女の時代』 もそれなりにおもしろかった三浦展氏ですが、その二冊よりもずっと体系立った専門的な一冊で、郊外を論じたのが本書。少子化問題の分析にも役立ちそうな、大変勉強になった一冊です。 


氏が本書の数年前に書いた 「家族と郊外の社会学」 が日本ではじめての、“郊外論” だそうですが、本書はそれに“郊外史” を付け加えたような内容です。



ある年代以上の方は、次の歌をご存知でしょう。小坂明子のヒット曲 “あなた” 

♪もしもわたしが家を建てたなら、小さな家をたてたでしょう♪ 


また、吉田拓郎のヒット曲 “結婚しようよ” 

♪僕の髪が肩まで伸びて、君と同じになったら、約束どおり町の教会で、結婚しようよ Mmmm♪ 


前者が1974年で、後者は1971年で、両方ともビッグヒットですから、その世相が何となくわかる気がします。


筆者はこのところから始まり、当時、日本に住宅ブームあるいは結婚ブームが起こったことを指摘します。すなわち都会に出て、結婚をし、団地に住むのがあこがれであったというように。団地というのは核家族化の象徴ですが、2DKの団地にあこがれるほどそれまでの住環境は劣悪だったわけですね。

そしてそのブームの背景は、すなわちその理想とするところはアメリカの豊かな郊外の生活です。自分の車に乗り、電気製品がたくさんあり、専業主婦で子供が二人というような家庭です。この頃実際に日本で流行った“三種の神器”は、カラーテレビ・クーラー・カー(車)の3Cでしたね。


そのアメリカですが、アメリカも自然にその形になったのではなく、そういう理想像を普及させたい政治的思惑があったというのです。一つには対ソビエトの冷戦構造と、もうひとつは、言ってみれば、秩序だった消費社会、消費主体を作リ出すこと。


つまり、“労働者” を “消費者” という見方に変えていくわけですが、確かに自分の車や家を持ってしまった人は共産主義者にはなりにくいでしょう。


そして、その理想が日本に伝わってくる様子も紹介するのですが、その理想であったはずのアメリカの郊外の生活では予想していなかった反乱が起こります。不満をつのらせたのは、郊外の生活レベルに達しない黒人などのマイノリティーだけではなかったのです。


まずは女性たちのムーブメント(ウーマンリブ:女性解放)が、次に若者たち(ヒッピーなど)が理想や規格に閉じ込められた生活に反発をするわけで、それぞれ社会問題化します。

筆者の見るところ、時期を遅らせて、日本もそれに続きます。いったい郊外の核家族に何があったのか、どうして問題が出てきたのか、郊外生活の特徴や問題点を分析します。


こう見てきますと、戦後の高度成長社会ではものを大量生産すると同時に、多くの核家族を生産してきたというわけです。極端に言うと、家族ができたから、家電を買おうというのではなく、家電や車を買えば家族らしくなれたという指摘です。

今はその時代よりさらにずっと豊かですから、独身でも車や家電は買えるわけで、あえて家族になろうとする必要もない。ブームも起きません。大変おもしろく読めました。やはり目次を紹介しておきましょう。


第1章
 マイホームという神話
第2章 ニューヨーク万博と郊外・家族
第3章 レヴィットタウンとアメリカの夢
第4章 冷たい戦争と暖かい家族
第5章 郊外への反乱
第6章 55年体制の中の郊外
第7章 郊外という問題
第8章 郊外を超えて



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『「家族」と「幸福」の戦後史 郊外の夢と現実』 三浦展
講談社:224P:756円



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  1. 2007/03/10(土) 15:37:35|
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『キリスト教と日本人』 井上章一


キリスト教と日本人.jpg



本書の著者、井上章一氏の『美人論』 が大変おもしろい一冊でしたが、本書も日本の歴史や宗教、そして社会全体を考える上でいろいろな興味深い視点を示してくれる本でした。

私にもクリスチャンの知り合いが何人もいますが、どちらかといえばまじめな人が多いように感じますが、偏見でしょうか(笑)。少なくとも筆者と同じ感想で、色と欲におぼれる俗物的なキリスト教信者のイメージは日本ではないように思います。


