本を読もう!!VIVA読書!【LIST編FC2】

【絵本から専門書まで】塾講師が、生徒やご父母にお薦めの本をご紹介!本体【goo】の書評リスト編です。コメント大歓迎!  

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【大晦日】 さらば2006年 お世話になりました

 


         おはようございます



 
今日一日で、いよいよ今年も終わり


私は、今日の授業が終わったら、教室と自宅の片付けです。


もう自宅の机周りはこんな状態


    


書斎1ue.jpg  書斎 desk2.jpg 


書斎 下.jpg  書斎 左.jpg  


 


塾の机も本棚も、もう一杯!



適塾 デスク2.jpg  図書(クリスマス) 025 小.JPG  中川 棚.jpg


ふ~、お正月中に、ゆっくり片付けます


 



今年はブログのおかげで充実した時間を過ごすことができました。


多くのブログにおじゃまをし、また多くの方が訪れて下さいました。


一つでもお眼にかなう書評があれば良いのですが…



また、ランキングにたくさんの応援クリックもいただき 


 


本当にありがとうございました!



 


今のところ、どちらも


 


 1位 のまま、今年を終えることができそうです。



もし今日中に抜かれたとしても、も~う悔いはありません(笑)



やれるだけやりましたから…




投票になってしまいますが、よろしければご覧下さい。 


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まぁ、ランキングに関係なく


実に有意義な一年でした


年末は忙しく、みなさんのブログにおじゃまして


お礼のコメントできなかったのが心残りではありますが…



拙ブログでは、なんと…


 



私の親より年上の、192◎年生まれの大先輩、tani さんから


私の子供より年下の、小学校1年生 haruちゃんまで!!!


 


ネットならではの幅広いコミュニケーションができたこと、


本当にありがたいことで、楽しい時間を持たせていただきました。



そうしたこのブログにお越しいただいたみなさまに


来年、たくさんの幸運が訪れますよう祈念いたします。




 


どうか良いお年をお迎え下さい


 


そして



来年もよろしくお願い申し上げます


 



     VIVA  



 
       
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  1. 2006/12/31(日) 02:35:57|
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『灘高キムタツの東大英語 ライティング&グラマー』木村達哉

 


 


灘高キムタツの東大英語ライティング&グラマー.jpg


 



今年の“締め”をしようかなという、ちょうど良いタイミングで、灘高キムタツ こと、木村達哉先生の東大英語シリーズの最終版、ライティング&グラマー編が発売されました。何かの縁でしょう、せっかくですので、今年の本紹介のトリをかざっていただきます。(明日はごあいさつと写真でもUPします)



これまで 東大リスニング東大リーディング ともじっくり見てきましたが、本書がもっとも広い範囲の生徒に薦められるものに仕上がっています。(前の二冊は、東大合格専用テキストのおもむきです)


もちろん本書もターゲットは東大合格ですが、英作文のある中堅大学以上の受験生が使うのであれば充分役立ちます。 “役立つ” どころか、とても完成度の高い参考書に仕上がっていますので、ぜひ薦めたいテキストと言っても良いでしょう。



東大の英語、特に作文と文法問題は、難問奇問の類ではなく、正確な基礎力とそれに基づいた英語運用能力があるかどうかを測ることを目的に作られています。そこを徹底的に鍛えるわけですから、どの大学の受験生にとっても有用です。



また、同じ偏差値レベルの受験生の間で、英語力の差がもっとも如実に出るのは、読解ではなく、英作文です。また、英作文指導は、教える方のレベル、英語に対する考え方の差も出るだろうと思っています。

(そういえば先月の代ゼミの早稲田模試の講評にも、読解に比べ、全体的に英作文能力が極めて低いと指摘していました)


まず本書では、どの問題にも、解答例として、誤文が2例ずつあるのですが、その生徒の間違え方が抜群に良いのです(笑)。


どういうことかと申しますと、日本の高校生は、帰国子女でもない限り、全国どこの進学高に通っていたとしても、みな日本語を使って、同じようなカリキュラムや教科書、似た参考書で英語を学習しているために、間違え方もみな似ているんです。


アメリカの移民が Mother を Maza と書いてしまうような、アメリカ版スットコ的間違えは、日本の大学受験生には絶対にありません。同じところが苦手で、同じところしかミスしませんから。



採点する側からすれば、毎年、“ほ~ら、またやってる”、“これみんなできないなぁ~”という感じです。本書は解説の中でも繰り返し基本の徹底を言っていますが、3単現の S だとか、主語と動詞の不一致や時制の間違えなど、読んでいて微笑みたくなるほど、「そうそう、あるあるこういう間違い」そういう風に間違えてくれています。


他の大学受験の対策にも使えるという、もう一つの要因です。


こうした “模範的誤答” とそれに対するキムタツ先生の的を射た解説も出色ですが、何よりも本書の特徴、利点は、それを語り口調で、非常にわかりやすく、手間を惜しまずに説明していることです。いわゆる “実況中継” を聞く感覚で勉強が進められるはずです。繰り返し読めば、大きな学習効果が期待できます。


合格への具体的戦略やネイティブとの模範解答の比較は、我々英語教師にも勉強になりますし、巻末の文法のまとめも受験生にはぜひやってもらいたいものです。



今年のトリを務めるのに実にふさわしい一冊でした。見事です。




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灘高キムタツの東大英語 ライティング&グラマー』木村達哉
アルク:240P:1890円



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以下は、書かなくても良い、従ってもちろん読まなくても良い“つけたし”みたいなものです。ここで記事を終えても良いのですが…、このブログを定期的に見ていただいている方は、私が時おり木村先生とお付き合いさせていただいていることをご存知だと思いますので、あまりにも他人行儀だなぁ~(笑) …



もう年末だし、いいや!今年を振り返る意味でも、今日はぶっちゃけたお話を書いちゃいましょう。



 【ぶっちゃけ書評】

今回、ありがたくも、キムタツ先生からご献本いただきましたが、見る前は正直、“あんまりできが良くなかったらなんて書こう”、な~んて考えておりました(あ~ごめんなさい)。


いやいやいや、まさか英語力を疑うんじゃないんですよ、もちろん。

心配するには理由があるんです。英作文のテキストは読解やリスニングとはわけが違います。書き方、要するに説明のしかたが難しく、実際に市場に出まわっている参考書も、本当に “玉石混交” なんです。


そうですねぇ~、リスニングのテキスト作りが富士山登山なら、リーディングはマッキンリー登山に挑戦するようなもの、さらに英作文のテキスト作成はK2やエベレストに挑むほどチャレンジングな仕事だと私は考えているんですね。


だからいくら灘高キムタツと言えども、今年の受験生向けに完璧に仕上げるのは、時間的に厳しいんじゃないかと。 たいがい、ちょっと売れた参考書の著者が、今だ!というので、その後に続けて出す本は、センセーショナルなタイトルとは裏腹に、手抜きが目立ちます、誰とは申しませんが…。



その上、灘高は今秋に、履修もれが指摘され、きっと英語とは無縁の雑務に追われるという環境下にもあったはずですし…。




実は、本書の執筆を始められた頃、キムタツ先生からお電話で、“~~こういう形にしたいと思うけれど、どうだろう” と意見を求められたのは今年の夏休み後半です。


その時期から生徒に実際に英作文をしてもらい、それを2例選んで、添削する形で進めたいということでした。あとは模範解答をキムタツ先生が書かれ、さらにネイティブにもう一例書かせるというのです。それを秋に出すと。率直な意見は、 今年の受験生に “間に合うのか” ということです。

アイデア自体に異論をはさむ余地はまったくありません。それだけのことがうまくできれば本当にすごい、理想的なテキストです。



が、しかし大学受験の英語教師ならお分かりだと思いますが、そもそも英作文の添削というのは非常にやっかい。文法の間違いを指摘するだけならどうってことないのですが、英作文の添削となると、正解は無数にあります。


その中で、生徒にその英文がなぜダメなのか、どうして別の表現が好ましいのかを説明するのはいっそう骨が折れる。教室ならまだしも、それを文にして、読者である受験生に納得のいく解説を施すというのは気が遠くなるほどの作業ですし、書けば書いたでどこからでもこっちの方が良い、などとケチをつけることも可能なんです。



だからこそ、竹岡先生の『ドラゴンイングリッシュ 基本英文100』のように、同じ英作文対策と、銘打っていても、暗記例文集という形にする方が、手間もリスクも圧倒的に少ないし、実際人気もあります。


英作文のコツは、例文暗記 “英作文は英借(しゃく)文” と信じ込んでいる先生もたくさんおられますが、それは勉強の一過程に過ぎません。


例文暗記自体は大いに結構で、私も生徒にさせますが、100文暗記したら合格できるとすれば、東大レベルの受験生なら楽勝です。そうではないプラスアルファーの得点力が東大受験生は欲しいわけでしょう。


 


さて、そんなことを考えながら、本書を読んでみると、キムタツ先生はその困難な仕事を見事にやり遂げています。実際に読んでいたときは、“いや~よくできている、”と何度口にしたことでしょう。うちの教室には私より優れた英語教師が何人もいますが、彼らも異口同音にそう言いました。


ですから、英作文のある生徒は本書をどんどん使って下さい。



本心を言えば、最初に書いた、私の浅はかな考えはまったくの杞憂だったとホッとしているんです(ホント失礼)。



キムタツ先生は、「VIVAちゃん、本送っといた。うまく書いて、頼むで~」 な~んていう姿勢でご著書を寄こしたのではまったくなく(超大失礼)、「自信作だ、VIVA見てくれ!」 ってな感じだったんだと痛感したわけでございます。ハイ。


とにかくすばらしいできばえであることは間違いありません。さすが日本有数の進学校、灘の英語教師の力を見せつけられました。


灘高キムタツの実力と熱意にあらためて敬服し、勉強させてもらいました。売れりゃあ、何でもいいという風潮の出版業界の中で、夢を追う生徒たちのために、ますますの活躍が期待されます。


 





■■ 良い参考書、良い先生と知り合えた2006年に乾杯!■■


そんな気分です。ダブルタイトルとはできすぎの2006年。日々応援してくださる方々が、ランキング上位にしていただいたおかげで、それを見て訪問してくださった方も多いようです。本当にありがたいことです。


このブログが少しでも、そうした生徒やご父母のお役に立てれば本当にうれしいのですが…。



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P.S. おもしろくなってきたんでどんどん書いちゃいましょう。年忘れ、言いたい放題(笑)。

実はキムタツ先生のテキストにも、手抜きはあるんです。ボクは見逃しません!


先生の生年月日、1964生まれのはずが、61年になっている。(ブログにあるように64年生まれならボクより年下、61年なら年上ですから気になったんです(笑)。)

実は、以前、東大リスニングのテキストでそれを発見し、61年になってますよと連絡したら、最初の反応は “まじっすか?” でした(笑)。 今回もまさかと思いましたが、何気なく見るとまた“61年生まれ”。連絡しますと、“まじっすか?ほんまに?”でした。これは明らかな手抜きです(爆)。アルク~、ファイト!
 




 


P.S. これはやや高度になりますが、キムタツ先生と見解の異なる部分を列記しておきましょう。私の勉強のために。
P76  合格答案の文で最後の一文 someone より anyone 
P104 very various は多少くどいが可能。
P134 合格答案最後の文で will より should または原形。
P191 leave a large amount of garbage behind  も可能。
このあたりまで考えられる生徒は、近くの先生に聞いてみたらよいと思います。
わからない人は、私VIVAが教えますので、来年の入塾をお待ち申し上げております(笑) 


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『自壊する帝国』佐藤優


 


 ゥ壊する帝国 佐藤優.jpg


 



今年もブログを振り返れば、いろんな本を読んだなぁ~という気がします。本当は、2006年、心に残ったこの1冊などと選んでみたいところですが、じっくり考える時間がありませんし、あれも良い、これも捨てがたいなんて、結局、決められそうにありませんね。



そうはいっても印象深い本がありまして、本書は今年読んだ中でもっとも印象に残った本の中の一冊であることには間違いありません。ノンフィクションの中なら確実に今年の3冊に入れることができそうです。



佐藤優氏の著作は、 国策捜査を告発し、その評価をめぐり藤原正彦氏と櫻井よし子氏の論争にまで発展した『国家の罠』、 その続編で、逮捕当時、鈴木宗男、佐藤批判一色の中、堂々と佐藤擁護の論陣を張った産経新聞の斎藤勉記者が佐藤氏にインタビューした『国家の自縛』を取り上げました。



いずれもショッキングな内容で、印象深い本ですが、本書はその要素にプラス、スパイ小説なみの劇的展開や緊張感が加わって、前二作以上に高い評価を与えても良いのではないかと考えています。



一人の日本人外交官が、ありとあらゆる知恵と行動力を駆使して、ソビエト社会の指導者層の間を綱渡りで情報収集に当たる様は圧巻ですし、大物とのコミュニケーションを可能にする、その桁違いの知性にも驚嘆させられます。



ロシア人相手にウオトカ(ウオッカ)を浴びるほど飲み、駆け引きはしてもだますことはせず、むしろ立場を超えて共感を惜しまず、万全の準備や根回しをしたあとは、常に緊迫感あふれるソビエト幹部や他の実力者たちとの真剣勝負で情報を引き出します。


ソ連解体に際して繰り広げられる権力闘争やさまざまなグループの凄まじい利権確保の争いの間を、見事な読みと、そこまで築き上げた人脈を駆使して日本の役に立てようと行動している訳です。接触する相手は、学生から大統領側近まで、実に幅広く、レストランから本屋さんまで将来役立ちそうなところには、前もっていろんな種がまいてあるのです。本当かと思うほど、気配りは行き届いています。