受験においてもいわゆるミッション系と呼ばれる学校の人気は、仏教系を圧倒していますし、坊主が境内でクリスマスパーティーをすることはあっても、教会で彼岸やお盆の催しはないでしょう。また仏教徒が教会で結婚式を挙げるのは珍しくありませんが、その逆は聞いたことがありません。


これほど現代においては人気の高いキリスト教、またはその行事ですが、それでも日本での信者はわずか1%ほどで、お隣の韓国は30%以上だそうです。

いったい日本においてキリスト教がどのように受け入れられてきたのか、珍説や俗説がどういう背景で生まれ、どのように広まったのか、またその俗説は本当に研究するに値しない、的外れなものなのかなどをさぐっていきます。


明治憲法下でも一応信教の自由は保障されていましたが、その約20年前に岩倉具視が米国などに不平等条約の改定を交渉するために、渡航した折、相手に言われたのが、キリスト教を信じない未開の民とは同列には扱えないということらしいですね。

ところが日本側にしてみると、聖書にはたくさん奇跡の話が出てきて、とても信じられない。今でいうカルトと見なしているわけです。オウムの空中浮揚を信じられないように、当時の人はキリストが生き返ったなどの話を受け入れられないわけです。

それでも、確かに文明が発達しているのを目にした日本人の驚きはいかばかりでしょう。西洋へのあこがれが強い人々にキリスト教がどう映ったのか、記録などから検証しています。


それ以前、かなり長い期間に渡って、キリスト教と仏教は同じものであると見なす考え方がありましたが、それは似ている点があるからなのですが、想像がつきますか。聖徳太子はキリストと同じように馬小屋で生まれたと言われますね。そのあたりを考察しています。


目次を紹介しておきます。










第1章 幻想のネストリアン(アダムと空海;世界のなかの高野山 ほか)

第2章
 異端の魔術(天草騒動と由比正雪;謀叛人、あるいは売国奴 ほか)

第3章
 仏教と神道と(江戸のアレクサンダー・ロマン;仏教異端説 ほか)

第4章
 ユーラシアのなかで(日本人とユダヤ人;フランス・ルネッサンスの大奇人 ほか)




それにしてもさまざまな珍説奇説があったのだとはじめて知りました。明治初期、キリスト教が、ヤソ教と呼ばれて白眼視されていた頃の様子は、三浦綾子の『塩狩峠』 に印象深く、感動的に描かれていますね。本書は明治までで終わっています。


それ以降、冒頭で述べたような、現代の状況にいたる過程は別の機会に書きたいと筆者は述べています。ぜひ続編を読みたいと思っています。




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『キリスト教と日本人』 井上章一
講談社:224P:714円


 




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  1. 2007/03/09(金) 14:23:24|
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『反日の構造 -中国・韓国・北朝鮮を煽っているのは誰か』 西村幸祐


造.jpg


 



小泉政権から安倍政権になって、アメリカよりも先に中国・韓国を訪問してまで首脳会談を実現させ、日中・日韓の友好の時代に入ることを期待していましたが、またアメリカ議会の下院で慰安婦問題に関しての非難決議が出されるというではないですか。

慰安婦問題は一時期、日本の歴史教科書に載っていたのですが、結局、政府が国内外を徹底的に調べても、軍が関与したことを示す記録が何も出て来ないということで、今ではすべての教科書から削除され、ある意味、歴史論争としては決着済みだと思っておりましたし、もちろん日韓基本条約で、日本の韓国の方々に対する個人賠償も済んだ話だと…。


韓国人である、金完燮(キムワンソプ)氏の書いた『親日派のための弁明1・2』にも、本来、全く問題にならない話なのに、謝る方がおかしいと、この問題に関して非常に詳しく述べられています。


それでも安倍首相は就任当初から、軍の関与を認めた河野談話を継承すると言っていて、おそらく譲歩したつもりでしょうが、それが逆に、マイク・ホンダ議員が強制連行があったことの根拠にされてしまっています。実に不名誉なことです。


また、朝日新聞は、“いわゆる「従軍」慰安婦” という言葉を使っていますが、そもそも、“従軍看護婦” という言葉はあっても、“従軍慰安婦” というこの言葉すら、実際に戦時中使われていなかったことが明らかになっはずだと思うのですが…。なぜあえて使うのでしょう。