ロシアおよびその周辺諸国社会の激しさは、歴史を見ても、最近の動きを見てもわかりますし、KGBなど諜報機関の冷酷さは、『プーチニズム』を読んでも、その著者アンナ・ポリトコフスカヤ氏が殺されてしまった事実からも痛感させられます。



その『プーチニズム』 の中で、中心的に取り上げられている、チェチェンで起きた、ロシア軍幹部による少女暴行殺人事件。プーチン政権に致命的打撃になりかねなかった問題でしたが、佐藤氏はプーチン政権とつながる、裁判官や政治家の人脈や人柄までも解説してみせます。


 


本書を読む限り、佐藤氏はソビエト社会に完全に溶け込んでいますし、情報が混乱していた当時、最後はソビエト社会の指導層たちから、逆に頼りにされるほどの情報網と人間的な信頼を勝ち得ているように思えるのです。


つまり、日本外交にとって余人をもって代え難い人材に育っていたのに、それを国策捜査によって、逮捕にまで追い込んでしまった、日本外務省の官僚体質、あるいは政府の不明が悔やまれます。



彼が鈴木宗男氏と同時期に逮捕されたおり、我々日本人が、やっと悪い奴が排除された などと思わされていた一方で、佐藤氏のロシアなどの友人たちが支援をしたいと申し出たというのは、何とも皮肉で、象徴的な現象です。



最近は、こうした意欲的な本の執筆活動だけでなく、ラジオや雑誌などでも、佐藤優という名前を、頻繁に目にしたり、耳にするようになりました。やはり世間が放っておかない洞察力と経験や情報を持っているのでしょう。


今後、大きな成果をあげてきたロシア外交の前線に、佐藤氏が戻ることはないのでしょうが、そこで築いた内外の信頼が、今こうして別の形で活躍の場を与えているのだなと思った次第です。



 


P.S.そういえば佐藤氏がラジオで、森政権末期、加藤の乱の加藤紘一氏は何と外務省を通じて、ロシアに “森はもうダメだ” というメッセージを送らせたという信じがたいエピソードを暴露していました。 


さすがに黙っていられなくなった佐藤氏は、そんな外交は許されないと思い、森首相に伝えに行くと、佐藤氏の手を握って、“僕のことより日本の外交のことを考えてくれ” と、カッコいいことを言ったそうです。

自民党内部の権力争いが外交にとんでもない影響を与えているんだと思った記憶があります。何となく佐藤氏をおとしいれたい勢力の存在もぼんやり感じることができました。




■■ ランキング、何とか1位で締めくくりたい! ■■


さぁ、今年もあと三日ですね。今日からうちの塾では年末特訓です。『ほら、先生だってトップだぞ!』って生徒に発破がかけられるよう、どうか応援よろしくお願いします。


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『自壊する帝国』佐藤優
新潮社:414P:1680円



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  1. 2006/12/29(金) 09:19:45|
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『グーグル・アマゾン化する社会』森健

 


グーグル・アマゾン化するミ会.jpg


 



2007年まであと少し。2006年の世相を表す漢字が 『命』 だというのはまったく異存がありませんが、私にとっては、この一年を象徴する言葉は、まさに、この “ブログ” です。


去年までは、当教室 のHPの読書掲示板を担当していましたが、毎日更新なんてとてもとても…。週に1・2回本の紹介をしていただけだったのが、今年はブログにいったい何時間費やしたのでしょう(笑)。



それにしてもホームページを作るのに比べて、ブログとは何とも簡単で、ほとんど無料で、ネット業界のビジネスモデルは完全に新しい形になり、まだまだ進化していきそうな勢いですね。


そんな企業の先頭に立っているのが、グーグルアマゾンですね。



これまでも、『ウェブ進化論(梅田望夫)』 と 『グーグル-Google(佐々木俊尚)』や『ブログの正体(伊藤譲一)』 など、ネット社会に関する興味深い書籍を紹介しました。


本書も、それらと重なる部分は有るものの、参考になる視点がいくつもありました。まず世界中の検索エンジンで、グーグルがシェア第1位ではないのは日本くらいで、まだグーグルの独走態勢に日本人は気付いていない。アマゾンもアメリカでは、日本とかなり様子が違います。やがて日本に訪れるであろう、グーグルアマゾンがアメリカなどで実施しているサービスとその意図を解説します。



さらに、世界のネット界の現実を見ると、誰でも情報を発信する、情報の民主化というか多元化が進んでいる一方で、それとは逆の情報の一元化が進んでいることを検証してします。実際、グーグルの検索エンジンに認識されなければ、その情報はネット上に存在しないも同然だというわけです。


実は、私が大変感銘を受けた一冊で、だいぶ前にブログでご紹介した、『ネットワーク思考 (アルバート=ラズロ・バラバシ)』 の考え方で、物理学の 『つながりの科学(小田垣孝)』 で紹介されている研究にも通じます。


ネットワークを構築する際には、大きなハブが必要で、多極化のはずが、ある面ではそれが一極に集中するという現象を説明、危惧を表明します。



つまり、世界がフラット化しつつあるのは確かでも、そこではネット上の情報が、ネットの世界に限らず、文化や政治にまで波及し、さまざまな一元化を招きかねないということです。


実態経済のグローバル化が拍車をかけますので、世界中がみな豊かになって車を買えるようになって、ふと気付いてみると、どこへ行ってもトヨタ、ホンダ車だらけということもあるでしょう。


実際、日本のどんな新幹線の駅へ行っても、駅前はマクドナルドやスターバックスにドコモ、似たようなビルに同じようなコンビニ、ホテルや銀行ばかり、風景が似ていてつまらないと感じます。(そういえば、マックは北京やモスクワにまであるとか。すし屋もそのうち世界中にできそう)



また、前回の総選挙の時、『靖国神社』 と検索するとどうなったか、『売国新聞』 と検索するとどうなったか。つまりSEOと呼ばれる検索エンジン対策にたけた人が常にさまざまな場面で勝利する可能性があるとも示唆します。


ある言葉を検索し、その結果を3ページ分見る人の割合はほんの数パーセントしかないようで、検索エンジンの前の方にヒットしなければ見てもらえないということですね。

つまり 多くの声がネット上に確かに存在していても、結局、影響力を持つのは発言機会が多く、声の大きいサイトになるということが起きているということです。



ネット社会の進化はまだまだ未知の世界ですから、一概に良い悪いとはいえないところです。何事にも正と負の部分があり、特に黎明期に適切に予想をすることは難しいものです。


かつての日本、現在の中国のように、工業発展の段階で公害問題が出てくるというようなものであれば、経験もありますし、何とか対処の仕方もあるでしょうが、それが、ネットが進化する段階で貧富の差が拡大したり、情報の一元化、独占化が進んだりすれば、かなり皮肉な結果だといわねばならないでしょうね。


さて、来年はどのようにネットと関わるでしょうか?私はほとんど予測不能です(笑)。少なくなることはないかな~と思いますので、来年もよろしくお願い申し上げます。



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ブログランキングも今年のキーワードのひとつですかね。こいつが無ければきっとここまで毎日は更新しなかったような気がします。でも、その結果、一冊でも良書が生徒やご父母が手にしているとすれば、こんなうれしいことはありません。


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『グーグル・アマゾン化する社会』森健
光文社:253P:735円


 


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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

  1. 2006/12/28(木) 13:48:54|
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読書リスト

  

おはようございます。


うちの塾 の冬期講習前半は今日で終了し、明日29日から大晦日までは “年末特訓” という特別なカリキュラムに変わります。本当に今年も大詰めですね。



さて、一週間前ほどまでのリストを仲間がUPしてくれました。記事の数が468だそうです。よろしければご利用下さい。


以前も申しましたが、WEB上のエクセルですので、普通のものと機能がやや異なるそうです。コピーアンドペーストで、自分のエクセルに落とせば良いのだそうです。




■■■  本を読もう!!VIVA読書!LIST 【記事一覧  ■■■



 




●●ランキングお礼 ●●

なかなかゆっくりする時間がなく、みなさまのブログにおじゃましてコメントできないのが


残念で心苦しく思っております。


本当に申し訳ございません。


ブログ村の、【本ブログ】 にほんブログ村 本ブログへ では
ずっと1位を取らせていただいております。

【人気ブログランキング】  
 でも、
現在は1位ですが、1位になったとたん得点が激減。

ご協力いただけるとありがたいです。




両方TOPで年越しできたらなぁ~


 


 


応援のクリックをしていただけると大変ありがたいです。


 


受験指導もブログも全力で頑張ります!


これからもよろしくお願い申し上げます。


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とひそかに祈っております(笑)。

いつも、あるいは、たまにでもコメント下さる方、またコメントせずとも、記事を継続的に読んでいただいている方、ありがとうございます。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2006/12/28(木) 09:07:01|
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『奇跡の音 英語聴覚セラピー 2週間で英語が耳に飛び込んでくる!』篠原佳年

 


奇跡の音.jpg


 




本書は入試用のリスニングテキストではなく、英語リスニングに耳を慣らすために、高周波刺激を与えようとするものです。

だいたいこういう書名、“奇跡” だとか、たった“2週間” という宣伝文句は嫌いですし、あやしい(笑)。まぁでもこうすると売れるんでしょうね。



昔、マジックリスニング という5~6万円もする同種のリスニング教材を買ったことがありまして(話題になりました。ご存知でしょうか)、それと同じ効果をねらったものが、千円ちょっとで手に入るというのが、魅力的で、あやしいけど購入してみました。



ただし、筆者の篠原さんという方は、あやしいどころか、高名な医学博士で、主にアトピーリウマチ膠原病などを研究しているらしいのですが、“聴覚セラピー”といって、耳のリハビリを通して、それらの病気に対して治療効果をあげているということで、その分野の第一人者です。つまり確かに “耳” のエキスパート、権威ですらあります。



聴覚は視覚や嗅覚などと違って、リハビリ(やり直し)ができる唯一の感覚器官です。ストレスなどで、耳鳴りがしたり、特定の周波数を耳が自然にブロックしてしまったりして、耳が聞こえなくなることに注目し、モーツァルトなどの音楽で、それを治療をしているのです。 その治療に使われるものと同様の効果を狙って英語リスニングに応用したわけです。



英語の話される 周波数 と日本語のそれが大きく離れているというのは、ご存知でしょうか。

日本人が英語の聞き取りが苦手なのは、英語の音には日本語にない高い周波数帯の音(主に子音)が多く、日頃日本人が使わず、耳が慣れていないからだという指摘です。マジックリスニングと同じ理屈ですね。その高い周波数帯に日本人の耳をならすCDなのです。



ノーマルな英文→ 2000~4000Hzを強調した英文 → 4000~8000Hzを強調した英文と、同じ英文が3回読まれますが、実際に聞いてみますと、リラックスできるというより、やはり聞き取りにくい印象を持ってしまいます。クラシックがBGMで流れているのですが、音が小さい感じがします。意図的でしょうか?


マジックリスニングは聴いていて何も苦にならない音楽が含まれていたのですが、こちらは悪く言えば、“キーキー”している感じがしました。これをできれば1日2回、2週間できれば、1ヶ月聴いて欲しいそうです(ほら、すぐ長くなる!)。



ただ、私は個人的には、この訓練は効果があると思っています。しかし、それを学習者本人が実感できるかどうかが難しい問題ですし、集中の度合いによって、あるいは現在のレベルによって個人差がかなり大きいはずなのです。



かなり集中的にやる覚悟と、使用前後で適正な実験が必要だと思います。効果に自信があるのなら、それを自覚できるようなチェックテスト用のCDを付けてくれれば良いのに…。



受験用のテキストではありませんので、英文が、典型的な旅行用の英会話文になっています(音に対する訓練なので内容は二の次)。ですから、この時期の受験生にはとても薦められません。 あくまで日本語の周波数帯から英語のそれへの対応を可能にするためのCDです。



もう少し、工夫された英文と構成、リラックスできるような音楽がふんだんに使われていれば、お薦めできるのですが、上記のような理由で、お薦めというよりも、興味のある方にご紹介ということで取り上げさせていただきました。





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『奇跡の音 英語聴覚セラピー 2週間で英語が耳に飛び込んでくる!』篠原佳年
きこ書房:77P:1470円

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  1. 2006/12/27(水) 12:24:21|
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『アジアはどう報道されてきたか』永井浩


アジアはどう報道されてきたか.jpg


 


少し前の本ですが、東南アジアの国々の現状を、読みやすい文で書いてあります。


中高生向けの「ちくまプリマーブックス」シリーズですが、大人にも東南アジア入門として良い本だと思います。

アジア・アフリカへの中学、高校生の関心は、韓国、北朝鮮、中国を除きますと、非常に小さいと、授業をしていてそう感じます。ワールドカップ参加国でも場所がわかる生徒はごく少数です。


私も、別の仕事をしていたら、知らないかもしれません。その原因の一つに、これら第三世界=発展途上国の扱いが、報道・出版で小さいことでしょう。 そこで、立場を入れ替えて、例えば一般的なアメリカ人が日本のことを知っているかと言えば、ほとんど知りません。恐ろしく無知だと日本人が思うでしょう。


少し前のアンケート調査で、当教室のメルマガで取り上げたものを紹介しましょう。


びっくりしますよ。




■■■ アメリカ人の知っている日本人 ■■■



アメリカで実施され、東京電機大学が公表したアンケート結果です。アンケートに答えたのは中堅レベルと思われる公立高校2校と公立大学1校の生徒418名。平成10年の調査で古いのですが、それにしても…


日米同盟とさかんに言っていますがホントに大丈夫でしょうか?