教科書から消えた今、学校の先生はこれをどう教えているんだろうといつも思っておりましたが、『いわゆるA級戦犯』(小林よしのり)の記事でご紹介しましたが、うちの子供も知らないうちに、反日!?君が代を歌わないはともかく、日本嫌いの子どもにする教育はやめて欲しいですね。


本書は “反日” がどうして無くならないのかということを事例を紹介しながら分析します。主に朝日新聞筑紫哲也氏のNEWS23をはじめとするマスコミ報道を取り上げて、思想の偏りぶりを指摘します。

筆者はF1やサッカーのライターとしても活躍された方で、本書でもワールドカップの報道や、北京で行なわれたアジアカップの報道がふんだんに取り上げられています。

日頃、政治のことは考えないサッカーファンでもあの中国での試合の雰囲気は異常だと分かったはずですが、そういう高校生が読んでも分かりやすく書かれていると思います。

サッカーの報道など、まったく政治の入る余地などないと思っておりましたが、やはり専門家から見ると、かなりおかしな報道が入り込んでいるとわかって驚きました。


本書を読んであらためて感じるのは、教科書問題にしても、今回の問題にしても外交より前に、国内問題の様相だということです。


中国からも、もう詫びる必要がないという本が出るほど、公式には20回以上謝罪していますし、⇒ 『日本はもう中国に謝罪しなくて良い』(馬立誠)

胡錦濤国家主席は日本との関係改善を望んでいるようですし、⇒ 『中国が「反日」を捨てる日』(清水美和)

韓国の盧武鉉大統領はダメですが、韓国の若者は日本を好きな国のナンバー1に挙げるほどですから。⇒ 『そして日本が勝つ』(日下公人)


いったいどうしてそれを活かしていくのではなく、対立を煽る方向の報道が続くのか、正直、理解に苦しみます。


 


genio先生も、これを取り上げていますので、よろしければご覧下さい。

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  1. 2007/03/08(木) 13:32:38|
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『黒字亡国ー対米黒字が日本経済を殺す』 三國陽夫



 


黒字亡国.jpg



日本の三大証券グループの一つ、日興コーディアル証券がみずほグループではなく、シティバンクグループの子会社になるというニュースが流れました。TOBを実施するそうですね。驚きました。


私は大学の友人が数人、日興証券に就職しましたので、何となく他人事のように思われず、これが良いニュースか悪いニュースか正直判断できませんが、不正会計で上場廃止に追い込まれても、かつての山一証券のようにはならないようだという安心感はあります。



日銀のわずかな利上げが話題になった直後の、上海の安から始まったここ数日の世界同時安と、急激な円高、そしていざなぎ景気を超えた、景気は回復したと言われながら、個人消費が伸びずに格差が問題となります。日本経済、どうなっているんでしょうか。


GDPは成長していて、絶好調らしいのですが、よく言われるように庶民には実感がない、デフレも明確には脱却し切れていない状態は果たしてこれまでの経済学で説明できるのでしょうか。



本書は意外な指摘をします。今の経済構造を見ていくと、日本の貿易黒字こそが、国内消費が伸びない、デフレが克服できない元凶であるというのです。

普通どんな会社でも、国でも、あるいは家庭でも赤字よりは黒字が良いに決まっていますが、今の日本にはそれが当てはまらないということなのです。



今、日本の大手企業は確かに業績を伸ばしていますが、それは国内での販売(消費)が好調なわけではなく、相変わらず、自動車や家電製品など、輸出企業の業績が著しく伸びているわけです。アメリカ・中国のバブルのおかげですね。


通常、取引がドルで行われますから、日本国内には黒字によって巨額のドルが入ってくるわけですが、そのドルは日本の企業の支払いには使えませんので、銀行などに入ります。その巨額のドルを円に変えてしまえば、日本は大金持ちになるはずです。

その金が日本国内で消費されたり、設備投資に向けられればデフレもなくなり経済は好転するはずですがそれをしません。国内はすでに生産力過剰のようで、使い道が限られているようです。



それで、その余ったドルはドルのままアメリカへ投資されるというのです。国債を買ったりするわけです。ドルは金利も高く魅力的に見えますね、確かに。日本ではようやくゼロ金利は解除されたものの、依然として日米の金利差は歴然です。また、輸出立国日本は円安を望みますが、巨額のドルを売って円を買えば、円高ドル安を誘発してしまいますから、積極的に円を買おうとはしない。