 <アンケート>


 【 あなたの知っている日本人をあげてください   



 ★★ 結果 ★★  

第1位 【 Emperor Hirohito 】:18人 (昭和天皇です。やはり偉大でした)  

第2位 【 Yoko Ono 】:17人 (うっ、オノヨーコ。まぁジョンレノンも有名ですし)  


第3位 【 Jackie Chan 】:14人 (ジャッキーチェン!?えっ日本人じゃないし)  


第4位 【Emperor Meiji】:11人 (明治天皇、ホ・ホントに知ってんのかな~)  


第5位 【Miyagi】:10人 (たぶんベストキッドに出演の老人でしょう。外国人だよ)


第6位 【Tokugawa Ieyasu】:9人 (家康登場!?やけくそか!)  


第6位 【General Togo】:9人 (連合艦隊の東郷平八郎、確かに海外で有名です)


第8位 【Hideo Nomo】:8人 (やっと出た現代人、ほっとしました、野茂英雄)  


第8位 【Kristy Yamaguchi】:8人 (スケート選手?これアメリカ人だぞ、こら!)  


第10位 【Meiji】:7人 (こんな人知らない、誰だよ~これ)   


第10位 【Bruce Lee】:7人 (ブルースリー!だからさぁ、違う!ってば)


 


◎今なら断然イチローでしょうか? それにしても…いやはや。しかも今調査ではアメリカ人学生418人のうち280人(67%)は無記入、つまり一人の日本人も知らなかったそうです!


アメリカ人学生よ勉強せい!は言い過ぎでしょうか?


■■■


いかがです。むちゃくちゃでしょ(笑)。


しかし、アメリカ人が日本を知らないように、我々日本人もアジアのことを知らないのではないでしょうか。


同じようなアンケートを日本の高校生がアジア諸国に関してやったとして、中国、韓国を除くと、ひとつの国で10人も出てくるでしょうか。


日本の学生が無知だというより、報道そのものがなく、従って関心がわきません。バラエティー番組やエスニック料理など、興味本位の報道はあっても、その社会や歴史を深く掘り下げたものはあまりにも少ないですし、選挙などの結果もよほどのことがない限り大きく報じられません。


ミャンマー(ビルマ)のアウンサンスーチーさんが、軍政の監視下にありながらなぜあれほどの人気を持ち続けられるのか。 マレーシア首相が「戦時被害の謝罪はもういい。今後の話をしよう」と言った背景には何があるのか。そう言われた村上首相(当時)は、どう対応したのか。


タイ=世界1の米輸出国。インドネシア=原油の多くを日本に輸出。フィリピン=バナナとキリスト教。など、東南アジアに関する表層の知識やステレオタイプな見方が、少し軌道修正されました。



クリスマスも終わったことですし、少し別の方向へ眼を向けて見るのもおもしろいと思います。



 


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『アジアはどう報道されてきたか』永井浩
筑摩書房:206P:1155円

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  1. 2006/12/26(火) 12:37:06|
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『いつでも夢を』 辻内智貴

 


 


辻内智貴 いつでも夢を.jpg


 


 


やっとクリスマス本番ですね。当教室では23日から大晦日までずっと授業が続きますが、街全体がずいぶん前からクリスマス気分ですから、今日あたりは月曜日ということもあって、もう疲れているのではと心配してしまいます(笑)。



さて、クリスマスに楽しく温かい気持ちにさせてくれる一冊をご紹介しましょう。大変すばらしい、お気に入りの小説ですが、大人の男女関係が中心ですので成人向け。高校生以下は読んではいけませんよ(笑)。



辻内氏の作品は、『信さん』をかつて取り上げました。それもすばらしい本だと思いますが、本書は『信さん』 とはかなり雰囲気の異なる作品で、別の種類の感動を味わうことができました。


格調高い文学作品というのではありませんが、私には忘れられない一冊で、感動的なお話なのですが、同時に声を出して笑ってしまうような場面がいくつかあり、辻内氏はこんな作品を書くんだと、読後も興奮して眠れませんでした(笑)。


“純愛小説の傑作!”と本の裏にはありますが、私にとっては、ちょっと分類不可能な不思議な魅力を持った本です。


 


■■■ ストーリー ■■■


あるどしゃ降りの日、雨の中、白いワンピースを着た若い女性が手にカッターを持ったまま、傘もささずにずぶぬれで立っていました。それを見かねて、40歳の売れない小説家のジローとヤクザの幹部である龍司がそれぞれ声をかけます。


その日、仕方なくジローのぼろアパートへ連れて帰りますが、名を洋子というその女の子には、暗い過去を持ち、リストカットなどを繰り返し、現在も精神科に通っているということがわかってきます。そこから妙な同居生活が始まります。


長年同じアパートに住む、元警官のおやじと、その妻で気のいい世話好きの玉代の二人もジローと一緒に洋子の世話を見ます。


最初、雨の日に出会った、龍司は、幼くして亡くした妹と洋子がダブり、心配になってちょっとのぞきにきたところ、おやじさんがかつて自分が世話になった警官だと気付きます。そんな不思議な縁で洋子を見守るようになります。


そこから徐々に明らかになる、彼らの過去、それにより人に優しくなってきた人々が、洋子を応援し、彼女の心の再生を果たします。やがてジローと洋子が結ばれるという感動的、私にとっては爆笑のエンディングが待っています。


■■■


 


とにかく登場人物の設定や描写が巧みなのでしょう。ジローのとぼけ方、純粋さが良いし、龍司の男らしさが魅力的で、おやじさん夫婦の落ち着きやおせっかいぶりに懐かしさ、頼もしさを感じます。


そして時おり彼らに語らせる人生観が、物語をぐっと引き締めます。 テンポよく話が展開し、途中でやめられませんでした。


自殺や暴行事件、虐待といったことも出てくるのですが、それらすべてが、奇抜なアイデアのすばらしいエンディングで吹き飛ぶようなしかけです。氏のユーモアのセンスが私にはピッタリです。


 


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 いつでも夢を 辻内智貴 文庫.jpg←文庫はこちら(500円)



『いつでも夢を』辻内智貴
光文社:236P:1575円


 

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  1. 2006/12/25(月) 10:07:55|
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『約束』村山由佳 画・はまのゆか

 


約束 村山由佳2.jpg


 



みんなが楽しく過ごすクリスマス。テレビにはにぎやかな番組がたっぷりあるし、お正月もすぐそこ。冬休みは楽しいことがいっぱいあるけれど、子どもたちにその休みの間に読んで欲しい一冊を取り上げます。



小説すばる新人賞直木賞など数々の賞をとっている村山由佳さん。筆者はじめての短編で、一日で読めますし、中学入試にも出される感動の一冊で、挿入される絵もすばらしい。


■■■ ストーリー ■■■


場面は昭和61年(1986年)、小学校4年生の主人公のワタル、その仲間ハム太、ノリオ、ヤンチャ4人の物語です。いつも一緒に遊び、出かけるのも、いたずらをして叱られるのも一緒。


ところがある日突然、ヤンチャが原因不明の病気にかかって入院してしまいます。 見舞いに行くと、元気の固まりのようだったヤンチャは、やせ細り変わり果てた姿に3人はたじろぎます。そんなヤンチャを喜ばせたい一心で、彼らはタイムマシーンを作りはじめます。


クリスマス直前、やっと完成したタイムマシーンの写真を持って、ヤンチャのいる病室に駆け込むのですが、ヤンチャのベッドがきれいにされています。ヤンチャはその日の朝、発作を起こし亡くなっていたのでした。


そして、ヤンチャのお葬式の日、残された3人は、ヤンチャを助けるのには間に合わなかったけれど、将来、大人になったら絶対にタイムマシーンを作ろうと固い約束をします。


やがて、月日が流れ、世紀が変わる2001年、当時10歳だった彼らも25歳になりますが、あの約束はもちろん果たせないまま。約束には決着が付かないまま、3人がおのおのの人生を歩み始めていますが…。現実にタイムマシーンが作れなくとも、果たせなかった過去の約束を忘れない。


 


■■■


 


友情の物語とも、大人への成長の物語とも言えます。最後はやや哲学的な独白で終わっていますが、それが、すっと頭に入るかどうかは個人差がありそうです。まぁ入試で狙われるのもこのあたりでしょう。



クリスマス直前に友達が死んでしまうという展開ですから、明るい話ではありませんが、子どもに何かを考えさせるには絶好の一冊だという気がします。


 


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『約束』村山由佳 画・はまのゆか
集英社:96P:1680円


 


 

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2006/12/24(日) 12:15:53|
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『ぐりとぐら の おきゃくさま』中川李枝子(作)・山脇百合子(絵)

 


ぐりとぐらのおきゃくさま.jpg


 


 


天皇誕生日ですね、そして翌日がクリスマスイブ。天皇陛下サンタクロースが隣あわせですが、もう子どもたちは、サンタさんに夢中でしょう。

goo のブログ検索で見てみると…


 【天皇誕生日】・・・    2,188 

 【クリスマス】・・・   859,696 


400倍ですか、すごいですね、サンタクロースのパワーは。


学校によってはすでに冬休みで、今日から連休のせいか、塾に来る道は渋滞、ブログのアクセスは激減、もちろん我々はお仕事(笑)。 そういうわけで(どういうわけ?)今日は思い切って“ぐりとぐら”を取り上げてみました。

人気シリーズというより、定番とか、名作と呼ばれる絵本ですね。今さら説明の必要などないほどですが…。 本書はサンタさんのお話です。



■■■ ストーリー ■■■

のねずみのぐりとぐらが、森の中で雪合戦をしていると、そこに大きな足あとを見つけます。 なんだろう、興味津々でその足あとを追っていくと、見たことのあるおうち。何と自分の家でした。

そっと中へ入ってみると、お客さまのものらしき、大きな長靴や真っ赤なコートが…。 お客さまはいったいどこにいるんだろう、家の中をさがしていると、“あ~いいにおい”…。

■■■


作者の中川さんは保母さんの時に絵本を書きはじめたそうですね。少し前、ラジオでインタビューを聞きました。実に穏やかな話し振りでありながら、自分の意見をはっきりおっしゃる方だなという印象です。

その時か、何かの記事を読んだ時ですが、確か、テレビは想像力を奪うから嫌いだとか、今の学校は子どもを満足させる環境にないと指摘されていました。正確な内容は覚えておりませんが、その時、“あっ、大村はま先生の思想に似ているな”と思った記憶があります。

大人はもっとユーモアや余裕や知性を持って、子どもに接していくべきというような…。良い本をいっぱい読んだから、私は幸せものだともおっしゃっていました。 なるほど、ぐりとぐらにあるユーモアや余裕が、人気の理由かもしれませんね。



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ぐりとぐら の おきゃくさま』中川李枝子(作)・山脇百合子(絵)
福音館書店:28P:780円

テーマ:絵本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2006/12/23(土) 13:40:49|
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『沈船検死』 曽野綾子



 


沈船検死 曽野綾子.jpg


 



作家、三浦朱門氏の妻であり、自身も旺盛に活動されている曽野綾子氏の著作です。

新聞などに載る氏の発言を “元気のいい人だな” という程度の気持ちで読んでいたのですが、どういうわけか著作を読む機会を持っていませんでした。かつては自民党大会にゲストとして呼ばれ、大勢の議員に向かって、


政治家になられる、ということは、自己の利益や権勢のために働くことではなく、人々のために自ら選んで死ぬ準備があると言えることでありましょう。それができないようなら、すぐにも私のように、卑怯者でも嘘つきでもどうにか勤まる職業に転職されることをお勧めいたします


とやりました。テレビのニュースでそれを見た時の驚きは今でも思い出せます。 また小泉内閣が誕生してしばらくした時、話題になった首相のメールマガジン、(らいおんはーと)では、小泉首相に対し


 
いまだに小泉総理の演説にも国民の心に深く残ったものがない」 と直言しました。



さらに、「ボランティアの強制」 などを主張したり、ペルー元大統領フジモリ氏を自宅にかくまったりして話題になり、そういう断片的な知識しか持たずに本書を読んだのですが、さまざまな発言や行動の真意が分かりました。すべてがキリスト教に基づく信念で活動をしているのですね。



困っている人がいれば、南アフリカであろうが、インドであろうが、パレスチナであろうが、砂漠、僻地、難民収容所にどんどんわけいって、自身で危険を冒して活動をする。とても優しく、同時に厳しい人でした。



自分だけの平和主義、言葉だけの民主主義、偽善的なマスコミを徹底して嫌悪します。非常に強烈なインパクトがあり、さまざまな事がらについて独自の観点が示されます。


ノーベル賞作家の大江健三郎氏が、“沖縄ノート”の中で書いた、沖縄戦における集団自決の話し。戦争の悲惨さを表わす代表的な事件として歴史教科書にまで載ってしまいましたが、曽野氏は自分で何度も沖縄へ足を運び、徹底的に調査をします。



その中で、集団自決に関わる証言が次々否定され、当の大江氏はまったく現地取材を行っていないことを知り愕然とし、告発します。現在は裁判にもなっているそうです。


もし曽野氏が正しいのであれば、私にとって “平和と知性のシンボル” “日本文学の誇り” であった大江氏でしたが、彼がペンという暴力で罪のない人々のリンチをしているということになってしまうわけです。



そういえば、曽野氏はアメリカのイラク統治に関しても早くから “失敗”を予言していました。理由は 『アメリカ政府はアラブのことを知らないから』。ご自分で行動してきた人ならではの判断でしょう。


とにかくどんな権力に対しても、媚びることをしない、命を危険にさらしてまで行動をする。単なる作家やジャーナリストの範疇を越えて、 “サムライ” とでも呼びたくなるような女性だと知りました。





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沈船検死 曽野綾子 文庫.jpg (←文庫 459円)

 『沈船検死』 曽野綾子
新潮社:236P:1470円


 




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  1. 2006/12/22(金) 11:54:58|
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『心の潜在力 プラシーボ効果 - 偽薬は効くのか』広瀬弘忠

心の潜在力 プラシーボ効果ー.jpg



プラシーボとか、プラセボとも呼ばれる “ニセの薬=偽薬” があります。薬とは言っても、プラシーボの実際の成分は、単なる砂糖水だったり、食塩水だったりします。


 ・・・   続きを読む

[『心の潜在力 プラシーボ効果 - 偽薬は効くのか』広瀬弘忠]の続きを読む

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  1. 2006/12/21(木) 15:10:31|
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人気ブログランキング および、にほんブログ村、読書・本ブログカテゴリー 1位 御礼


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おかげさまで、人気blogランキングへ  (  ← これです) で、はじめて、念願の1位になることができました。できればご確認下さい(投票になります)。


そうなんです。長い間応援していいただいている方はおわかりでしょうが、実はこれまで1位だった方がいなくなってしまっただけなのです。



つまり 私の文章力が上がったわけでも、VIVA読書の人気が出たわけでもまったくない、要するにたなぼた 1位なのですが、ランキングで応援していただいた方々にご報告とお礼を申し上げたくて、こうして記事にしてしまいました。




ですから、あまりカッコのいい1位奪取ではありませんでしたが、思いがけず、ちょっと早めのクリスマスプレゼントをもらったようなもので、一時的であったとしても大変うれしく思っております。


 “おっ!弱い1位が出てきたぞ、やっつけろ!” というので、他の方々も今後張り切るでしょうから(笑)、1位を維持するのは、そう簡単ではないでしょう。明日になったら、戻ってきた!とか、別の強力ブログの参戦もあるでしょうが、これを励みにして、できるところまでやってみます。
 

また、にほんブログ村 本ブログ  ( にほんブログ村 本ブログへ ←これです) の方も、ずっと長い間、1位を取らせていただいており、本当にお礼の言葉もないほど感謝しております。



今回のラッキー1位に慢心することなく、地道に努力していくつもりですので、できましたら、これからもお付き合いいただけるよう、よろしくお願いいたします。


 


本当にありがとうございました。 



 



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  1. 2006/12/20(水) 23:34:32|
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先生の読書3(田辺聖子 サリンジャー 一志治夫 速水敏彦 坂本多加雄 秦郁彦 チャルディーニ

 


“心に残る、忘れられない一冊” のシリーズも今回で最後です。本当なら一冊ずつ読んで記事にしたいようなものばかりです。


今日も気に入っていただけると良いのですが…。どうぞ。




【舞え舞え蝸牛】 田辺聖子 著 (文藝春秋 935円)


舞え舞c纓牛.jpg



思い出に残ると言うよりも、私の人生を変えた一冊とも言える本です。この本と出会わなければ、今、古文を教えてはいないでしょう。中学生の時、図書室で読み、古典の面白さを知りました。

内容はシンデレラと似ています。皆から落窪と馬鹿にされている美しい姫が、少将に見初められ、侍女の阿漕らの働きにより、幸せになる話です。残念ながら廃盤ですが、この小説の原作である「落窪物語」を新たに翻案したものに「おちくぼ姫」があります。多少内容は違いますが、この本も面白いので是非お読み下さい。



 


『影響力の武器』 ロバート・チャルディーニ 著 (誠信書房 3465円)


影響力の武器 チャルディーニ.jpg



“人は何によって動かされるのか” を徹底的に解き明かします。かなり昔に読みましたが、最近になって売れ始めたようで、じわじわと良さが広まっているのでしょう。高が知れた私の読書の中ですが、本書は同種の本の中で比較を絶してすばらしいと感じた一冊でした。


心理学者ですから、学問的な考察がなされているのですが、例証や実験が豊富で具体的。その上それを見事に体系立った形でわかりやすくまとめ上げています。こじつけの論理は一切見られず、その文章力によるものか、読めば必ず心理学(人間行動学)の基本が身に付くように書かれており、しかも実社会で活かせるような工夫が一杯です。


各章の終わりにまとめがほどこしてあるのも大助かりです。 高級品がはやったり、ラーメン屋さんに行列ができたり、川に飛び込む阪神ファンの心理までもよくわかります。




【兎の眼】 灰谷健次郎 著 (角川文庫 599円)


兎の眼 灰谷健次郎.jpg



海の物語』を読んだ後、灰谷健次郎の他の作品を無性に読みたくなり、代表作と言う触れ込みからこの本を手に取りました。非常に個性的な子供たちの中でともに成長していく教師の姿、子どもと大人が常に対等に書かれているなど、共通している部分が多く、一気に読みきってしまいました。

学校や生徒達の生活環境の設定や、生徒と教師の言動などは少々現実離れしているものの、良い邦画を観たあとのような澄んだ気持ちになれる作品です。(1979年に映画化もされました。)
 



【ライ麦畑でつかまえて】 J.D.サリンジャー 著 (白水社 550円)


ライ麦畑でつかまえて JDサリンジャー.jpg


学生時代に読んだこともありますが、最近になり読み直しました。青春時代に誰もが味合う孤独感がユーモアたっぷりに描かれています。落ち込んだり進路に迷った時、読んでほしい作品です。


  


【他人を見下す若者たち】 速水敏彦 著 (講談社現代新書 720円)
 


他人を見下す若メたち 速水敏彦.jpg



タイトルとこの本の帯に書いてあった「自分以外はバカの時代!」という強烈なキャッチコピーに惹かれ購入しました。今、いじめや自殺が社会問題となっていますが、そういったことが起きやすくなっている社会背景が描かれています。

「自分に甘く、他人に厳しい」「すぐにいらつき、キレる」「悪いと思っても謝らない」と本の帯に書かれていますが、この本の中には、かなり具体的に若者がこのようになった理由が書かれているので、今の時代が便利になっていても、決してよい方向には向かっていないような印象をもちました。

個人的には「嫌なことは吐き出す」という感情の方が最近は増えているように思えます。この本から、現在の日本人が失った何かを発見できると思います。


 


【昭和史の論点】 坂本多加雄秦郁彦半藤一利保坂正康 著 (文春新書725円)


昭和史の論点.jpg



満州事変2・26事件、太平洋戦争などを中心に昭和時代を討論・検証する一冊です。国際社会で暴走し、翻弄され、打ちのめされた日本。今からほんの半世紀ほど前のお話です。



【魂の森を行け】
 一志治夫 著 (新潮文庫 460円)


魂の森を行け 一志。夫.jpg


副題に3000万本の木を植えた男とあり、植物生態学者であるその人、宮脇昭氏の人生を綴ったものです。環境保護を早くから唱え、本物の自然とは鎮守の森であると現在も自然の再生に尽力し活躍されています。氏の生き様や信念、情熱には圧倒されます。




 


以上です。


 


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  1. 2006/12/20(水) 12:22:43|
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先生の読書2 (飯田泰之 荒俣弘 ラ・ロシュフコー 芳沢光雄 阿部夏丸 山田詠美 シャンサ)


(手前みそのようで、恐縮ですが…、) 本当に力のある塾講師のみなさんはいろいろと良い本を知っているもんなんですね。だから会話も深くておもしろいし、たとえもユニークで、生徒に人気があるんでしょうね。今回もいろいろな先生から紹介してもらいました!


いや~、毎月この特集になれば良いのになどと考えております。こうしてまとめて並べるのも壮観で良いのですが、実際に自分で一冊ずつ読んで紹介したいところですね。年末年始、読む本がいくつか見つかりました。



気になる本が並んでいると思います。では、どうぞ!




 


【ダメな議論】 飯田泰之 著 (ちくま新書 714円)


ダメな議論 飯田泰之.jpg


 


最近で一番心に残った、というか脳を揺さぶられた感じの1冊です。本書は分析的思考の重要性を説くものですが、「ダメな議論をあぶり出す手法を提示していること」と、「具体例として時事問題におけるありがちな議論を取り上げていること」が特徴です。

例えば、「近年、少年による凶悪犯罪は増加しており、道徳教育の見直しが必要とされる」という主旨の文を読んだときに違和感があるでしょうか。ないようであれば、きっと本書に揺さぶられます。他にも「ダメな若者論」「食料安保論」 「バブル悪玉論」 「良いデフレ論」等々、まだまだたくさんの「何となく常識になっている論説」の何がダメかを論証しています。自分だけの秘密にしておきたいくらいの1冊と言ったら褒め過ぎでしょうか。


 


【帝都物語】 荒俣弘 著 (角川文庫 735円) 


帝都物語 荒俣宏.jpg


 


今でもファンの多い伝奇小説です。学生時代、新刊が出るたびに徹夜でむさぼり読みました。内容を一言で言うと、帝都(東京のことです)を破壊しようとする魔神、加藤保憲とそれを阻止しようとする人々との闘いを描いた話です。長編のため話題は様々な方面に及んでいます。この本にはまると、歴史と荒俣が作り出した架空の世界が混同してきます。読み終わると次の巻が読みたくなる麻薬のような本です。時間がある時には荒俣ワールドにどっぷり浸かってください。


 


  【ラ・ロシュフコー箴言集】 ラ・ロシュフコー 著(岩波書店 789円)


ラ・ロシュフコー蘯言集.jpg


フランス・モラリスト文学の最高傑作・・・というと、やたら堅苦しい感じがするけれど、実は単なる「名(迷?)言集」。ほんの1,2行の言葉ばかりが集められた、誰でも読める本です。ただ、そこに集められた言葉は、よく言えば素晴らしい人生の警句、悪く言えば単なるひねくれ者の戯れ言です。


「人が他人を褒めるのは、そのことで自分が得をしようとしているときである」「切れ者らしく見せようという色気が邪魔をして、切れ者になれないことがよくある。」・・・うーん、耳が痛い。真面目な本もよいですが、たまにはこういうちょっと意地悪な言葉に浸ってみるのもいかがでしょうか?




【僕は勉強ができない】 山田詠美 著 (新潮社 420円) 


僕は勉強ができない 山田詠美.jpg


私の思い出の一冊と言えば断然これです。高校2年生のころ初めて読んで衝撃を受けた覚えがあります。「常識」に従わず、他人の敷いたレールを歩かない・・・そういうカッコイイ生き方よりも、むしろそうしたことと引き換えに背負う孤独の方が印象的でした。

もちろん主人公時田秀美には、強い母、包容力のある祖父、そして大人の彼女がいましたが、本当のところでは一人で戦っている姿があって惹かれた覚えがあります。思春期に出会えてよかった一冊です。 


 


『算数・数学が得意になる本』 芳沢光雄 著 講談社現代新書 720円 



算数・数学が得意になる本 芳沢光雄.jpg


 


本のタイトルを見て「そんなことはあり得ない!」という人も多いと思います。算数、数学が苦手という人は多いと思います。そういった人は必ずどこかでわからなくなったという経験があるはずです。例えば「分数の計算」 「証明問題」 「確率」で先生が何を言っているかわからなくなった経験はありませんか。講師としても 「どうやって理解させるか」という事が難しい単元というものがあります。


この本にはそういった算数・数学でつまずきやすい所の解説が書かれています。ただの解説ではなく教科書やゆとり教育の功罪にまでつっこんで書かれているので、つまずきの原因が的確にわかると思います。この本は、子育て中の保護者や教員、中学生以上の学生が読者の対象となっています。

「角錐の体積はなぜ角柱に1/3をかければよいのか」という質問は答えるのに窮してしまったことはありませんか?この本には微積分を使わずに視覚で理解出来る方法が書かれています。それは「大根とナイフを使って・・・」、その先はこの本の中に書かれています。



『峰雲へ』 阿部夏丸 著 (小学館 1785円)


峰雲へ.jpg


今はもう都会では味わうことが出来ない遊びがあります。本書は川を舞台に少年たちのみずみずしい感性や行動力が思い切り描かれています。入試にもよく出題される本ですが、大人が読んでも心に響く内容です。読後は満足感でいっぱいになりました。






を打つ女】 シャン・サ 著 (早川書房 1995円)


碁を打つ女・シャンサ.jpg



舞台は昭和初期の満州国、日本人将校と中国人少女の物語。二人が数ページずつ、交互に自分の人生を語る形で、二つの物語が展開します。どちらも、引き込まれるストーリーですが、やっと二人が出会うのは物語後半の会所。


過酷な現実、激しい動乱、微妙な心理を、抑揚を押えた文体で描きます。ほとんど無言で対局を繰り返していただけの二人が、満州の状況が風雲急を告げる中で互いを頼らざるを得なくなり、衝撃的なエンディングへとつながります。ため息が出るようなすばらしい小説でした。


筆者はフランス在住の中国人ですが、まるで日本人の筆によるかのような天皇の描き方、そして、兵士のはかなさは万国共通でしょう。『上海ベイビー』が話題になる時代はすでに終わり、頑迷な中国にも新しい世代が出てきていると感じました。








以上です。



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  1. 2006/12/19(火) 12:42:11|
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先生の読書1 (司馬遼太郎 会田雄次 村上陽一郎 宮本輝 横山秀夫 庄義和 マークブキャナン)



当教室では、毎月発行しているメルマガで、講師の方々が、生徒や親ごさんへお薦めの本を紹介しています。先月は 『厚さ1センチ(10ミリ)以下の本』 を特集し、大変好評でした。


12月号では、他人に薦めるというより、 ご自分の “心に残った忘れられない一冊” ということで特集をしました。紹介の仕方も長さもバラバラなのですが、大変興味深い本が並んだと思いますので、今日から続けてご紹介します。


私だけでなく、他の先生方も多くいらっしゃいますので、お名前はふせておきますが、すべて当教室の講師陣が書いたものです。


こういう本に夢中になると塾講師になるらしいです(笑)。 おもしろいと思いますよ。ではどうぞ。




【竜馬がゆく】 司馬遼太郎 著 (文春文庫 全八巻 各620円)