アメリカから見ますと、日本に黒字のドルがたまればたまるほど、自分が払ったドルが返ってくる訳ですから、むしろそれを望みます。そりゃそうですね、自分がものを買えば買っただけ、ものと一緒にその金がいくらでもまた戻ってくる(借りられる)わけです。


その金でさらに設備投資をしたり、研究開発をしたりできますから経済の規模は赤字のまま拡大する。戦費の調達にだってなっているでしょう。筆者が、調べてみるとかつての宗主国イギリスとその植民地インドの関係と同じだと指摘します。


アメリカがあれほどの巨額の財政赤字、貿易赤字を出しながら、ドル高を放置いやむしろ維持しつつ、相変わらず好景気が続き、逆に日本はこれほど黒字を積み上げながらも、デフレが収まらないのはそのせいだというしくみが理解できました。



つまりまじめな労働者である、日本人の夫が、かせげばかせぐほど、悪妻であるアメリカはクレジットカードで多額の買い物をし、豊かになる。夫はいつまでたっても自分で消費をすることなく、豊かさが感じられないという構図です(笑)。


ただ、悪いのは妻というより夫ですね。自分で使わないで、妻に買い物をさせるわけですから。妻は夫がかせぐのに異論をはさむはずがありません。アメリカもしたたかですが、日本の経済政策そのものが輸出に頼りすぎているために起こっている現象だと、筆者は分析します。


なぜそうなってしまうのかをニクソンショックなど、国際的な通貨の歴史をひも解きながら、順を追って説明してくれます。


今回の暴落場面では円キャリートレードも話題になりました。バブル崩壊時のハゲタカファンドや金融派生商品のデリバティブなど、いろいろありましたが、残念ながら、どうも金融や経済政策ではアメリカなどの方が一枚上手のようです。



基軸通貨としての強みを発揮しているだけにとどまらず、日本にアメリカ国債を買わせてしまう政治力など、そう簡単に日本がこの状態から抜け出せそうにないこともわかりますし、日本自体がむしろそれを選択していることも気になります。日本の当局は、“貿易黒字が悪”だと気付いているのか、気付いていても他に選択がないのか。


私もこれまで単純に、日本の外貨準備高(ドルの資産)が増えれば増えるほど、貯金と一緒で良いことだと認識していましたが、円安を望む日銀の巨額な円売りドル買い介入の結果で膨れ上がっただけで、本書を読んだ後は、この大量のドルをいったいどうやって処分していくのか不安になりました。


何よりもまず、日本は一刻も早く貿易黒字を減らし、国内の需要を喚起するような政策に変更し、デフレを退治するべきだという主張です。内需主導のインフレになってやっと経済が健全化するということです。

今回の暴落ではありませんが、バブルはいつかはじけます。どこかで調整が必要で、放置すれば、やがてアメリカの赤字を日本が埋められなくなります。


資金供給をストップされたアメリカが消費を抑えるようになれば、唯一好調だった日本の輸出企業の業績も悪化。再び、日本はデフレ不況に陥りかねませんね。銀行の企業に対する不良債権は処理されたようですが、アメリカ国債自体が実質的に回収不能の不良債権だったらぞっとします。回収する政治的決断ができるとは思えませんので、今のうちから少しずつ健全化に向けて動いて欲しいと感じます。


こうした経済の問題を、歴史や国民性や政治力といった観点からも分析しており、非常に勉強になりました。数式は一切出てきませんので、経済学部に進学が決まっている高校生が、入学前に読むには 最適かもしれません。経済に関心のある方にも広くお薦めできる一冊だと思います。



 P.S. ちょうどタイミング良く、今日のニュースで外貨準備高が過去最高の9000億ドルを越えたとありました。良いニュースのように伝えられていますが…。9000億ドルって、100兆円くらい!?確かに円に代えて使った方が良さそうです(笑)。日本全体の国家予算、一般会計って80兆くらいでしょ。そんなに…?




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『黒字亡国ー対米黒字が日本経済を殺す』 三國陽夫
文藝春秋:242P:788円


 

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  1. 2007/03/07(水) 13:55:57|
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