竜馬がゆく 司馬遼太郎.jpg


明治維新の原動力として活躍した坂本竜馬の生涯を描いた歴史小説。著者の幅広い知識と鋭い表現力で、気がつけばこの世界に引き込まれるはず。幕末という激動の時代、誰もが固執した考えをする中、独特の感性で時代の先を見据えていた竜馬の生き方は、この本を読んだ人の心にきっと何か響かせてくれるでしょう。

どのような志を持ち、自分の人生を生きていくのか…。この先大人になり社会へ羽ばたいていく前に、この本と出会っておくのも良いと思います。


 



【日本人の生き方】
 会田雄次 著(講談社 525円)


日本人の生き方 会田雄次.jpg


本は人に貸すとなかなか返ってきませんね。本書は結局3回買っています。最初に読んだのはまだ大学生時代でした。私が受験で使った社会の科目は、倫社・政経でしたので、歴史や地理はまったく知らないまま大学生になったのですが、本書を読んですぐにそれを悔やみました。

自分が日本人であるとはどういうことか、歴史的背景抜きの英語の知識だけではどうしようもない、国際人などとんでもないとつくづく思い知らされた一冊です。大げさに言えば、自分のアイデンティティーを確認した本ということになるでしょうか。


 


【ペスト大流行—ヨーロッパ中世の崩壊】 村上陽一郎 著(岩波新書735円)


ペスト大流行 村上陽一郎.jpg


歴史を語ろうとする者なら誰も、今日の立場からの解釈は可能な限り抑制し、できる限り過去の時代そのものに肉迫しようと努めるものですが、私達が「同時代人」たり得ない以上、自らの設定した座標軸にしたがって、過去が今日の状況に対して持つ因果関係をもっぱら問うといった過ちを犯す危険は常にあります。

本書の著者は、科学の歴史を、人間が「より真実へと」近づいていく過程と見なす事に対し、常に批判的な立場から数多くの業績を残してきましたが、本書でも中世の西欧で3000万人の命を奪い、封建社会を根底から揺り動かしたペストの大流行について、無知ゆえに深刻な事態を招いたといった安易な視点を禁じ、未曾有の事態に直面した当時の西欧世界の知的枠組み、さらには伝染病が招く人心の動揺、社会の混乱といった二次的惨禍に至るまでを克明に描き出しています。

ところでペストがまさに最盛期を迎え、手の尽くしようもなくヨーロッパが滅亡の危機に瀕していたとき、ペストの伝播源であったクマネズミの天敵ドブネズミの大群が突然ヴォルガ河を西に向かって移動していったという実話をご存知でしょうか?


 


【錦繍】 宮本輝 著 (新潮文庫 460円)


錦繍 宮本輝.jpg


著者は私が好きな作家の一人で、多くの作品を読みました。その中で本書は大人向けの内容としては心に強く残った一冊であり、名作と言えるかもしれません。手紙のやり取りだけで話が進みます。言葉の美しさも感じられる素晴らしい本です。


 


【灘中の数学学習法】 庄義和幸田芳則 著(日本放送出版協会 672円)


灘中の数学学習法.jpg


灘中の数学学習法ということで、どれほどのものか興味があり手にとってみました。もちろん、灘中に通っている生徒の吸収力・レベルが高いということもあるのですが、これほどまでのスピードでカリキュラムを消化しているとは思わなかったです。

中学の段階で高校生の内容を扱えるのは、カリキュラムがしっかりしているからでしょう。普通の一般公立中学との差は大きくなるいっぽうだと感じました。また付録として、定期テストの問題と答え・使用している本などが上げられており、この一冊で日本トップクラスの数学教育を見せ付けられた感じがします。





【出口のない海】 横山秀夫 著 (講談社文庫 620円)


出口のない海 横山秀夫.jpg


大好きな野球と恋人を投げ打って戦争へ。任務は生きて帰れる可能性ゼロの人間魚雷。潜水艦ごと敵に突っ込むという極限の恐怖の中でも、主人公は崇高な反戦メッセージを伝えてくれます。




【歴史の方程式】 マーク・ブキャナン 著 (早川書房 2425円)


歴史の方程ョ マークブキャナン.jpg


 
歴史的な大事件や大事故が起こるたびに思い出すのが本書です。地震や台風などによる惨禍は、どうしようもありませんし、誰も阪神大震災は防ぐことができたとは考えないでしょう。しかし人やその集まりである国家が引き起こす紛争や戦争、あるいは不注意による事故ならば無くすことができる、またはそうすべきだと考えます。

しかし現実の社会では、事故も戦争もなくなりませんし、ありえないと思われることが、実は次々に起こっています。自然災害も人が引き起こすものも実は似た法則(方程式)で起こっていて、そのカギはべき乗にあると主張する一冊です。

最新の物理の知見と歴史をミックスさせた非常に刺激的な一冊でした。  




以上です。


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  1. 2006/12/18(月) 11:46:28|
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年忘れ!2006年スットコグランプリ!【ジョーク】




■■■ 年忘れ!2006年スットコグランプリ! ■■■



 


はじめてのスットコくんのおかげで、今回はリラックスしております(笑)。


まぁまぁまぁ、今年も楽しいできごといっぱいの 特訓教室・中川適 でした (^_^)v。 


例年のように、スットコ大賞を決めようとしたのですが、今年の作品はみな趣味が違うのか、採点結果がば~らばら。


 



 三日三晩考えても結論が出ず…。 




こうなったら もうヤケクソです。




めんどうなので上位作品をぜ~んぶ紹介しちゃいます!!(^^)!




(あ~っと、念のために外部の方に言っておきますが、当教室は20年もやっている立派な進学実績を誇る名門ですよ(笑)。いや、ほんとに。断じてこんなヤツらばっかではありません(あっ、言い過ぎたゴメン)。 でもね、知らない人が読んでしまうと、“何だ、何だ、とんでもないがあるぞ!”って誤解されるのが、とってもこ・わ・い(笑))


 


 
笑い納め!今年のグランプリ、長いですよ(笑) それ! 




 


 


\(^o^)/





■ ( ^^) _U~~ 見逃さない・聞き逃さない ( ^^) _U~~ ■




 


★★★ まずは上品にまいりましょう (*^_^*) ★★★



  “アメリカ産” の牛肉が輸入再開…


生徒 『でも、なんで アメリカに“さん”づけ するんでしょうね?』


日直(オホホ。ごていねいな生徒さんでございますこと)






★★★ まだまだ軽く… (^^) ★★★



中1数学です


講師 『“不等号”って知ってるかな?』

生徒 『学校に行かないことでしょ?』


(日直:><, ≧≦,ですね。ん~っ、ピッタリの顔文字)




 



★★★ そろそろお昼、新作弁当発売 (^_^)v ★★★



講師 『コンビニの弁当っておいしいのか?』

生徒 『おいしいですよ、ええ。 特にこの


             “丸の内” 弁当  

                              めっちゃうまいっすよ 』


(日直:地下鉄限定でしょう(笑))






 


★★★ ここで、緊急のニュース・ 新会社設立! (#^.^#) ★★★



最近、からの連絡は携帯メールを希望する生徒が増えてきたので、アドレスを教えてもらいました。そのアドレスを見てみると~

 
 
        【○○○@bocomo.ne.jp】



(日直:ボ・ボコモ!ぼこも!ソフトバンクに強敵現る!)



 







 


■■■ (^_-)-☆ すてきな ボケ(^_-)-☆ ■■■




 


★★★ スタートが肝心! <`ヘ´> ★★★



4月から中学生になる小6の3人組。これが初めての英語の授業です。


講師 『普段、君たちはすでに英語を使ってるんだよ。例えばどんな言葉を使っているかな?』


A君 『ナイス、とか?』

講師 『そうそう、よし、いいぞ。次、じゃあ、B君は? 』

B君 『う~ん、ドンマイ!』

講師 『あ、惜しいなぁ~。えっとね、英語では “ネバーマインド”っていうのが正しい。

     ちょっと難しいけどね…次C君は? 』



C君 『えっと、 OK牧場! 』


講師 『 こ・こいつ… (-_-メ) 


(日直:やまだく~ん、ザブトンぜんぶ持ってって!)






 


★★★ みなさん! 突っ込んでみて下さい (^0_0^) ★★★


 


講師 『俗に“三重苦”と言われた、ヘレンケラーはみんなは知ってるよね?』

生徒A 『え~と、あの、何かの戦争で頑張った看護婦でしょ???』

講師 『何言ってんだおまえ。それはナイチンゲールだろう!ったくも~ 』

生徒B 『ヘレンケラーか?あっ、知ってますよ、あの 超能力の人 でしょ』


講師・他の生徒 『???ちょ~の~りょく~?????』



・・・・・・ はいどうぞ!・・・・・・



講師 『   ばかもん!

  
         そりゃお前
 


     
  ユリゲラー だろ。う~ (ーー;) 



(日直:ヘレンケラーがユリゲラーと!昔、サリバン先生を “タリバン先生” というのもありましたね~)





 


★★★ こりゃまた奇想天外 ヽ(^。^)ノ ★★★




講師 『人種のルツボにたとえられるアメリカの都市ってどこ?』

生徒 『だから私そういうのわからないって。地理とか全然知らないしぃ』

講師 『まあでもアメリカの大都市だから絶対知ってるよ』

生徒 『どうせまた笑うんでしょう』

講師 『笑わない笑わない。間違ってもいいから。さあ、アメリカの大都市!』


生徒 『う~ん...


           ネパールとか?』


講師 『 く~ 』



(日直:なんでネパールかなぁ~。ファンになりそうです(笑))


 




 



★★★ ずっと言ってなさい! <^!^> ★★★


 
   授業で TOEIC の練習中


生徒 『ネガティブだったらリスニングも楽でしょうね』

講師 『???』

生徒 『ネガティブだったらなぁ~、ね先生』

講師 『??!』(ひょっとして…)


生徒 『ネガティブ・スピーカー だったらなぁ~』


講師 『ネイティブだ!ちゅうの(怒)』



(日直:ふつう、あきれて授業放棄ですね(笑))





 



★★★ モウ、まったく“モ?” ヽ(^。^)ノ ★★★



  高2の授業中です。

講師 『そろそろ試験だけど化学は大丈夫か?』

生徒 『いや、かなりまずいです』

講師 『質問して良いぞ。範囲は?』


生徒 『 モネ とか・・・』



講師 『お~ 印象派 ですな』


(日直:モルは苦手な人が多いんですが、いくら何でもモネとはねぇ~(笑))



 




★★★ 必殺単語学習法 ( ..)φメモメモ ★★★




 中学1年生が英単語の書き取り練習中…。


生徒 『(何やらぶつぶつ) コメ、コメ、コメ… 』

講師 『何て単語覚えてんの?それは』

生徒 『カム(come)です』

講師 『come!? それがコメ? そういう覚え方はやめなさい 』

 
・・・しばらくして know (ノウ)の練習へ・・・



生徒 『 苦悩、苦悩、苦悩、苦悩、苦悩


講師 『 だからやめなさいってば!


日直(そうなると、someはソメさんで、cameはカメさんかぁ~)


 


 


 



●●● !(^^)! 最強のスットコくん !(^^)!  ●●●


 



★★★★★ こんなご家庭も <m(__)m> ★★★★★




講師 『どこか海外へ行ったことあるかな?』

生徒 『去年、ヨーロッパへ 10日間行きました。フランスとかイギリスとか…』

講師 『お、すごいねぇ、家族みんなで?』



生徒 『お父さんは行きませんでした。


      犬の世話 をしなくてはいけないので』



(日直:お目にかかったことはございませんが、お父様、ファイト!でございます)


 



 



★★★★★ 何の話? (T_T) ★★★★★


 


講師 『英語で“赤道”のことをイクエイター(equator)という。

    赤道って、地球をちょうど半分ずつに分けるだろ、

    だからイコール(equal)と同じ語源。覚えやすいだろ?』


生徒 『…?』


講師 『あれ?ちょっちょっと、お前、赤道って知ってんのか?』


生徒 『おっす!知ってます』


講師 『ホントか?』


生徒 『おっす!大丈夫っす』


講師 『どこにある?』


生徒 『え、どこって、そりゃ先生…、


     北朝鮮と韓国の間にある~~、う~



       あれ、たしか~ 37度 だったかなぁ~』



(日直:場所も数字も違っております、違いすぎです(笑))




 



★★★★★ 女らしさ・・・ (^0_0^) ★★★★★


 


講師 『母の日って何かあげたの?』

A子 『一応、毎年お花をプレゼントしてるよ』

講師 『ああ、さすがに女の子だね』


A子 『だろ?』


(日直:これ、わざと?だとしたらセンス抜群!すぐに吉本へ入れましょう )



 







   
△△△ おまけ:先生編 (^^♪  △△△

チラシを新しく作るために相談する先生たち。小耳に挟んだ会話を。ふふ…


講師A 『いやぁ、どうも フォント が違うみたいなんですよね』

講師B 『え~っ それ、“ふぉんと” ですか?』    

(日直:忙中笑有り )
 


 


 







いやはや、お疲れさまでした。再浮上のきっかけに(笑)。よろしくお願いしま~す。(@^^)/~~~

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  1. 2006/12/17(日) 07:31:13|
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2006年父母が選ぶ教育界10大ニュース 



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■□■ 2006年父母が選ぶ教育界10大ニュース ■□■
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当教室では、毎年12月、お子さんを通わせていただいているご父母の皆さんに、この一年にあった教育関連のニュースの中で、もっとも関心の高いものを選んでいただくアンケートをお願いしております。

それをメルマガでお知らせしているのですが、今年はこんな結果になりました。解説と総括を私がしましたので、それを記事にしました。



●●●●●●●●●



■第10位■


【4年制私立大学の定員割れが全体の4割超】



少子化により定員に満たない大学が過去最多の222校です。各大学必死で特色をアピールしています。亜細亜大学では一芸入試があるためか、ジャニーズ系を含め、芸能人がとても多いですね。松たか子赤坂晃石田ひかり小原裕貴加藤あいベッキー斉藤祥太 など、まだまだいます。

四国学院大学では日本版アファーマティブアクションとして、被差別部落出身者、在日韓国・朝鮮人、アイヌ、沖縄および奄美諸島出身者、身体障害者、キリスト者などを対象に別枠の入試を設けています。他にもご紹介したい事例はたくさんあります。大学選びは慎重に。



■第9位■
 


【早寝・早起き・朝ごはん運動の開始】


ついにここまでやるかというニュースです。子どもの生活習慣を正すのは、本来家庭の役割ですね。『食育』という言葉もあっという間に定着しましたし、それ自体は大変良いこと、大切なことですが、何よりもまず、親の生活習慣から見直さないとどうにもなりません。


 
■第8位■


【公立学校の教員給与の見直しへ文科省が着手】


ここ数年、教員に対する風当たりは強まる一方です。確かに不祥事が多すぎますね。給与、年金他、さまざまな保障が民間と比べて厚すぎるという声も大きくなってきましたが、本当に給与にまで手を付けられるでしょうか。



 ■第7位■


【教育基本法改正法案、反発強まる】


安倍内閣の目玉とされる教育基本法改正ですが、賛否両論です。政治色の濃い問題で、議論がわかりにくいですね。基本法改正は、ここ数年、ランキングの選択肢に入っておりましたが、今年が初のランク入りです。教育基本法はわずかA4で1枚ほどです。ぜひお読み下さい。逢坂先生が4年ほど前のコラムで、問題は10条だと指摘されました。


→ http://tokkun.net/merumaga0301.htm  (逢坂先生のコラム2003年1月) 
→ http://tokkun.net/kihon.htm  (教育基本法)




■第6位■


【教員免許の更新制を検討。当初10年の期間も短縮か】


ここでも問題教員に対する、ご父母の強い問題意識を感じます。教員の資質向上が急務だとはいえますが、具体的方策は実現が難しく、免許更新が10年では長すぎると伊吹文科相は発言しました。

それだけでなく、講習会や研修の受講だけで更新できてしまうのであれば、効果も疑わしいですね。校長の人事裁量権を強化するなどして、引き受け手の無い教員を再教育、解雇するというような制度の方がずっと現実的だと思います。




■■ 第5位 ■■


【国は少子化対策も、子どもの数が25年連続減少】


これはもう教育分野を越えた社会問題です。児童手当てを少し増やすくらいでは、解決できないでしょう。女性が働きながらも安心して子育てできる環境をという考えは、言うは易く、行うは難しです。年金の問題や労働力不足の問題、ジェンダーなど、あらゆる角度から議論されます。


教育界に関して申し上げれば、少子化で、塾は自然に淘汰が進みますが、学校や教員のリストラクチャリング、理想の将来像が、具体的に議論されるべきだと思います。もっと学校間に競争をさせるのか、また国立大学が定員を大幅に減らして学力水準を保つのかなど、予算を含め議題はたくさんあります。



 
■■ 第4位 ■■


 タウンミーティングやらせ質問発覚】


教育基本法改正に賛成の人でさえ、この事件を聞けば考え直すのではないでしょうか。基本法改正より文科省の解体が先だと。さらに法務省や国土交通省でもやらせが発覚しており、日本の行政すべてに不信の念を抱かせます。発言を依頼し謝礼を払っただけでなく、経費の水増しまでしていたというひどい内容です。


国民の声を聞いて政策に活かすなどというのは表向き、裏で買収した上でのやらせ質問劇で、自分たちの政策を押し付けるという構図です。 国民をだましているだけでなく、税金を横領しているのに等しい行為だと思うのですが、こういう場合はなぜ誰も解雇や逮捕されないんでしょう。お金持ちである首相や閣僚などの政治家が給与を返金して片付ける問題ではないでしょう。


省や党ぐるみでやっているというのなら、根本的に国民をなめていますね。


 



■■■ 第3位 ■■■


【センター試験リスニング導入元年。トラブル続出】


今年のセンター試験から導入されたリスニングテスト。プレーヤーの不具合は約50万人の受験生の中で、460人程度と0.1%未満です。つまり99.9%以上は問題がなく、大きな混乱や影響はなかったのですが、ご父母の関心が非常に高く、3位にランクインです。やはりご自分のお子さんが試験を控えているという、当事者ならではの不安がアンケート結果に現われた形です。


 


 
■■■ 第2位 ■■■


 【未履修問題が発覚。全国663校。受験直前期に補習】


これは先月のコラムで私が取り上げました。残念ながらその後もまったく解決策は示されず、発覚した高校の不公平感は解消されません。いまだに履修漏れがあるにもかかわらず、私立校に対して都道府県は何もできません。


 伊藤先生にもお願いし、東京都の私立校を監督する私学行政課に詳しく取材しましたが、彼らは私立校に対して立ち入り調査権限もなく手が出せず、すべてを信用するしかないのだそうです。そんなバカな話があるでしょうか。 一方立ち入り調査を受けた公立高校や、自主申告した私立学校がバカを見るという、とんでもない不公正入試が行われてしまいます。


どこから手を付けたらよいのかわからないほど、大きな問題だということなのか、文部科学省に解決する気がないのか…。出るのはため息ばかりです。

 先月号のコラム 

→ 
伊藤先生のブログ




■■■■■ 第1位 ■■■■■


 【相次ぐいじめによる自殺。報道のあり方にも問題が】


やはりいじめはなくなっていなかった。文科省発表のいじめによる自殺はここ数年ゼロでしたが、自殺した生徒の遺書や、遺族の働きかけによって、それが真っ赤なうそだと明らかになりました。自殺予告の手紙も連日大きく報道されましたし、実際に残念な自殺の連鎖も起こってしまいました。


そして、自殺そのものも大変痛ましいのですが、その度に繰り返される、いじめを認めたがらない学校関係者の記者会見を見て、絶望したご父母や教育関係者も多いのではないでしょうか。



 


●●● 2006年度教育ニュース総括 ●●●


 
今年のランキングを見ますと、どれもこれも学校やあるいは教育委員会単独ではどうしようもない大きな問題が並んでいます。

お気付きでしょうか、昨年上位にランクされた、フリーター、ニートや校内暴力の問題、一昨年その前と、アンケートの上位を独占した、ゆとり教育、学力低下問題のほとんどが今年は姿を消しております。

それらは片付いたのでしょうか。いやどれひとつ解決されていない、どころか、注目されなくなった分、むしろ悪化しているとさえいえます。未履修の問題などは、ゆとり教育などの問題が伏線になって、さらに大きな問題として顕在化してきたと見ることが妥当でしょう。


つまり、指導要領にしろ、ゆとり教育にしろ、その場しのぎの答弁や政策を実施してきた、この無責任体制がある限り、いつまでたってもこうやって生徒やまじめな現場の教員や学校に“ツケ”がまわされるということです。


そんな中でも、ここ数年ずっと上位にランクインし続けている、従って、毎年父母が問題視しているのが、教員の質の問題です。日程的に今回アンケートには間に合いませんでしたが、ひどい事件が年末にありました。


都内の小学校教諭が、交通事故死した子供6人の写真をホームページに無断で掲載し、卑猥なコメントを書き込み、自分は 「3度の飯より子ども死体」 と名乗っていたというではありませんか。寒気がします。

その教員の存在以上に問題なのは、そういう教員を、それ以前にも警察に書類送検されているにもかかわらず、クビにもせず、チェックもせず平然と授業を続けさせていた学校のシステム、あるいはその校長の感覚です。



ご遺族の勇気ある告発で今回報道されたのですが、そうでなければ、この学校、この校長は授業を続けさせていたでしょう。


九州の、いじめに加担していた教員も、生徒が自殺したからこそ、大きく報道され、我々がこうして問題にし始めますが、仮に生徒の自殺が無ければどうだったでしょうか。

想像することさえ嫌悪感を覚えます。実際にはまだまだ問題教員がたくさんいるのではないかという恐怖感です。


こういった不安や問題の解決を先送りしていては、さらに大きな問題となってくるというのが、私の感想です。もはや、官僚や教員の自浄能力を待つより、文部科学大臣の指示で、少なくとも問題教員排除のシステムをすぐに作ること、生徒を萎縮させている絶対評価をすぐに廃止することを期待したいと思います。


 


◎お忙しいにもかかわらず、アンケートにご協力いただきましたご父母の皆さま、深くお礼申し上げます。来年こそ良いニュースが並びますように。


 


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20万 HIT!

 


 


 本日の記事は  goo グログ  に掲載しました。


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『谷川俊太郎詩集』谷川俊太郎(著) ねじめ正一(編) 中島みゆき(エッセイ)

 


谷川俊太郎詩集.jpg



詩集を人に薦めるのはなんとなく、“ロマンチスト”ぶっているようで、しかも、詩の感性は人それぞれですから、遠慮してしまいます。したがって、今まで人に勧めたことはないのですが、本書はぜひ知ってもらいたいなぁと感じた一冊です。


小学生が声に出して読むもよし、中高生が悩んで開くもよし、大人が寝る前に読んで心休めるのも良いのかなと思います。気に入れば書き写しても良いでしょう。


谷川俊太郎氏は1931年生まれで、本書はその50年に及ぶ氏の活動の50冊を超える詩集から選び抜かれた作品を集めています。 『
二十億光年の孤独』や『朝のリレー』など、詩集や教科書の作品だけでなく、絵本や作詞、翻訳なども含め、まさに八面六臂の活躍ぶりです。


最近では、
よりみちパン!セのシリーズでも最後に作者に質問をするなど、おっ、こんなところにも谷川俊太郎発見!と思いました。このシリーズにどこまで谷川氏がかかわっておられるのか知りませんが、このブログでとりあげたのは


バカな大人にならない脳(養老孟司)

みんなのなやみ(重松清)

神さまがくれた漢字たち(白川静)

いのちの食べかた(森達也)』 で、いずれも良書だと思います。



本当は、谷川氏の作品すべてがお気に入りというわけではないのですが、本書はねじめ正一さんの選んだセンスが、私には向いていたということでしょうか、どの作品もすばらしいと感じるものでした。


含まれている詞は以下のようなものです。

白から黒へ

かなしみ

はる

二十億光年の孤独

ネロ

僕は創る



午の食事

帰郷


中島みゆきさんがエッセイを書いているのは、彼女は大学の卒論で、谷川氏を取り上げたそうなんです。Wikipediaによると、日本で1970年代(わかれうた)、80年代(悪女)、90年代(空と君の間に、旅人のうた)、2000年代(地上の星)と4つの年代でオリコンチャート1位を記録している日本唯一のソロシンガーだそうです。これらの歌も心に残りますが、本書でのエッセイもなかなかのものです。


さて、せっかくのロマンチックな詩集を駄文で汚してしまっては元も子もありませんので、アマゾンにある紹介文を付しておきます。


人はどこから来て、どこに行くのか。

この世界に生きることの不思議を、古びることのない比類なき言葉と、曇りなき眼差しで捉え、生と死、男と女、愛と憎しみ、幼児から老年までの心の位相を、読む者一人一人の胸深く届かせる。

初めて発表した詩、時代の詩、言葉遊びの詩、近作の未刊詩篇など、五十冊余の詩集からその精華を選んだ、五十年にわたる詩人・谷川俊太郎のエッセンス。






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『谷川俊太郎詩集』谷川俊太郎(著) ねじめ正一(編) 中島みゆき(エッセイ)
角川春樹事務所:250P:714円

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  1. 2006/12/13(水) 10:44:01|
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『受験に強い子をつくる!わが子を「勝ち組」にするための必勝受験術』和田秀樹


受験に強い子を作る.jpg


 
先日、灘高キムタツこと木村達哉先生と、出版社アルクの編集長に渋谷でお会いしました。未履修問題など、他の進学校がだんまりを決め込んでいる中で、灘高が特に厳しい批判にさらされていることをどう思っていらっしゃるか、聞いてみました。


もちろんおもしろいはずはありませんが、制度の不備はわずか数ヶ月ではいかんともしがたいことがわかっており、すでに切り替えができていますね。灘が受けた “不公平な扱い”(詳しくは伊藤先生のブログ) を、逆にエネルギーにしているという印象を受けました。



灘という学校は、ノブレスオブリッジというか、有名税というか、ちょっと適切な言葉が見つかりませんが、全国から注目の的であるだけに、マスコミにも(今回は読売新聞)常に狙われる存在です。木村先生とお話しをしていると、灘というのは、普通の進学校を超えた、超進学校としての責任や、注目が増すことがわかります。


その灘中学に5番の成績で入学し、あの勝谷誠彦氏と同級生という、和田秀樹氏の著作です。木村先生と実際に生徒たちの勉強方法や、英語のテキストつくりに関してお話をさせていただいたり、和田氏の学習方法を読んだりして感じるのは、特別なことをやるというより、自分が良いと信じるものを、しっかりとやって基礎を作り、成績をあげているんだということです。常に勉強の目的が明確です。


和田秀樹氏の活躍は実に多方面に渡っており、その主張はリベラルというか、何でも良いものは良いという姿勢に好感を持ちます。常識や古めかしい受験の伝統にこだわりません。そういえば朝日新聞にも産経新聞にも登場しますね(笑)。


本書は、やがては受験をむかえる子をもつすべての親御さんに向けて書いた本です。ちょっと副題の “勝ち組云々” という表現はあまり好きではありませんが、ここでもそのわかりやすい主張は健在です。


ゆとり教育で学力が低下する一方で、社会における競争は確実に激しさを増しています。その中でいかに子どもを 「勝ち組」 に導いていくかという具体的アドバイスを、現代の入試事情を踏まえた上で指南しています。


灘中では劣等生で過ごしたものの、高2で最小限の努力で最大の効果を生む独自の学習術を編み出し、東大理科Ⅲ類や慶応医学部、経済学部に現役合格を果たしたと言われる和田氏の、その方法論は非常にわかりやすいです。


和田氏といえば、受験必勝法と連想されるくらいですが、個人的には、親や生徒がおちいりやすい受験に対する誤解を心理学的見地や社会情勢の判断から、警告し、昔からある勉強方法の中で、現代の受験事情にあった、もっとも効率が良いものを選んでいこうという主張だと思っておりますが、いかがでしょうか。


本当に著作がたくさんあり、どれを読んでも興味深い指摘があります。時には具体的過ぎると感じることもあります。例えば、参考書などを薦める時には、生徒の状況や学力次第という面が欠けています。鵜呑みは危険です。


本書においても、氏の主張は確かに刺激的ですが、すべてを素直にそのまま実践しようとせず、ご自分や、お子さんにあっているというものを取り入れるという姿勢で読まれれば、必ずためになるところがあると思います。受験生だけでなく、受験指導をしている方にもお薦めしたい一冊です。




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『受験に強い子をつくる!わが子を「勝ち組」にするための必勝受験術』和田秀樹
ベスト新書:207P:780円

  1. 2006/12/12(火) 12:06:15|
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『吸血コウモリは恩を忘れない―動物の協力行動から人が学べること』リー・ドガトキン(著) 

 

吸血コウモリは恩を忘れない 動物の協力行動から人が学べること.jpg



妙な書名ですが、本書は進化生物学や動物行動生態学の本です。専門的な研究書ではなく(著者は高名な専門家ですが)、さまざまな動物の協力行動などから、人間が学べるところはないだろうかという視点で書かれています。  

自分の子を持った時に、“ぞうさん” や “迷子の子猫ちゃん” の童謡の世界、また、“ぐりとぐら” や “バムとケロ” など絵本の世界に引き戻され、これでもかというくらい動物が出てくるのにあらためて驚きました。


また、いろいろなブログを拝見していると、犬や猫の写真がとても多く、ペットの存在感の大きさを感じます。(そういえば、つい最近も当塾で、“飼っている犬が死んでしまったので、今日は塾を休みます” という受験生までいました。)


本書に登場する動物たちの例は、書名にある、吸血コウモリの他に、チームで狩をする雌ライオン、女王ネズミをいただくハダカデバネズミ、集団でカラスに反撃するムクドリ、役割分担して獲物を追い立てるブリ、交互に身づくろいしあうインパラなどなどです。よく知られているアリやミツバチ、チンパンジーの社会も登場します。


筆者は動物の協力のパターンを

1・家族を助ける

2・貸し借りを忘れず清算する

3・ひとりでできないことはみんなで

4・仲間のためには危険をいとわず

の4つに分け、それぞれ豊富な実例で、なぜ協力をするのか説明を加えます。


動物の“環境”、“遺伝子”、“協力”、“裏切り”、“ズル”、“コストと利益” などが常にキーワードになってきます。なるほど人間社会が学べそうな知恵がたくさんあるなと感じました。私は特に動物好きというわけではありませんが、それでも本書は実に面白くよむことができました。 


実は大学入試の英語でも、動物の話題は頻出なんです。よく読解のテキストなどで、テーマを、環境や社会問題、歴史、教育などに分けていますが、なかなか“動物” というカテゴリーを設けているものはありません。 しかし、ニュートラルな話題を好む大学では本当によく出題されます。

環境や遺伝子に関心が高まってきているので、それとの関係で出されることも多いです。これまでも 『カラスはどれほど賢いか(唐沢孝一)』や『そんなバカな-遺伝子と神について(竹内久美子)』 を取り上げましたが、これらは国語の入試でも出されました。受験生も読んでおいて絶対に損は無いはずです。


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『吸血コウモリは恩を忘れない―動物の協力行動から人が学べること』リー・ドガトキン(著) 春日倫子(訳) 
草思社:205P:1680円

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テーマ:紹介したい本 - ジャンル:本・雑誌

  1. 2006/12/11(月) 12:57:04|
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『ポール・オースターが朗読する ナショナル・ストーリー・プロジェクト』ポールオースター


ポールオースターが朗読するナショナルストーリープロジェクト.jpg



ポール・オースターは以前取り上げた、『英語達人読本(斎藤兆史・上岡伸雄)』の中で、現在日本で最も人気のあるアメリカ人作家として紹介されています。

達人読本は “音読で味わう最高の英文” と銘打った英語名文集です。 そのことからも分かるように、ポール・オースター自身の小説もすばらしく、私も好きなのですが、今回はその彼が選んだアメリカの物語を集めた一冊を紹介します。


ナショナル・ストーリー・プロジェクトというのは、彼がホストを務めるラジオ番組で、リスナーに、“自分自身の物語を書いてくれ”と呼びかけ、現実にあったことで、短いストーリー(ラジオで朗読できるように)という条件で募集したものです。

なんと5000を越えるノンフィクションが集まったそうですが、その内容はありとあらゆる年齢、人種、階層のありとあらゆる物語が詰まっており、本当にアメリカを象徴する物語集になりました。


その中から選ばれた優秀な作品180を集め『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』として、新潮社から出されております。(556P:2730円)↓

ナショナル・ストーリー・プロジェクト.jpg




これも良いのですが、556Pというボリュームがあり、さすがにアメリカメルティングポットというか、サラダボールというか、本当にいろいろ混入されており、それぞれが人生を語るわけですから、ヘビー過ぎるのです。

正直、ちょっと読むのがつらくなってきます。ポール・オースター自身が似たような感想を漏らしています。原稿を読んでいると、自分のリビングルームにアメリカ中の人々が押し寄せたようだと…。

アメリカ大好きとか研究家には絶好の資料といえるほど楽しいでしょうから、興味のある方はそちらを。


そこで、その中からさらに厳選した作品18を選び、何とポール・オースター自身が朗読した英文集である本書の方を紹介しました。このような経緯ですから、当然、素人の書いた文ということになりますが、忘れられない話ばかりです。

ページ数は多いのですが、字が大きく、英日対訳になっているためです。 しかもこのうちいくつかは、大学入試で出されたものが入っています。こんなところからも大学は英文を取るんですね。

笑い話もあるのですが、人生を変えるということになると、やはり肉親の死や、戦争などを語ったものが多く、さらに厳選されただけあって、どれもこれも印象的です。


当然のことながら、大学入試を意識した本ではありませんが、英語受験指導にも使ってみたいと感じますし、リスニングの練習にもなります。そして最近特に評判の悪いアメリカですが、その現代アメリカの生の良心の部分に触れることができます(笑)。




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『ポール・オースターが朗読する ナショナル・ストーリー・プロジェクト』ポールオースター
アルク:229P:2730円

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  1. 2006/12/10(日) 12:48:09|
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『白光』 連城三紀彦

 

白光 連城三紀彦.jpg



「白光」 とはいっても全く明るい話ではないし、壊れていく人間関係、大人の男女関係を題材にしていますので、生徒にはちょっと…(笑)。ですが、大変すばらしいミステリーだと思いますので紹介させて下さい。

連城三紀彦氏は、『恋文』(直木賞作品)に代表される恋愛小説を書いている作家だと思っていましたが、デビューはミステリーだったそうです。本書は新聞か何かの書評を読んで購入しました。


ある家庭に起きた、4歳の子供の殺人事件からすべては始まります。

その家族や親戚など、事件にかかわる数人が、それぞれすべて独白という形でストーリーが展開していきます。その語りの中で、家族に投げかける疑惑など、微妙な心理描写などにひきつけられ、ずっと緊張感が続きます。

モノローグとはいっても、意味ありげな冗長な背景説明もなく、ある程度のスピード感がある上、そこでの疑心暗鬼からうまれる告白によって、別の人物の考えが誤っていたり、だまされていたりしていることを知り、事件の様相が変移します。


崩壊する家族、ぬぐいがたい不信感、まるで360度見渡せる、殺人事件という山の頂上があって、それを前後、上下、左右、さまざまな角度からの映像で、ショーのように次々と見せているかのようで、幻惑されます。子ども、老人、男、女あらゆる視点が交錯します。

それでいても展開自体はわかりやすいですし、“ムリすじ”などもありません。素直にそのどんでん返しに何度も驚くことができました。


いよいよページ数が残り少なくなり、いくつかの矛盾するような考えが重なったまま終盤、いったいどうやって話のつじつまを合わせるんだろうと思っていると、驚くべきラストが待っていたんです。


ちょっと悲しい最後ですが、抜群におもしろい、すごいなぁ~と感じた一冊で、もちろん一気読みでした。(^_^)v



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P.S. あの、ふるさん がミステリー小説のお気に入り10冊をTBしてくれました。私はこれまミステリーはほとんど取り上げていないので、ちょこっとやってみました。

そういえば、同じく家族の殺人(少年犯罪)を扱った、ミステリーの秀作、『さまよう刃(東野圭吾)』を以前ご紹介しましたね。かなり趣は異なりますので一概に比べられないでしょうが、この “すごいなぁ~” という点で、やはり連城氏の練達の筆に軍配をあげたいですね。


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『白光』連城三紀彦
朝日新聞社:262P:1575円

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  1. 2006/12/09(土) 13:28:14|
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『真珠湾の日』半藤一利

 


真珠湾の日 半藤一利.jpg




今日12月8日は日米開戦、真珠湾攻撃の日です。この日から太平洋戦争が始まってしまったわけです。


以前、何かの本に歴史家の保阪正康氏が “真珠湾攻撃に関する限り、正確でよくまとまった書物はどこにもない” という旨を書いていました。


その理由として、特に天皇に関する資料というのは、当時、そう簡単に手に入るものではないらしく、そのためもあってか、逆にデマや思い込みによって書かれた書物はあふれるほどあるそうです。

また、政治的にではなく、真剣に歴史研究をしている外国人にとっても、日本が真珠湾攻撃にいたる経緯がどうも腑に落ちないという意見が多く、保阪氏に問い合わせてくることもあるようです。その中で信頼できる一冊として、本書を挙げていました。


このブログでも、半藤氏の著作は数冊紹介しましたが、中でも、『聖断』 と本書が、私には大変印象深い内容です。膨大な資料と関係者に対する直接取材によって、事実を丹念に読み取り、比較、検討し、見事に全体像を描ききっていると感じます。


小林よしのり氏ではありませんが、戦争はもちろん、日本国内の『いわゆるA級戦犯』 だけがはじめたのではありません。しかし、また逆に、ハルノートABCD包囲網など、日本が諸外国から受けた冷淡な扱いだけを取り上げても開戦を理解することができません。

国内、海外の情勢を見聞きし分析し、名も無き国民を含めて、無数の誰かが何かを決断し、意見を衝突させながらも、結果としてはあの悲惨な戦争にいたったわけです。


本書で描かれる開戦を決断するまでの日米のかけひきの場面、また連合艦隊司令長官の山本五十六氏の言動など、身震いがする思いがしました。また当時の日本国民の心境も挿話によって、とてもリアルに想像することが出来ました。

ルーズベルトの人格(ちなみによく聞かれるルーズベルト陰謀説は明確に否定しています)、東条英機の考え、外務省(アメリカ大使館員)の体たらく振りなど、実にさまざまな要因が絡んでいることを実感します。半藤氏のライフワークは本書ではないのかとすら感じました。


以前申し上げましたが、私は、『殉死』 を書いた司馬遼太郎氏に、明治ではなく、昭和や太平洋戦争の人物を描いて欲しかったのですが、やはり天皇に対する資料不足なのでしょうか、なぜか氏は手を出そうとせず、亡くなってしまいました。この一冊が代わりになると感じました。


司馬氏の小説を読むように読み進められますし、政治的な片よりも感じません。生徒諸君にもぜひ読んでもらいたいと思う一冊です。




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P.S. 実はですね、もうお一人、相互リンクの気安さで、昭和を書いていただきたいと思い、しつこくお願いしているのが、真島先生。名著 『「浪士」石油を掘る』 の著者。こちらもお薦めです!



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 『真珠湾の日』半藤一利
文芸春秋:413P:1700円

真珠湾の日 文庫.jpg ←文庫はこちら(509P:700円 )


浪士石油を掘る.jpg



『「浪士」石油を掘る』 真島節朗
 共栄書房:243P:1800円



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  1. 2006/12/08(金) 13:09:01|
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『教養としての「死」を考える』 鷲田清一

 


「教養としての死を考える(鷲田清一)」.jpg


 
キリスト教自殺を禁じています。神から授かった命をないがしろにするのは人間の傲慢だと考えるからです。東洋でも 「身体八腑、これを父母に受く。あえて毀傷せざるは、これ孝のはじめなり」と言います。

どちらも自殺は悪であると教えるのです。そして、誰から授かったかという点で違いがありますが、共通するのは、“自分の体も自分のものではない授かりもの”、すなわち命は自分ひとりのものではない、私だけの所有物ではないと教えていた点だと筆者は指摘します。


ところが、近代の個人主義、自由主義、財産権の確立にともなって、お金や行動はもちろん、体だって自分の所有物だから、自分の好きにして良いという感覚が生まれてきたと…。


以前、ご紹介した 『オレ様化する子どもたち(諏訪哲二)』 にも、大人には理解できない、子どものキレる原因は、自分がしたことと叱られることが、経済的に“等価交換”ではない、と主張しているのだという、興味深い知見、指摘があります。


宮台真司氏や、先日サンデープロジェクトに出ていた、よのなか科の授業を展開されている藤原和博氏(和田中学、校長)、は援助交際を否定しません。また、福田和也氏は 『魂の昭和史』 の中で、反論できないと告白しています。平和な状況を作り出した、先人たちへ思いをはせてほしいと述べるのみです。


人に迷惑をかけなければ何をしても良いじゃないか” という、いわゆる他者危害原則という考えは、確かに反論が難しいですね。しかし、そもそも自分の体や命が、自分一人の物ではないのだという概念があれば、出てこない主張ということになります。

高度に効率化を目指している現代社会では、都会にいればお百姓さんの姿は見えませんし、漁師にお礼を言うこともなく魚も食べられます。私の知り合いの幼稚園に通う子は、友だちの妹(もちろん赤ちゃん) を気に入ってしまい、「ぼくも妹を買いに行きたい」 と言ったそうです。


本書では、人間の根本である生と、食や排泄までも見えないところでなされていると指摘します。妊婦がうめき、赤ん坊が血や体液にまみれて誕生して来る瞬間を男性はほとんど見ません。 たいていのは病院で専門家の手に委ねられ、家族や親戚でさえ、処置されて、着替えをし、きれいになった体に面会するだけ。

牛を殺し、鶏を絞めて皮をはがし命が奪われている瞬間 (『いのちの食べかた(森達也)』に詳しいです) も知りません。排泄物は下水道の完備によって知らない間に処理されます。街に人が倒れていることも、排泄物が放置されていることもないと。

すべてが便利なシステムやお金で処理されている現状では、命や体すらその一部になると感じるのは当然かもしれません。臓器移植もそういう流れでとらえられますね。

逆に言えば、せっせと働くのは、稼ぐため、自分や家族を食わせるためですが、それが他の人の役に立っているのも見えないことになりますから、労働の尊さを感じないはずですよね。

SMAPの “世界に一つだけの花”の、only one という考え方や、文部科学省の政策でも、自分探しや個性尊重が流行りましたが、自分の中に自分を探しても何も見つからない(『4コマ哲学教室(南部ヤスヒロ(文) 相原コージ(漫画))』を参考)。

常に他者があって自分の存在があるのが人間なのだから、他者のは自分のであって、自分の死も自分だけのものではないということでしょうか。


昔からの鷲田ファンにとっては、あまりの読みやすさに驚き、中には嫌悪する向きもあるようですが、私は本書を多くの人に読んでもらいたいと思います。氏の著作は大学入試でもよく出題されますし、ご紹介した以外にも、さまざまな知見がわかりやすく書かれています。


 


P.S. そもそも日本の哲学は難しい言葉が多いので、本書のような口述筆記で、やさしい言葉に言い換えたものは大賛成です。実際に、専門家の日本語訳より、英語で原書を読んだ方がわかりやすいことがよくありますね。



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『教養としての「死」を考える』 鷲田清一
洋泉社:222P:756円

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  1. 2006/12/07(木) 12:35:35|
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『国家の品格』 藤原正彦


■■■ 国家の品格が今年のベストセラーに決定し、あのハリーポッター以上だったのですね。3位は『東京タワー(リリーフランキー)』だそうです。本記事はかなり以前にUPしたものですが、記念に再掲します ■■■



国家の品格 藤原正彦.jpg




自民党の安倍幹事長が今国会で、教育基本法を改正するという発言をしました。

新聞報道によると、公明党と話が付いたとかで。愛国心の表現をどうするのか、ジェンダーフリーや男女共同参画をどう扱うのでしょう。エリート教育については?

昨日“報道2001”に藤原氏と中曽根元総理が出演し、竹村健一氏と一緒に教育について語っていました。

本書は藤原氏のこれまでの主張を、よりわかりやすく、中学生でも理解できる程度に書き換えて、繰り返したに過ぎないと思うのですが、ベストセラーになりました。

テレビでも、“日本に1万人の殺人犯がいても国は滅びないが、1万人のエリートがいないと国は滅びる”“エリートとは歴史、文化、文学など一見役立たないような知識を一杯持ち、総合的な判断ができる人、なおかつ国家・国民のために命を投げ出す覚悟がある人”というような主旨の発言をしていました。


本書でも、アメリカは世界中から優秀な人材が集まるから、国民の学力が低くてもそれらのエリートが国を支えてくれるが、日本は日本人の学力が低下してしまうと、ストレートに国力の低下を招くという指摘にはなるほどと思いました。

その方法として小学校から英語を学ぶなどというのは本末転倒で“日本語である国語”を徹底して学ぶべきだという主張です。

他にもインドの数学者や市場競争、武士道などの話題が含まれます。日本人ならごく当たり前だと思われる主張をしているのですが、その当たり前のことすら指導者があまり口にしないから、これほど売れるのでしょうか?


本書も良いのですが、本当は 『古風堂々数学者』 の方をぜひお読みいただきたいのです。感動しました。



 


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  1. 2006/12/06(水) 18:48:00|
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『若者はなぜ「繋がり」たがるのか - ケータイ世代の行方』


若メはなぜ「繋がり」たがるのか 武田徹.jpg



「最近の若者は…!」というお叱りは、古代エジプトのピラミッドにも書き記された歴史の古いものだそうです。今また、少し前の新成人たちの「愚行」から、フリーターやニートの問題、そして携帯電話のマナーに至るまで、若者に対する時代の風当たりは強いものがあります。

本書は少し前に出されましたが、その若者論、特に携帯電話に代表される、コミュニケーションの仕方や人間関係の変化について論じています。


高校の英語の先生はご存知でしょうが、大学入試でも携帯電話に対するマナーについて述べた英文が相当数出題されています。ちょっと驚くほどです。ですから… 

cell (cellular) phone / mobile phone / portable phone  などは今や、大学受験生の必須単語です。(大丈夫かな、これらが載っていない単語帳はダメだよ) 


大学の先生方がかなり授業中の携帯電話のマナーに怒っていらっしゃるということが想像できますね。そういえば、『ケータイを持ったサル』を書いた、正高信男氏も京都大学の先生でしたね。“サル” とまで呼ぶのですから(笑)。


(公立高校や中学ではひどいと聞きますが、私は当教室で生徒を見ておりますと、携帯電話のマナーはかなり改善されてきたというか、正しい使い方が周知徹底されてきたと感じます。授業中に携帯電話がなることも皆無になりました。むしろ大人の方が…)


本書は、著者が若者文化について『日経トレンディ』、『読売新聞』、そして『女性セブン』 など様々なメディアに寄稿した記事の「寄せ集め」の形をとっています。従って内容も「宇多田ヒカル」から「ユニクロ」まで多彩なものとなっており、現代若者文化を取り上げたものとしては読み応え満載です。一つ難を言えば、文体に統一性がないため、やや読みづらくもあるのですが。


各章は以下のようなものです。

第1章 ケータイとともに来たもの

第2章 散らかった部屋から見える景色

第3章 そしてすべてキャラになった

第4章 音楽を聴かずに眠る日はない

第5章 「いま」の演出家列伝

第6章 ケータイの先に来るもの



さて、若者文化を語るときには、個人の感受性や自分の世代との比較がモノを言うのですが、感情論に走ってしまうと建設的な議論を逸してしまうおそれがあります。ですが、社会学をバックボーンにした著者の分析は、単純な若者批判を超えた、時代への警鐘と新しい世代への信頼を導き出しています。


例えば、若者でにぎわうフリーマーケット会場では、「要らなくなったもの」が売られ(従って使用価値が交換され)るため、ひとたびマーケットが終了すると、売れ残ってしまったものは一瞬にして「商品」から「ごみ」へと姿を変え、会場にそれを捨てていく心無い人がいるそうです。

しかし、一方で手作りの品を並べ露天商のようなことをしている若者もおり、そこでは作り手と客とのコミュニケーションがあり、「創造性を共有する」形で売買が成立しているというのです。若者たちがモノを売ること一つとっても、そこには消費社会の行き詰まりと新たな可能性が見えるというわけです。

若者は時代を映す鏡のようなものなのでしょう。本書は若者文化論でありながら、より大きな時代状況を読み解くカギになるのかもしれません。


また、昨今のいじめ自殺リストカットの問題などを見てみますと、本書のように、学校や教育界という枠を越えて、さまざまな分野からの分析がなされてほしいと思います。




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『若者はなぜ「繋がり」たがるのか - ケータイ世代の行方』
PHP研究所:251P:1365円

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  1. 2006/12/06(水) 12:51:29|
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『ダメな教師の見分け方』戸田忠雄

 

ダメな教師の見分け方.jpg



血も凍るような事件というのは、こういうものを指すのでしょう。都内の小学校教諭が、交通事故死した子供6人の写真をホームページに無断で掲載し、聞くに堪えないコメントを書き込んでいました。

その内容をニュースで聞いた時には、言葉を失いました。「3度の飯より子ども死体」と名乗っていたというではありませんか。また、別の子供の裸の写真まで掲載されており、児童ポルノ処罰法違反容疑も…。


そして、何よりもおそろしいのは、この教諭は今年9月に著作権法違反容疑で愛知県警に書類送検されていたにもかかわらず、それで処分を受けるどころか、ついこの前まで教壇に立っていたという事実、それを許す学校教育委員会など日本の教育システムです。


我々は、こんな教員、こんな学校に税金を払って、大切な子どもを預けているわけです。


教員であれ、医師や弁護士であれ、何万人、何十万人もいればすべてがすぐれた人格を備えているわけではないでしょうから、その中に犯罪者がいたというのは避けられないとしても、それを排除する仕組みが、学校にできていないことに恐怖感を覚えます。


この事件も勇気ある遺族の告発がなければ、卑劣な行為がずっと続いていた可能性が高いと考えざるを得ませんし、ひょっとして、まだ表に出ない問題教員が実は相当数いるのではないかと疑われても仕方のないできごとです。


これまでも、 教育関連のカテゴリー で、学校の問題点を指摘していた、『学校が泣いている』や、『高校を変えたい 』など、数冊をご紹介しました。 本書はそれらと比べてもかなりラジカルな主張なのですが、残念ながら、小手先の改革案では、学校にいじめ自殺も、そしてこういう問題教員もなくならないと思いますので、取り上げます。


戸田氏は長野県立高校の校長と予備校の校長を経験しています。学校の最大の問題点として校長の権限のなさを挙げ、民間企業の社長なみの権限が必要だと指摘しています。

校長から何か業務を指示すると、業務命令が「民主的でない」とされ、職員会議を最高議決機関のように履き違え、ひたすら管理職いじめを行なう。あげく教職員組合は自らの存在理由を「平和教育」「反戦」などと政治的な問題にすり替え、学校業務を妨害している。


読んでみて最大の問題は、視点が生徒や保護者などのニーズから遊離して、極めて内向きの発想になっているということです。教員の評価システムを変える必要があるでしょう。


こうして、学校の問題を取り上げるときに心が痛むのは、まじめにやっている教員や、大変お世話になった恩師を個人的に何人も知っていることです。本書のような、十把一絡げ的な議論は、本来は避けたいのですが、今回のような事件を聞きますと、もう個人の問題をはるかに越えていると感じます。




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織田信長が延暦寺を焼き討ちしたおりに、堕落し政治に口出しをする悪僧だけでなく、高僧と呼ばれるような人々をも容赦なく首をはねたと言います。常人には思いも付かないことですが、僧のために命乞いをする自分の配下の兵士たちに対し、“名僧、貴僧などが支えている寺の権威こそが諸悪の根源だ“ と言い放ったと何かで読みました。


学校も懸命に立て直そうと努力されている先生方が多くいらっしゃっても、今回の事件を聞けば、権威も地に堕ちたといえる段階まできてしまっていると感じます。公立学校の再生が何よりも重要だと考えていますから、なんとしてでもすぐに問題教員を排除できる制度を作り出してほしいものです。



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『ダメな教師の見分け方』戸田忠雄
筑摩書房:302P:903円

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  1. 2006/12/05(火) 15:10:56|
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「ニセモノ師たち」中島誠之助


ニセモノ師たち.jpg



テレビ東京の 『開運!なんでも鑑定団』、ご存知ですよね。おもしろい番組で、わたしは時々、日曜日に再放送されているのを見るだけですが、ついつい最後まで見てしまいます。どうしてあれに引きつけられるかわかりませんが、そろそろ長寿番組と言っても良いくらいでしょうか。今、見てみたら10年以上続いているんですね。


実は、かつて当教室 に通っていた生徒の家が、古美術商を営んでおられ、お話をうかがう機会があったのですが、やはり、番組はテレビ用にかなり着色された編集になっていて、現実の取引の世界とは違うとおっしゃっておられました。そりゃそうかもしれませんね。ただし、おもしろいそうです(笑)。



本書はその出演者の一人、中島誠之助氏が書かれたものです。 「いい仕事~」でおなじみでしょう。プロの骨董屋とはどういうものか、ぞっとする世界を垣間見ることができます。



なんでも鑑定団 ”や CMに人の良さそうな表情で出演している筆者ですが、現在にいたるまでの “だまし、だまされ” の記録を読むと、とんでもない “裏世界” をくぐりぬけてきた人物なんだとわかります。



日本国内だけでなく、国境をまたいだ詐欺師がいますし、命がけのだましなど、生産性の全くない骨董のプロの世界で起こることは異様です。新しい商品が開発されるわけではありませんから、すでに存在しているものを、限られた世界で動かしながら、利益を得ていくのですから普通の経営とはだいぶ違います。



だまされて、贋作をつかんでしまったら、それをだまして他へ回したくなる気持ちもわかります。ババ抜きですよね。


非常に人間くさいドラマが溢れていました。本書を読んで、あの軽い雰囲気の中島先生に対する見方が変わりました。興味のある方はどうぞ。気軽に読めておもしろいと思います。


 



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 「ニセモノ師たち」中島誠之助
講談社:285P:1680円  

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  1. 2006/12/04(月) 12:29:51|
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